第一話 「いつも通りの日常」
――眠い。
いきなりで悪いが、俺は勉強疲れと日々の空手の鍛錬で疲れ切っていた。欠伸を噛み殺し、机に顔ごと伏せる。
今は放課後。
定期試験の結果が渡され、試験後の息抜きの時間が滞りなく進んでいる。
「――終わったー」
そこへ聞き慣れた声が、俺の伏せた後頭部付近から聞こえてきた。この声は間違いなく俺の親友、青山 慎二だろう。
「――どうだったんだ、テストは……?」
そんな声に反応するかのように俺は伏せたまま答える。一応、友人として聞いてやらなければならないと思ってそう聞いてやったのだが……。
「――テストがどうだったて? 俺が本気を出せばこの学園の偏差値が変わって、瞬時に進学校にランクアップしちまうぜ(ドヤッ)……」
キメ顔をかましてスマホから謎のBGMを流す演出。
今日もこの慎二は絶好調だが、同時に友人として悲しくなってしまった。
「――まあ……その……な? うん……頑張ったんだよな?」
「明らかに気を使った対応をするな! マジでヘコむだろうがっ!!」
なんとも悲しいやり取りだ。俺は顔を起こしてため息を吐いた。
「――そういうお前はどうだったんだ?」
「いつも通り……って感じだ」
「……お前のいつも通りは全教科八十点はいってるだろ! なんでお前はそんなに小器用なんだよ!?」
「勉強してるからじゃね?」
「……勉強します」
「それがいいと思うぜ」
そんなバカなやり取りをしている時に視線を感じた。俺は自然にそちらに視線を向け、視線を送ってくる人物を確認した。勿論、落ち込む慎二は放っておいてだ。
「――…………」
無言の圧力? その正体は俺の幼馴染であり、数少ない女友達の水鏡 真希であった。
ショートヘアで綺麗な黒髪。そしてさらさらの髪質。白い肌もさることながら、少し鋭い目つきが印象的。可愛い、綺麗というよりもボーイッシュな感じが特徴的な彼女。
実家が剣道道場で本人も剣道をたしなんでいるので、凛とした雰囲気がある。
そんな幼馴染に俺は声をかけた。
真希は軽く頷くと、俺たちの近くまでやってきて、
「――……何してたの?」
そう問いかけて来た。俺としては『テスト後の野郎同士の会話なんぞ聞く必要な無いだろう?』と言いたかったが、一応聞いてくれたのだから素直に答えた。
「――いや、慎二がテストのことでちょっとな……」
「?? 『ちょっと』……?」
「おい、美幸、『ちょっと』ってなんだよ?」
「ちょっとはちょっとだ。オブラートに包まず、全開で言ってやろうか?」
「勘弁してください。水鏡さんも察して! 俺の傷口をえぐらないで!」
「……ん」
真希は必死に懇願する慎二に頷く。感情が豊かではない彼女は大体こんな感じだ。イエスは頷き、ノーは言葉に出す。人付き合いが苦手なのか、親しい奴以外には寡黙な存在として認識されている。
「――青山、大丈夫……」
「な、なにが?」
「ボクも調子悪かったから、点数は良くない」
「そ、そうか!」
「……真希がそう言った時は全教科六十点以上って所か」
「ろ、六十……っ!?」
「……ん。調子、悪かった」
真希は更に慎二の傷をえぐったようだ。彼女は剣道に力を入れている反面、勉学を疎かにしているわけでもない。普通の点数を取れる学力は最低限持っていた。
調子がいい時は七十点台も普通にとれる時もある。
赤点の常連の慎二とは違う存在だった。勿論、俺もそうだ。
「――へいへい、どうせ俺はバカですよ。バカバカだよ! 赤点のアイドルだよ!」
「別にそこまで言っていないんだが……」
「……ん」
「勉強出来る奴には俺の気持ちは分からないんだっ!」
「だから勉強すればいいんじゃねえか? どうせお前、ギャルゲーと女の事しか考えてないんだし……」
俺は慎二にそう指摘してやった。慎二は俺の言った通り、趣味に生きる男だった。嫌いな事はしないし、好きな事はとことんやるといった趣味人だ。特にゲームと女関係には詳しかった。休日は基本的にギャルゲーばかりしているし、外に出ればナンパもする。
二次元ばかりではく、三次元もいけるという女好きでもあった。
情報通で、二次元と三次元の女性の情報ならすぐに出てくるという徹底ぶりだ。
「――俺を性欲魔人みたいに言わないでくれるか、美幸?」
「お前の趣味をとやかく言うつもりはねぇよ。しかしその女好きの情熱をもう少し勉強の方に向けたらいいと思っただけだ」
「そいつは無理だね。俺は勉強が嫌いなんだ。……そんな事より女の子の事が知りたい」
本当に残念だ。コイツほど能力の使い方を誤っている奴はいないだろう。その情報収集能力には、実際に脱帽する。
俺たちが通っている綾菱学園の可愛い女子生徒の情報を全て網羅しているほどだ。
たまに男子生徒が慎二と話しているのを目撃するが、あれは恐らく女子生徒の情報を流していたに違いない。
「――そのうちストーカー容疑で捕まるぞ?」
「……ん」
「嫌な事言わないでくれるか? 水鏡さんも頷かないで」
当然の反応をされて狼狽える慎二も慎二だ。どうもコイツは自分のやっていることの重大さが分かっていないらしい。親友として道を踏み外しかけているコイツをどうにか真人間に治したいが、どうすればいいのだろうか。
まあ、あれやこれやと進言したところで、このバカが改心するとは思えないので『ほどほどにしとけ』と釘を刺すことでこの会話は終了した。
会話が終了すればあとは帰るだけになるが、俺は目の前で会話に花を咲かせている女子グループに目が行ってしまった。
俺の正面に立つ真希越しに『彼女』を探してしまう。彼女は友達らしき女子生徒と楽しそうに会話していた。この場所からその会話の内容は分からない。……というか、別に盗み聞きしようとしている訳ではないので、会話の内容などどうでもいい。ただ、彼女は社交的なだけあってクラスに自然に溶け込んでいる。目の前の真希とは大違いだ。
「――美幸……?」
真希が俺の様子を不審に思い、顔を覗かせてくる。
顔が近い。咄嗟に顔を引いて退避した。それは恥ずかしいという気持ちもあったが、真希に対して失礼な事を考えていた事も手伝っていたかもしれない。
「――ん? ああ……」
「何見てるの?」
「別に何も見てない」
「…………」
真希が俺の視線を追いかけて背後に位置する彼女を見た。
その動作に慎二も続く。
「――千歳……?」
「ああ、相沢さんか」
ちくしょう、彼女を見ていたのがバレたか。俺は咄嗟にそう思ったが、もう遅い。
慎二はニヤニヤしながら俺を見る。
……なんだかムカついた。
「――美人だよなー、相沢さん。『俺も』好きだぜ」
「なんだよ、『俺も』って。……まるで俺が相沢さんを好きみたいじゃないか」
強がって反論してみたが、実は違う。
俺は相沢さんが好きだ。正直なところ去年この学園に入学して彼女を見た時に一目ぼれをしたのだ。
相沢 千歳は俺の好意を知る由も無く友人たちと談笑している。
愛らしい表情に背中まで伸びた美しい黒髪を後ろで束ねたポニーテールが印象的。一喜一憂するごとに揺れる髪の毛は、まさしく元気な彼女を象徴するかのようだ。肌も勿論、新雪を思わせるように綺麗だし……。まあ、とにかく完璧なのだ。さすがうちの学園のアイドルだけの事はある。
「――好きなんだろ? もうバレバレだぜ」
「……ん」
「お、お前ら……」
まさか真希まで俺の敵に回るとは思わなかった。
「――告白は?」
「後日……」
「後日って?」
「後日は後日だっ!」
「っていうか告白する気なんだな」
「あ……」
しまった。咄嗟に口車に乗ってしまった。これでは俺が相沢さんを好きだという事が丸わかりだ。
「――ははは、やっぱり好きなんじゃん?」
「う、うるせぇ」
俺は恥ずかしくなり、慎二から目を逸らす。逸らした視線の先には真希が居て、彼女は俺をジッと見つめていた。
俺は『何だよ?』と、ぶっきら棒に言ったが、真希は黙って俺を見つめるだけだ。……一体なんなんだ?
「――告白……今すれば?」
「は?」
「告白……」
「いやいや、お前は一体何を言っているんだ?」
いや、本当に何を言っているんだ、コイツは。いきなり告白なんて出来るわけがない。何事も準備が必要なのだ。
いきなり勝負しても玉砕するのは目に見えているし、相手が悪すぎる。
なんせ相手は天下の相沢千歳。校内男子学生の憧れの的である。告白されるのは日常茶飯事で、それを全て断っているほどの難攻不落の要塞なのだ。
真希はそれを分かって俺に無茶ぶりをしているのか? それとも俺がフラれるのを見て慎二と一緒に楽しみたいのか? 本当によく分からない幼馴染だ。
「――それいいな! しろよ告白。……骨は拾ってやるから(笑)」
「玉砕決定かよ! お前それでも友達か!?」
「おうよ、親友だぜ?」
「じゃあもっと応援する的な……あるだろ?」
「相手が悪いと思うぜ」
「…………」
「夢を見すぎだな。……もっと身近な娘にしとくべきだ」
「み、身近? 例えば?」
「……水鏡さんとか」
「はあ!? なんで真希なんだよ!?」
「結構お似合いだと思うけどなぁ」
「お似合いってなんだよ、真希に失礼だろ! なあ、真希。あれ、真希は??」
バカな事を言いあっているうちに真希の姿が消えていた。
俺は彼女を探すために辺りを見渡した。そして姿を見つけたが、思わず凍ってしまった。視線の先には、なんと真希が相沢さんと喋っているじゃないか!?
まさか本当にここに連れてきて俺に告白させるつもりなのか!? いや、違うだろう。あれはただ、友人として相沢さんと会話しているだけに過ぎないんだ。そうなんだ。そうに決まっている。
言い忘れていたが、真希と相沢さんはかなり仲がいい。それはもう親友と言ってもいいくらいだ。まさしく静と動の凸凹コンビと言ってもいい。
そんな真希が俺たちとの会話を放り出して相沢さんの元へ行ったのだ。よほどの急用があったに違いない。
いや、そうだろ? そうであってくれ。
「――――」
「――――」
何を話しているのか分からないが、俺は内心ビクビクしながら真希の様子を伺っていた。……隣の慎二は必死に笑いを堪えている。
コイツ、いつか殺したる。
状況は刻一刻と悪い方に流れているようだ。あ、今相沢さんが俺を見た。……マズイ。非常にマズイぞ、今の状況は。
相沢さんは真希に笑顔を見せると、スッと自分の席から立ち上がり、俺の方へ一直線に歩き出してきた。
俺は咄嗟に身構える。
いや、他にどうすればいい? いきなり憧れていた女の子に告白しなければならないかもしれない状況だ。そんな危機が刻一刻と迫って来ているのだから、身構える他ないだろ?
俺は相沢さんから目を逸らして逃げ出そうと立ち上がろうとするが、一瞬遅かった。彼女が俺に話しかける方が速かったのだ。
「――小峰君。真希から聞いたんだけど、私に何か大事な話があるって?」
確かにある。確かに大事な話はあるんだが、今ここで言うべきことではない。もしこんな人目のあるところで告白なんかしたら、明日から不登校になってしまうかもしれない。それに相沢さんの非公式ファンクラブにも目を付けられるかもしれないし、いい事なんて何もないのだ。
「――あ、話? 話ね……。えーっと……」
「??」
「ほ、ほら! あれ……!」
「え?」
「じゃなかった。……ごめん。何でもないです! 真希が勝手に早とちりしただけ……デス」
「そ、そうなの?」
「そ、そうそう! だから申し訳ないけど用は全く無いよ、これっぽっちもっ!」
「う、うん。わかった……」
相沢さんは首を傾げながら俺から遠ざかる。
それは今の俺と相沢さんの距離感を現しているような、そんな距離感だ。
まあ、いきなり呼び出されて『用は無い』と言われれば、誰だって彼女と同じような反応をするだろう。
とどのつまり、俺は相沢さんに不審な思いをさせてしまったという事だ。その事に俺は深すぎるため息を吐いた。
「――告白、しなかったの?」
真希が相沢さんと一、二言話すと戻って来る。
俺は真希を睨み付けてやった。
「――ん……?」
しかし真希は相変わらずの無表情で俺の睨み攻撃を軽く流していた。
何かムカつく。
「――まあ、あの状況で逃げずに会話したお前はえらいと思うぞ」
慎二は俺の肩に手を回して励ましてくれた。しかし内心はどう思っているか分からない。大方、大爆笑していたに違いないから、俺は慎二の手を払った。
「――冷たいねぇ。俺がせっかくあの意味不明なコミュニケーションをしたお前さんを、慰めてやってるというのに……」
「意味不明ってなんだ? 俺は俺なりに全力で頑張ったよ」
「結局『何でもない』で終わらせたじゃないか。まあ、全力出さずとも誰がやってもああいう会話になっただろうな」
「あの状況で何が言える? 呑気に天気の話でもしろというのか?」
「それはそれで意味が分からないな。第一『大事な話』っていうハードルがあるんだし」
「だよなぁ……」
そこで俺はこの一件の元凶である真希を見た。彼女は俺を見つめていて何か言いたそうにしている。『お前、何てことしてくれたんだ』と、抗議の言葉をかけてやったが、真希は首を傾げるばかりだった。
「――告白、多分いけると思ったから……」
「その根拠を原稿用紙数枚で提出してくれるか?」
「……ん」
「いや、頷くな。マジで提出されても困る」
「??」
「心底驚いたリアクションしないでくれるか? ああ、もういいよ……」
俺は傷心で真希から目を逸らす。
さっきの一件で相沢さんに『変な奴』だと思われたに違いない。これで告白が失敗してしまったらどうしてくれる!?
「――ボク、余計な事した?」
「ああ」
「ごめん……」
無表情な真希が珍しく悲しそうな顔をする。
そんな顔をすんなよ。怒れなくなっちまうじゃねぇか。
俺は真希に苦笑いを浮かべると、『もういいから』と言っておいた。できるだけ優しく言ったので、彼女も気に病むことは無いはずだ。……多分。
案の定、真希は表情を和らげていたし、そんな彼女に俺はふと笑みを零した。
やはりコイツは大事な幼馴染だ。さっきの告白の一件も俺の事を思ってしたに違いないのだから、本気で怒る事なんてできない。そんな事を思っていた時、
――キーンコーンカーンコーン……。
学園全体にチャイムが鳴り響いた。
俺たちはそのチャイムにハッとして教室に備え付けられてある時計を見る。午後四時半を余裕で過ぎていた。
この時間まで残っているのは部活で青春を謳歌している者か、勉強をしている者。そして俺たちと同じく意味も無い駄弁りをしている者しかいないだろう。
ちなみに相沢さんは友達のグループと教室で勉強していたと思う。……どうでもいいが。
まあとにかく、これ以上この場に居れば勉強組の邪魔になるだけだし、帰る事にした。慎二や真希にその旨を伝える。
慎二は軽く伸びをして自分の席に戻り、机から教科書などを鞄に入れて帰る準備を、真希も同じように自分の席に戻って行った。
俺もそれに倣うが、すこし彼らとは準備が遅れる。なぜならば、俺はこう見えても真面目なので辞書やらも持って帰る派であるからだ。だから結構荷物が多くなるのである。
「――さてと、じゃあ帰るか? って美幸、すごい重そうな鞄だな」
「おう。……辞書が二つ入っているからな」
「真面目すぎるだろ、お前」
「お前が不真面目なんだよ。家で辞書開いて勉強してるか?」
「……記憶にございません」
ダメだこりゃ。
まあ、追試受けて進級できてるんだから結果オーライと言った所だろうが、褒めた事ではない。少しは剣道と勉学を両立している真希を見習ってほしい所だ。
そんな風に真希の事を思っていると、彼女が戻ってきた。左手に鞄。右手に木刀や竹刀を入れている袋を持っていた。
「――帰る準備、できた」
「そういやお前部活は? テスト今日までだから今日からあるんじゃないのか?」
「それもそうだな。水鏡さん、俺らと話していても大丈夫なのか?」
真希は剣道部に所属している。実家が剣道道場を開いているので、案の定と言った所だろうが、華奢な見た目によらず剣道はメチャメチャ強いのだ。現、剣道部のエースとして活躍していて、大会でもぶっちぎりで勝ちまくっている。
まあそんな説明は置いておいて、真希は俺たちの疑問に首を横に振った。
「――部活は明日から。美幸……」
「どうした?」
「悪いけど、今日は一緒に帰らない……」
「そうなのか? なんか用事か?」
「ん……」
真希は俺の質問に頷いた。そして相沢さんの方を見る。俺も続いて真希に倣った。
視線の先では相沢さんが帰る準備を終えていた。
真希と目が合うと満面の笑顔を向けてくる。
そして、
「――真希。帰る準備できた?」
よく響くエンジェルボイスで真希を呼ぶ。
……ああ、なるほど。そう言う事か。どうやら真希は相沢さんと一緒に帰るようだ。大方、さっき喋っていた時に会話の流れで約束したのかもしれない。
「――……ん」
「じゃあ一緒に帰ろ!」
相沢さんは真希の方へやって来て彼女の手を取る。……なかなか微笑ましい光景だ。いいね、真希は相沢さんと友達で。
「――じゃあね、小峰君。真希借りていくからっ! バイバイ!」
「え!? お、おう……」
驚いた。
あの相沢さんが、俺に別れの挨拶をしてくるとは。
俺は真希の手を引いて教室から元気に出て行く相沢さんをずっと見つめていた。
……結構嬉しい。いや、かなり嬉しい。
「――おい、美幸。盛大に顔が崩れているぞ」
思わず顔が緩んで間抜けな顔になっていたようだ。いかんいかん。引き締めなければ。
俺は出来る限りキリッと元の顔に戻すと、何故か俺とは対照的に落ち込んでいる慎二を見た。
……何があったのだろうか。
「――どうした、慎二?」
「…………はぁ」
ため息で返された。
「――お前は良いよな……」
「何が?」
「だってあの相沢さんに挨拶してもらえたんだぞ? ……隣に俺も居たのに全くノータッチだったぜ」
「そういや、そうだな……」
「全く、普段から水鏡さんと一緒なのに、贅沢だぜ……」
ん? なんだかよく分からない事を言い出した。真希が一緒? 一体コイツは何を言っているんだ?
「――そんな難しい顔するほどの事か? 考えすぎ、考えすぎ」
「だってお前がワケの分からん事を言うからだな……」
「ワケ分からんかな? 少し考えれば分かると思うんだが」
「??」
「鈍感野郎め……」
鈍感野郎と言われてカチンときたが、分からないものは分からない。俺はやたら真希の事を言って来る慎二の話を聞きながら学校を後にする。
慎二と別れた帰り道。思い返す事はやはり相沢さんの事。
挨拶してくれたのは非常に嬉しい出来事だ。俺はテンションが高いまま、心を躍らせて自宅へと足を運ぶのだった。




