とある米軍の従軍記者の音声記録
「ここが小笠原諸島のXX島だ。」
「冬が近いとはいえ、ここら辺は日中はかなり暖かいな。人気も何もない。ただの無人島だろ。」
「一応警戒しておけ。日本軍が何を隠し持ってるかわからない。終戦してもなお抵抗を続ける奴がいるからな。」
「周りは海、中は森、それ以外何もないだろ。」
「おい待て、森の中に建物がある。」
「ほら、何かあっただろ?」
「おい、集中しろ。向こうが抵抗してきたら躊躇せずに撃ち殺せ。」
「扉が閉まってる。爆破して開けるぞ。」
爆発音と同時に怒号が聞こえる。悲鳴、銃声…地獄絵図が容易に想像できる。
「ここにいる奴らは皆研究者のようだな。だが銃を持っていた。」
「てことは日本軍所属か?でも軍人がいないぞ。」
「あるとするなら、”国家機密”とか?」
「あり得るかもな。」
「なんか扉があるぞ。頑丈だ。」
「中に何か猛獣でも閉じ込めてんのか?」
「まさか生物兵器?」
「猛獣を戦場に放つのか?そりゃ無謀だろ。」
「飛行機で船に突っ込んでくる奴らだぞ?あり得なくはない。」
遠くから足音が聞こえて来る。
「二階も制圧完了しました。」
「了解した。」
「その扉すか?二階から中見えましたよ。」
「何があった?」
「特に変な生き物はいませんでしたよ。一人の人間がいたくらいで。」
「人間?」
「じっとこっち見てきて不気味でしたよ。俺としてはこの扉は開けない方がいいと思いますけど。」
「偵察にここにきている以上そういうわけにもいかない。爆弾を扉に設置しろ。ブラスティングを行う。」
大きな爆発音が聞こえる。
「おい、そこの人間、無駄な抵抗はやめろ。」
「……全員殺したのか?」
「…そうだ。」
「そうか…なら俺はもう”自由”だ。」
「おい、動くな。」
「断る。」
銃声が数発響く。アサルトライフルによる射撃。
「化け物だ!!」
銃声と同時に骨肉が切断される音。怒号と悲鳴。血が滴る音。しばらくして静寂が支配した。
「…幸子先生…ありがとう…さようなら。」
その場から走り去る音が聞こえる。




