第3章 第14話 交渉 6
「私たちZ組は脱落者を出さない。ペアは基本的に男女。運動能力が高い人と低い人で組むのよ。嫌かもしれないけど我慢して。全てはこの勝負に勝つためよ」
無事Z組の一員として認められた斬華は、さっそくペア決めに取りかかった。Z組は元の15人に加え、落ちてきた2人を合わせた17人。そこに龍華を抜いた16人8チームで戦う。
「それにしても……みなさんとても強そうな方ばかりですね」
既に斬華と組むことが決まった雅が、静かに俺に話しかけてくる。
「ほんと脳筋って感じ」
それにまだ詳しい協力内容を伝えてない美季が嫌な感じで付け加えてくる。
「特にあのスキンヘッドの方……とても強そうです」
「いやそれより突っ込むとこあるでしょ。なんで包丁舐めてんの?」
2人が注目しているのは、Z組で最も目立つ人間。スキンヘッドに加え、タンクトップ。筋骨隆々の男、安藤厳之介だ。
「へへ……。今日は上質な雌豚の肉が手に入ったからな。どう料理してやるか楽しみだぜ……」
「ひぃっ。わ、私のことでしょうか!?」
「いやあいつはめちゃくちゃいい奴だよ。みんなで材料を持ち寄って、安藤に料理してもらうのがZ組の日常だ。料理すごい上手いんだあいつ」
「じゃあなんで包丁舐めてんの!?」
「癖らしい。もちろん料理する時は別の包丁だよ。この後雅と渡牙さんの歓迎会やるけどあいつに料理してもらうんだ」
「そ、そうなのですね……。少し、鳥肌が……」
「そう言うなよ。あいつ料理に髪が入るのを防止するためにハゲにしてるんだから」
「なんで桂来学園に入ったの……!?」
それは……馬鹿だからとしか言いようがない。
「でもちゃんと頭いい奴もいるんだぞ。ほら、あの細い眼鏡の男子、馬利礼門って言うんだけどさ」
「確かに。あの方は頭が良さそうです」
「あいつ真剣に服だけ溶かすスライムとか触手とか創ろうとしてる、めちゃくちゃ頭いい奴だから」
「めちゃくちゃ馬鹿じゃないですかっ!」
「ちなみにあいつはめちゃくちゃやばい。奈々なんていつものドジであいつのテントに踏み入れたら、マジでやばいことになってたからな」
「内容は聞きたくないです……」
「ちなみにいくらか俺も投資してる」
「借金持ちが何やってるんですか……?」
馬利を紹介したら、こいつも教えとかないとな。
「馬利の隣にいる白衣の女子、源桃って言うんだけど、あいつはめちゃくちゃ動ける」
「スラッと脚が長くてお綺麗ですね」
「あいつは馬利が創るアイテムの完成を楽しみにしてる秘書的な奴。被害に遭ってみたいんだって。めちゃくちゃいい奴なんだ」
「めちゃくちゃ変態じゃないですかっ!」
まぁ……否定はできないなぁ……。
「ではその隣にいるゴシックロリータ衣装の方は?」
「あいつは宍戸桜。ただの中二病だ。触手とか完成した暁には魔法陣の上に置いてみたいらしい」
「なんだか……普通の方ですね……」
「そんなことないだろ」
「そうですね……私が馬鹿でした……」
なんか知らんけど雅が顔を手で覆って恥ずかしがっている。まぁいいや。
「で、あの馬鹿そうな顔してる馬鹿は栗中鈍。馬鹿だ。その隣の馬鹿そうな顔してる馬鹿は黒松影二。馬鹿だ」
「どうしてこんなに雑なのにわかりやすいのでしょう……」
「そんで……」
「外村くん」
「あ、こいつが凧奈々。クソ真面目な顔してるけどめちゃくちゃドジ。でも勉強はA組並にできるらしい」
「不名誉な紹介しないでくれる? 誤解よ。少し不運なだけ」
こっちに来た奈々のことを紹介したが、俺は一つも間違ってないと思う。
「で、どうしたの? ああ、俺と龍華以外友だちいないもんな」
「その通りよ」
おっと否定されるかと思ったら、普通に肯定された。まぁ実際その通りだからしょうがない。でも……どうして……?
「だから外村くん。私とペアを組んで」




