第二話
「た、助けてくれてありがとうございます!もうダメかと思いました」
御者は綺麗な女の人だった。
「い、いえ困っている人を助けるのは当然のことですから」
「そんな事ありませんよ!他の人だったら絶対に見捨てて逃げてましたって!」
うわっ!顔近い!
「お礼として、あなたの行きたいところまで送って行ってあげます!」
「本当ですか?ありがとうございます」
優しいなぁ、この人。
そして、馬車に乗せてもらって学園まで送ってもらうことになった。ちなみに、学園は僕が来た方向にあるそうだ。フレイザド、ふざけんな!
「学園までは一日ぐらいかかります。なので、夜になるまでゆっくりしていてください」
自己紹介をした後、そう言われた。だから、しばらくゆっくりしていたけど、何もやる事がないと退屈なので、何かやる事がないか聞いたら、本を貸してもらった。
本を読んでいたら、馬車が止まった。どうやら、夜になっていたみたいだ。
「これからテントを張るので、手伝ってもらえませんか?」
「分かりました。良いですよ」
大きいテントを一つ張ることになった。「テントは一つしかないし、あなたは優しい人なので大丈夫だと思います」だって言ってた。携帯食を譲ってもらって夕食を済ませたら、寝る準備をした。
夜中、誰かが動いた気配がして、起きたら御者の人だった。
「どうしたんですか?」
「………です」
「えっ?」
「トイレです!」
恥ずかしかったのだろう、顔を赤らめてそう言った後、走って森の方に向かった。
「明日の朝謝らないとな……」
そう一人呟いて、また眠りについた。
「昨日の夜、すみませんでした」
「いえ、もう気にしていないので、良いです」
朝食の時、僕は謝った。まだ怒っているようで、声が少し冷たかった。
食べ終わったら早速出発した。昼頃には着くと言っていたので、それまで、また本を読むことにした。
「着きましたよ」
御者の人が声をかけてきた。馬車が止まったので降りた。目の前には門と壁があった。
「ここが王都で、この中に学園があります」
王都に入れば学園までは誰かに聞けばいけるとのことなので、王都の入り口で別れた。




