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オークス その1

新型コロナはなかった!世界観です

「さて、オークスね。怜は買い目決まったの?」

 ゆりがおもむろに切り出す。

「まぁ勝つのはリアルサウンドなんだろうね。人気すぎるから馬連の相手は絞りたいんだけど・・・・・・」

 怜が返す。

「そうね。桜花賞は重馬場だからそこが不安要素だけど圧倒的だったものね。桜花賞2着のエネミーゼロと正直2強だったけどNHKマイルカップ行っちゃったからね」

 ゆりが桜花賞を振り返る。

 重馬場の中、圧倒的な末脚を見せたリアルサウンドは強かったが、先行して押し切るかと思われたエネミーゼロも強かったのだ。


「でもねーエネミーゼロは桜花賞のまま盾騎手で行っとけば勝っていたのに騎手変えちゃったから2着だったわね」

 ゆりがエネミーゼロの騎手変更を嘆く。

 ただし元々、盾騎手が主戦というわけでもないし、盾騎手がNHKマイル3番人気のクレイジータクシーを選んだだけなのだが、結果惨敗であったことを考えると盾ファンのゆりの八つ当たりもわからないでもない。


「でも、ゆり先輩そのおかげで外国人騎手の馬連ボックスで大当たりでしたよね?」

 遥が口を挟む。

「まぁそれはそうなんだけど・・・・・・」

 NHKマイルで苦渋の盾切りを敢行したゆりの心境は複雑だ。

 好きな騎手の騎乗馬から買いに行きたいし、それで勝てれば万々歳なのだがなかなか上手くいくものではない。

 好きな馬、好きな騎手に勝ってほしいが、それはそれとして馬券は勝ちたい。

 競馬ファンの心境は常に複雑なのだ。

 

「好きな騎手っているんですか?」

 遥は怜に向って聞く。

「えーっと私は・・・・・・」

「あ、ゆり先輩が盾騎手好きなのは知っています」

 話に無理やり割って入ろうとするゆりを遥は冷静に遮る。

「えっ、私。別にいないよ」

 怜はそっけなく答える。

「そんなもんなんですか?」

「そんなもんだよ、だって走るのは馬だもん。まぁあえて言うならルベールかな」

 怜は2019年の最多勝騎手の名を挙げる。

「やっぱり上手い騎手だからですか?」

「まぁ結果的にはそうなんだけど、そういうわけでもないよ。馬券買ったときにちゃんと来る騎手が偉い、それだけだよ」

「まぁたしかにそうですよね」

 遥が同意する。


「競馬に過剰にロマンだの余計な感情持ち込むと、な。一応大事なお金使っているから入れ込みすぎないようにはしているよ、なぁー?」

 怜がゆりを冷やかすように言う。

「うるさいわね。楽しければいいのよ。そもそも競馬というものはね・・・・・・」

 ゆりが反論しようとするが

「じゃあ川賀騎手なんかも好きな騎手なんですか?」

 遥は遮るように2019年勝利数2位の騎手の名をあげる。

「川賀?駄目だあいつは」

 怜が吐き捨てる。

「なんでですか?」

「あいつは私が馬券買うときに限っていつも負けるんだ!」

 理不尽だなぁ、と思いつつ遥はそういうものかと納得するのだった。


「ところで遥ちゃんは好きな騎手出来たかしら?」

 さっきから話を遮られるので恐る恐るという体でゆりが話しかける。

「いや、まだ特には。でも盾騎手は上手いなぁと思います。さすがは生きる伝説ですね」

「やっぱり遥ちゃんは見る目あるわね」

 ゆりは遥の答えに自分の事でもないのにテレッとしながら言う。


「あ、そういえば・・・・・・」

 遥が思い出すように呟く。

「お名前わからないんですけどさっき、新潟のレース見ていた時に凄く騎乗フォームがきれいな騎手がいましたね。誰だったんでしょう」

 遥は流し見していたので何レースだったかも覚えていないので、闘スポを見てもわかんないだろうなと思った。

「今日の新潟は目ぼしい騎手いないから、忍田疾風おしだはやて騎手当たりかもしれないわね」

 ゆりが助言する。

「そうなんですね。今度チェックしておきますね」

 遥は手がかりをもらってうれしそうに答える。


「ま、そろそろ騎手談義もお終いにしなよ。オークスの馬券買いに行こうよ」

 怜がごもっともな指摘をする。

「私は絞るよ。リアルサウンドが距離延長で負けたら仕方がない。相手は府中で32.5の末脚を見せたリボルトと桜花賞でリアルサウンドに次ぐ末脚のハンドレッドソードにしたよ。内枠なのが心配だけどね」

「堅いけど無難な選択ね。私は盾騎手のマボロシツキヨも追加しておくわ。今回は厳しいと思うけどね。あとは・・・・・・府中トライアルの別路線組はちょっと物足りないわね。まぁ一応フローラS勝ったルーンキャスター足して4頭に流そうかしら」

 ゆりも固めの馬券で行くようだ。

「ルーンキャスターいるか?」

 怜が異を唱える。

「今回、横浜成彦騎手なのよ。ちょっとだけ怖いじゃない」

「あれ?息子の方じゃないの」

「騎乗停止中でお父様の方に乗り替わりなのよ」

「そういえばそうだったな。まぁ1点くらい買い足しておくか」

 怜も手を広げるようだ。


「遥ちゃんは決まった?」

「えーと、そうですね」

 遥はまだ迷っているようだ。

「騎手のお話なんかしているから時間がなくなるんだ。ちゃんと仕事には優先事項付けろって言っただろ」

 怜が職場のノリで言う。


 遥はなんとなく買う馬のイメージは決まりかけていたのだが決め切れていなかった。

 決まっていることはワイドで買うことと一点勝負することだった。

 競馬には紛れがあることはよくわかったので3着までなら当たるワイド。

 そしてゆりの言っていた距離適性を最優先事項としていた。


「よし」

 遥は決めた。

「じゃあ、先輩行きましょう」

 ズンズンと券売機へと歩んでゆく遥をゆりと怜は慌てて追いかけるのであった。

今頃昨年のオークス書くのもあれですが。

馬名はゲームタイトル名をお借りしている次第です。

リアルサウンド(デアリングタクト)

エネミーゼロ(レシステンシア)

リボルト(デゼル)

クレイジータクシー(サトノインプレッサ)

ハンドレッドソード(クラヴァシュドール)

マボロシツキヨ(ミヤマザクラ)

ルーンキャスター(ウインマリリン)

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