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237話 結

 カイはノースを訪れていたが、結界を目の前にしてどうすることも出来ずにいた。結界を叩いてもスキルで攻撃してもうんともしない。声をかけても時々中にいる白い人がこちらを見ることはあったが、近づいてくる気配はない。


 どうやら音に反応はしているようだと気が付いたカイは、カイの仲間と共に交互で四六時中結界を叩き続けた。


 叩き続けて2日ほどたった頃、白い人達の長老がようやくカイに面会した。しかし、長老が結界から出ることはない。あくまでも結界越しだ。



「いい加減にやめてくれないか。騒音で迷惑している。」


「話があってこちらに来た。地上が魔族と天使に脅かされている。力を貸してくれないか? もし、彼らが撤退したら人間はあなた達を歓迎する。地上ならどこでも行っていいことになる。人権も保証する。だからどうか、手助けして欲しい。」



 長老はぷるぷると震えていた。歳で身体が弱っているからではない。怒りで震えているのだ。



「何を言う。今まで脅かされ続けていたのだ。信じられるわけがないだろう。この結界は天使の攻撃も凌げる優れものだ。それこそ魔王でも来ない限り、この地域は安全というわけだ。さあ、帰った帰った。帰らずに今まで通りうるさくするのなら、こちらも強行手段をとらなければならない。」



 手で追い払うジェスチャーをすると、結界の真ん中の方に戻っていった。



「結界は発動したものより強ければ破壊できるらしいからな。天使の攻撃も凌げる結界を白い人達が作れるとは考えにくい。天使だってこの事を知っているだろうから、より強い天使が破壊を試みたはずだから、長老の言っていたことが本当なら壊せる人物は全くいないだろう。」



 ひとまず報告も必要だと帰ることにしたカイは呟きながら、嫌がらせではなくどうにかして結界を壊せる人物を呼ぶべきだと考えた。強行手段を取られると人間達は白い人達にも人員を割かなければならないが、そんな余裕は今はない。だからこそ穏便に力を借りたいのだ。

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