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船讐  -空飛ぶ船から始まった物語-  作者: 梅犬丸
第一部 船編・獣国編
60/63

決着

キティンは立ち上がり、獣のように変化した腕を振りかざしてウルフに向かって突進した。彼女の腕は、鋭い爪と膨れ上がった筋肉を持つ、まさに獣のような力を宿していた。


「おおおおおおっ!」

キティンの雄叫びとともに、巨大なウルフに向かって一撃を放った。彼女の力が全身に満ち、その腕がまるで山をも砕くような威力を持ってウルフの体に直撃する。ドゥンッ!!

ウルフはその衝撃に後ろに一歩引いたが、すぐにその鋭い爪で反撃しようと振り向く。しかし、キティンはその動きを予測して一度引いた腕をもう一度振り下ろす!


「来い、来い、来い!」

キティンの腕は完全に獣と化し、その勢いを失わずにウルフに連続で殴りかかる。彼女の力は凄まじく、ウルフの動きを少しずつ鈍らせていった。だが、ウルフもそう簡単に倒れる相手ではない。爪を振りかざして反撃を試みたが、キティンはその一撃を力強く受け止め、さらに強烈なパンチをウルフの体に叩き込んだ。


一瞬、ウルフの動きが止まる。キティンの強烈な一撃が決まった瞬間だった。しかし、それはまだ完全な決定打ではない。ウルフは耐えきり、反転して牙を剥いて再度攻撃を仕掛けてきた。


その隙を狙って、次に動いたのはセナだった。


セナは膨れ上がる魔力を手のひらで感じ、無意識にその力を放出していた。彼の周囲には無数の魔法のエネルギーが渦を巻き、彼の拳には炎や氷、雷、風が混ざり合い、様々な属性が凝縮されていた。


「これが……俺の力か…?」


セナはその力を拳に宿し、ウルフに向かって一気に駆け出す。

「お前に、絶対に負けない!」

言葉と共に、彼の拳が一気にウルフに向けられる。


ゴォォォ!!

その瞬間、セナの拳から放たれたのはただの打撃ではない。炎と氷、雷、風が一つに渦を巻き、全てのエネルギーがウルフに向かって解き放たれた。


ドッシャアアアアア!!


ウルフの体にその全エネルギーが直撃し、まるで山を崩すような爆音が響き渡る。ウルフは一瞬動きを止め、後ろに大きくよろけたが、すぐに反撃を試みて爪を振り上げた。しかし、セナの拳のエネルギーがウルフの動きを止め、何度も何度もその体を震わせる。


その瞬間、ブレンネンデスがウルフの隙を見逃すわけがなかった。彼は炎を纏った剣を振り上げ、ウルフに向かって駆け出した。


「――行くぞ!!」

その剣から放たれる炎は、ただの火ではない。ブレンネンデスが生み出す火の魔法、そしてその剣が放つ爆発的な炎がウルフの体を包み込んでいく。ウルフの毛が焦げる音が響く中、ブレンネンデスは一気にその距離を縮めていった。


「うおおおおおおっ!!!」

ブレンネンデスはそのまま炎の剣をウルフの胸に突き立てた!

バシュウウウウウ!!!


ウルフが激しく鳴き声を上げる。その体に火がつき、焼け焦げていく。だが、ウルフはまだ倒れることなく、その身体に残る力を使って爪を振り上げ、再度反撃しようとした。


「これで終わらせる!」

セナの言葉がその場に響く。再び集まる彼の魔力が炸裂し、キティンとブレンネンデスもその攻撃に合わせて、ウルフに向かってさらに強力な一撃を放った。


ドーン!!


その力は、ウルフの上半身を完全に吹き飛ばし、その身を焼き尽くす。ウルフはその攻撃に耐えきれず、ついに倒れた。


静寂が戦場を包む。その場に残ったのは、息を呑むような空気と、倒れたパルシャンウルフの焦げた体だけだった。


キティン、ブレンネンデス、セナはそれぞれ息を整え、体を引き寄せた。疲れた体で互いを見つめ合うが、どこか誇らしげな表情が浮かんでいた。


「……やったな。」

ブレンネンデスが息をつきながら言う。

「みんな、よく頑張った。」


キティンは疲れきった体で笑みを浮かべ、セナも深い息をついた。その時、倒れた仲間たちが徐々に意識を取り戻し、アキレアが傷の治療をしているのが見えた。


「やった……」

セナは小さく呟き、仲間たちを見渡した。


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