35階層
奥深い森の35階層。
僕とリアさん、クウデリア、ポルンはそこに来ていた。
31階層から29階層へ行き、いろいろあったけど、35階層までは来ることができた。
僕たちは森の木々の間を注意しながら進む。
34階層の階層主、大王海月オボロに自分が捕まったときは本当にどうなることかと思ったけど、僕の《封印耐性(手)》レベル5の効果で、僕の眠っているなんかよくわからない能力を強制的に解放するって無茶をして、なんとか勝つことができた。
その代償は、能力使用後に僕が倒れてしまっていたことからも小さくないことがわかる。
僕が倒れて目が覚めた時のみんなの顔を思い出す。
もうあんな顔はさせたくない。
あれは普段使いできる能力じゃないな。
いざって時の切り札だ。
「アルル、何か後遺症とかあったら遠慮なく言ってくれ」
「そうですの。私の回復魔法もかけたとはいえ、無理は禁物ですの」
「ポルル」
3人の心配具合が半端ない。
まあ、それだけだ心配をかけたということで、これは僕が悪いんだろう。
でも、嫌な気持ちじゃなかった。
「今のところ異常らしい異常はないんで大丈夫ですよ。みんな、ありがとうございます」
僕は礼を言いながらも笑顔が止まらなかった。
「……アルル、その笑顔は卑怯だぞ」
「そうですの。そんな無防備な笑顔を向けられたらこれ以上、何も言えないですの」
「ポルルン」
「それで、この階層の攻略ですけど、どうしましょう」
「アルル、どうしましょうとは?」
「この35階層は全体に森が広がっていて見通しも悪いんですけど、こんな感じの階層が40階層まで続くみたいなんですよね」
「今までと違い、階層ごとで環境が変わらんというのはいいな」
「そうですね。環境が違いすぎると体調にも影響してくるし、疲労も貯まりますからね。それで、王宮の記録によると、ここに住む固有の種族がいるみたいなんですが、会いに行きますか?」
「その種族とは魔物か?」
「魔物というか亜人という分類みたいなんですが、この森のどこかにはエルフとドワーフがいるらしいです」
「エルフにドワーフか。私としてはドワーフの鍛冶師にロングの調整を依頼したいところだな」
「リアさんなら、そういうと思ってました」
リアさんの愛剣ロングへの愛を考えたら希望すると思ってた。
「昔、お兄様に絵本で読んでもらったエルフも気になりますけど、時間もありませんし、リアに必要ならドワーフの集落に行くことを優先しましょう」
「アルル、いいのか?」
「僕たちもダンジョンに潜り続けて何日も経つので、どこかで本格的な休憩もとらないと、これからの階層はもっと大変になると思います」
「クウデリア様もそれでいいのですか?」
「私たちも気が張り詰めていましたし、全員に休憩が必要だと思いますの。休憩は交代でとっているとはいえ、ここでゆっくりできる場所があるなら、寄るだけの価値があると思いますの」
「ポルル」
もちろん、ポルンにも反対意見はないようだ。
元気に尻尾をブンブカ振り回している。
こうして僕たちの目的が決まった。
読んでくださり、ありがとうございます。
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