第二十戒『変態の犠牲』
「ちょっと待ったぁ!」
え、時雨!?
「今参上しましたスーパープリティジェンダーアンノーン☆時雨ちゃんであります!私は春雨サマに命を捧げた身、ですから手を貸さぬ訳には〜…!」
…こんなキャラ…でしたっけ…?
そもそもスーパープリティジェンダーアンノーン…とは?
「ならば此方もだ!率直だけはずるすぎるからな!」
…誰ですか
薄い緑色の長い髪に、ぴょんっと触角のように寝癖…?が生えている、あからさまに機嫌の悪そうな、悪い目付きの男子がいました。
足には包帯、それに松葉杖。どうやら右足を骨折してるみたいです。
ん?足…骨折…?
あ、思い出しました!この人、修学旅行初日に枕投げで開いた穴に落ちた…!!
「この木更津芽鎖、星良樣のために犠牲になります」
いや…意味がさっぱり……何処から『犠牲』が出てくるんでしょうか…
「むっ、何を言っておる平民!犠牲になるのはこの私!春雨サマのために!!」
いやそこ張り合わないでくださいよ!?犠牲になられても困りますし!
「おれがセラサマのために犠牲になるんだ邪魔はすんじゃねぇ…立ち塞がるならこの芽鎖がお前を吹き飛ばしてやろうか?あ?」
口が悪いのが目立ちます。錦さん関係の話なら普通なんですけど差別は良くないです
あと芽鎖って名前が酷いですね…親が可笑し… あ……
「も…もう、いっつも犠牲とか言うんだから…あんたなんか要らないんだからねっ」
「そんな…少しは相手にしてれよ…」
なんですかこれ、いつもこうなんでしょうか…いつもだとしたら、相当ループに耐えられる方々ですね。ていうか僕は今からこんな人達と戦うんですか…
「そーかー、じゃあ二対二で第二回戦……」
「スタート!!!」
ようやく本当に始まったみたいです。みたいなんですが…
「…でも、何をすれば……そもそもここお墓が近すぎますよ…」
「怖いのか野郎共殺してやろか?」
『ザッシャアァァァ…』
「春雨!後ろだ!!」
「ハッ」
後からジャンプした錦さんが、左側に拳を隠しています。
『メキメキメキ…!』
「おーすごい音〜!何々大丈夫〜?」
「…や、やりますね錦さん!」
勢いよく体を半回転させた分、強い圧力が僕の腕にかかりました。
でも、この程度で倒れるが零点一つ星警察ではありませんよ…!
ここでやらなくては、警察の名が廃りますからね…!!!
「ふぅ…あなたこそこれを防ぐとは…こんなにやるのは久々よ。あたしが弱いと思ったわけ!?」
「いいえ!全身全霊全力で戦ってみてます!!」
「のぞむところよっ」
僕は例え蟻ほどの小さな相手だったとしても、全力で戦ってみせます。油断は禁物、これを忘れるも油断。常に警戒するが警察、ですからね!!
一方で僕の名前をたまに出しながら口論しているのが聞こえます
「ねーメサーどっちが勝つかなー」
「うるせー俺に話しかけんな!星良様は最強だ!負けるはずがない!!異論は認めねーよ」
「うわぁ変態!ふふふ…春雨は零点一つ星警察、宇宙一強い所の隊員だよ〜!こっちこそ異論は認めないよ☆だから…」
「うるせーっつってんだろがぁ!!星良様が最高ってことに文句つける奴は尚更だ!!」
「なんだって〜?よくきこえなかったけど~そっちこそ春雨の強さを否定してるよね〜?変態くん?」
「あ!?喧嘩売ってんのか!!?上等だ!!」
「やっぱこ〜ゆ〜展開か そもそも私達敵だしね!じゃあケンカと行きますか〜!!あ、口喧嘩だよ」
「おぅ…なんかケンカ始めたぞ…低レベルな」
「お前の昔の喧嘩がおかしかったんだよ金髪ティッシュ」
「金髪ティッシュって何!!?」
「『…とかやってる間に決着付いたみたいですよ』と妖精が呟いております」
「「え…」」
人が突き飛ばされた衝撃で抉れた墓場の土。
それが地面に刻まれた戦いの結末でした。
「どっちが…勝ったんだ!?」




