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Chime ―チャイム―   作者: 夏影
第二章 ライバル
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第二十戒『変態の犠牲』

「ちょっと待ったぁ!」


 え、時雨!?


「今参上しましたスーパープリティジェンダーアンノーン☆時雨ちゃんであります!私は春雨サマに命を捧げた身、ですから手を貸さぬ訳には〜…!」


 …こんなキャラ…でしたっけ…?

 そもそもスーパープリティジェンダーアンノーン…とは?


「ならば此方もだ!率直だけはずるすぎるからな!」


 …誰ですか


 薄い緑色の長い髪に、ぴょんっと触角のように寝癖…?が生えている、あからさまに機嫌の悪そうな、悪い目付きの男子がいました。

 足には包帯、それに松葉杖。どうやら右足を骨折してるみたいです。


 ん?足…骨折…?


 あ、思い出しました!この人、修学旅行初日に枕投げで開いた穴に落ちた…!!


「この木更津芽鎖、星良樣のために犠牲になります」


 いや…意味がさっぱり……何処から『犠牲』が出てくるんでしょうか…


「むっ、何を言っておる平民!犠牲になるのはこの私!春雨サマのために!!」


 いやそこ張り合わないでくださいよ!?犠牲になられても困りますし!


「おれがセラサマのために犠牲になるんだ邪魔はすんじゃねぇ…立ち塞がるならこの芽鎖がお前を吹き飛ばしてやろうか?あ?」


 口が悪いのが目立ちます。錦さん関係の話なら普通なんですけど差別は良くないです

 あと芽鎖って名前が酷いですね…親が可笑し… あ……


「も…もう、いっつも犠牲とか言うんだから…あんたなんか要らないんだからねっ」


「そんな…少しは相手にしてれよ…」


 なんですかこれ、いつもこうなんでしょうか…いつもだとしたら、相当ループに耐えられる方々ですね。ていうか僕は今からこんな人達と戦うんですか…


「そーかー、じゃあ二対二で第二回戦……」


「スタート!!!」


 ようやく本当に始まったみたいです。みたいなんですが…


「…でも、何をすれば……そもそもここお墓が近すぎますよ…」


「怖いのか野郎共殺してやろか?」


  『ザッシャアァァァ…』


「春雨!後ろだ!!」


「ハッ」


 後からジャンプした錦さんが、左側に拳を隠しています。


  『メキメキメキ…!』


「おーすごい音〜!何々大丈夫〜?」


「…や、やりますね錦さん!」


 勢いよく体を半回転させた分、強い圧力が僕の腕にかかりました。


 でも、この程度で倒れるが零点一つ星警察ではありませんよ…!


 ここでやらなくては、警察の名が廃りますからね…!!!


「ふぅ…あなたこそこれを防ぐとは…こんなにやるのは久々よ。あたしが弱いと思ったわけ!?」


「いいえ!全身全霊全力で戦ってみてます!!」


「のぞむところよっ」


 僕は例え蟻ほどの小さな相手だったとしても、全力で戦ってみせます。油断は禁物、これを忘れるも油断。常に警戒するが警察、ですからね!!



 一方で僕の名前をたまに出しながら口論しているのが聞こえます


「ねーメサーどっちが勝つかなー」


「うるせー俺に話しかけんな!星良様は最強だ!負けるはずがない!!異論は認めねーよ」


「うわぁ変態!ふふふ…春雨は零点一つ星警察、宇宙一強い所の隊員だよ〜!こっちこそ異論は認めないよ☆だから…」

「うるせーっつってんだろがぁ!!星良様が最高ってことに文句つける奴は尚更だ!!」


「なんだって〜?よくきこえなかったけど~そっちこそ春雨の強さを否定してるよね〜?変態くん?」


「あ!?喧嘩売ってんのか!!?上等だ!!」


「やっぱこ〜ゆ〜展開か そもそも私達敵だしね!じゃあケンカと行きますか〜!!あ、口喧嘩だよ」


「おぅ…なんかケンカ始めたぞ…低レベルな」


「お前の昔の喧嘩がおかしかったんだよ金髪ティッシュ」


「金髪ティッシュって何!!?」


「『…とかやってる間に決着付いたみたいですよ』と妖精が呟いております」


「「え…」」


 人が突き飛ばされた衝撃で抉れた墓場の土。


 それが地面に刻まれた戦いの結末でした。


「どっちが…勝ったんだ!?」

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