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Chime ―チャイム―   作者: 夏影
第二章 ライバル
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第十四戒『正気の解放』

 "あたしがこれからどうしたいのか”



 ようやく答えは出たんだ。しかし、具体的にどんな行動をするべきなのか…


  『バリバリ』


 なかなか喉を通らなかった食事もかなりすんなり通るようになった。

 なんとなく清々しい。


「…郁、困ってる?」


「…まあ、さっきまではな 今は本当にちょっとしたことだ」


「へえ…」


 話が続かなくなって黙る青梅和。



 良いこと思いついた。


「…ちょっと提案がある。


あたしと手を組まないか?」


「…???」


 さっきまでの態度からしたらあたしに言えるはずない言葉だが、まあこいつはそんなのすぐに気にしなくなる。それより仲間になろうなんて発言自体が信じられないのがこいつだ。



「お前一人では一一と一葉日向の争いもZ組の状況全体も、なんとかできたものではないだろう。だから、対抗できるように人が必要だろ?」


「…あ…うん…」


 無理もない。自分は人に嫌われて当然だと思っているのだからこんな提案最近話したばかりのクラスメイトに出されたって混乱するだけだ。


 それでもまあこいつならばいつものように空っぽのまま承認するだろう…。


 


 こいつに会ったときからあった結論。ただ埋めていただけで前から決まってた。


 

 あたしはこいつの隣に立って、こいつを変えていくのだ。




「……わかった、日向達も一達も、一緒になんとかしよう」




 信じられないこともこうしてすっと返答できてしまう、ある意味あたしよりすげえ奴だ。


「よし。じゃ、よろしくな 和」



 

 あたしは初めて和の側近になったわけだが、和の人生にとってあたしとの関係はただの序章となると踏んでいる。


 お前のことを嫌いじゃない奴も、本当は好きな奴も、これから好きになる奴も、きっといつか和に寄ってくるだろう。


 でもまだあたしだけだ。

 あたしだけでは到底変えれる人間じゃないのは分かっているが、今は精一杯愛してみようじゃないか。



「うんありがとう…よろしく、郁」




 名前で呼ばれるのも呼ぶのも慣れないからなんかくすぐったいが、まあこいつとの付き合いにはちょうどいいんじゃねえかな。いや呼ばれるのは前からか?


「でも…あたし達だけじゃ到底収まりそうにねー…特に佐倉水玉。あいつあたしよりずっと強かったぞ」


「…あれは…怖いよ」


「うーん…困ったな…あいつを抑える方法とか、どこに回ろうと無いもんは無いよな…と、取り合えず芽野唯花にもう一一に協力しないって伝えてくる」


「うん、行ってらっしゃい!」



 言ってから気づいた。


 …そうだ、あたし一とはしばらく距離を置く形になるんだ…


*****


「芽野唯花!実は……―」


「…!!『とても驚きました』と妖精が呟いております」


「ああ…青梅和は予想外に良い奴だったぜ。意外と変わってるし、あいつは面白い。……だから、まあ…」


「『どうかされたんですか?』と妖精が囁いております。」



「…例え相手が一一だろうと裏切る。じゃあまたな、茅野唯花!」



 また共に戦うような日が来るといいな、お前ら……


「かうよしうど…いたげにもれお…ないい…かのくつにみごなてけぬはけたぎるつ」



「…ん?粟倉夜影か…どうした?」


 なんでお前が出るんだ。四人いた中では共に戦った感が断トツで低い奴なのに。まあいい話だけ聞いてやる


「なかうことしもでみすうよてっなにりとひずえありとはれお…」


 …うん、やっぱコイツ会話する気無いな。何か企んでることだけは分かった。




 とにかくじゃあな、お前ら。


 あたしは嫌われ者の和とサヨナラする。中二病のお前らともサヨナラできる日も、近々来させてやろう

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