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Chime ―チャイム―   作者: 夏影
第二章 ライバル
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第七戒『人類の限界』

 こいつは舞い上がりすぎだ


 誰よりも金持ちだからって、無敵だと思い込んでいる

 確かに、大体の相手には勝てるし、日本一金があるのは事実だ。


 だが。


 あたしは違うと思った。


 ある程度の金があったとしたら、佐倉財閥と買えるモノは同じ。


 佐倉財閥は財産量がすごいわりに買うものはやけに安い。いや一般人が今のを聞いたら怒るだろうけど…持ってる金に対する買うもの、作るものの値段の割合が他と比べたら明らかに低い。


 否……多分だが


 佐倉水玉はそれほどの金があるからといって意味も無く自分を最強だと思って全世界が攻めて来ようと平気だと安心している!!


「なぁ水玉、最強ってもんがあると思うか?」


「なになにー?どしたのー?最強??

 …わっかんなーーい☆」


「…本当か?」


「うーん……最強かぁ…

 …水玉の財閥は最強だよ!!」


 …やはりな。


「本当にそれは最強と言えるか?その財閥は持っている金の量でなら世界の頂点に立てる。だが、お前のように無限に近い金を持っていても、限界というモノがある」


「…?無いよ。だっていくらでもお金があるから…」


「そうじゃない。金だけあっても意味が無いんだよ。宇宙は広いらしいけど、本当はあたし達人間が探れる範囲にしか宇宙は無い。その中にある財産は ほんの少し、つまり手に届く宇宙の限られた財産の中で最強のモノを集めて出来たモノは越えられない。ある程度まで金持ちになったら、もうレベルアップは出来ないんだ。」


「ほー…なかなか難しいこというねー!!それなら同じもので持ってる数が多い方が勝つんじゃないの?」


「その数にだって限界があるんだ。取れる範囲に20しか無いものを30はとれないんだ。

 だからおまえの六割ほどしか財産の無い…――」


 ガチャン


「――千曲財閥だって使えるモノは同じだよ」


「ふーん…また別の所から財産持ってくればいーじゃん!!探れる範囲の宇宙っていうのをいくらでも広ければいいんだよ!!!」


 …ちゃんと聞いてたんだ


「そーやってレベルアップするんだよ☆ほら…」


  『ピロロロン』


「このゲームだって本来100レベル以上にはなれないんだけど、改造すればこの通り!2369433183702400609レベルまで上がったよ!!」


「……それは財産無限の二次元だし別問題じゃ…ていうかこんな時でもゲームなのかよ」


「そりゃね!!ようやく持ってきたんだから☆やらなきゃ損!」


「…あれじゃあ今更だがこの銃撃戦も最初から逃げてゲームってことも出来たんじゃ?」


「そりゃあもちろん!楽しいからだよ♪」


 なんでも楽しいばっかりだなコイツ…


 ちなみにこの会話(?)の間に睡眠薬とちょっとした毒ガスを吸わせている…


 ただの時間稼ぎさ


 だから適当に質問とかして話を長引かせようとした訳だ。普通ならゲームの話はスルーするところだがな。


 まあ、そろそろだ。


「さあいい夢見…て……」


  『スタスタ…』


 ん?水玉を閉じ込めた方から足音が…?


 いやそんな…気のせいだな。

 気のせ…


 …ウソだ!!そんなはずがない!!


 あの密室から抜け出した…!!?


「あっはははーーっ!!みっずたっまさーいきょーっ!!」


「佐倉水玉…どうやって抜け出した!!?」


「んー?時間稼ぎに会話してその間に穴を開けただけだよー!!」


 自分から会話したつもりなのか!!?

 いや確かに予想外にも話に飛び付いてきてはいたが…


 失敗した!壁の透明度が低くて佐倉水玉の心を読み損ねていた!!


 まずい!!あたしの警戒が薄れてたせいで一歩出遅れた…!!!


 くそっ!!


「愚か者めっ罰をうけよーーっ☆ 」


 意味分かってないだろうけどなんかぴったりなセリフだ!!


 …それはどうでもよくて、


 この量なら避けるしかねぇ!!


  『ドーン! ドーン! ドーン!』


 『ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドンッ!!』



 なっ!!?


 …っぶねぇ!!!

 巨大砲を複数持ってると見せかけて…何十連弾だよ!!?


「ふっふっふ!これはさっきお願いして作ってもらった巨大砲風五十連弾だよ☆」


 …仕事はぇーな佐倉財閥め


 これが世界一の財力っていうのか。

 ならこっちは人間の力で勝ってやるよ。


「世界一って程でもねぇかもしれないが!狙撃ならあたしの専門だ!!!」


「おうよ望むところだー☆」


 いくら銃器がすごくたって一一や高萩雅みたいな初心者ビギナーじゃどうにもできねぇんだよ。

 プロが使ってこその100%の力だ。

 生物ってのは最高の財産でそう簡単に手に入らないものなんだぜ!!!


  『ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドンッ!!』


「おお38か!かなりすごいの持ってるし明らかに狙いがいいね!!ひゃほーー!!!」


 まだまだぁッ!!!


  『ドーン!!!!ドーン!!!!ドーン!!!!』



「うおおっととと、挟み撃ちか!」



 たった三弾だって、ここまで追い詰められるんだ。

 お前の使い方では弾丸の本来有り得る力の50%くらいしか引き出せてねぇ。


 そんなんじゃ勝てねぇよ!!!


  『ドンドンドド…カシャン』


 ――?




 その時。


 悪意の無い殺気をどこからともなく感じられた。

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