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死にたがり社不の不死転生  作者: あずみ


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第一生 はじまり

初投稿、緊張しながらボタンポチッ(五・七・五)

 私は、上田 流花(うえだ るか)


 25才、女、体型普通、容姿中の中、趣味は漫画を読むこと。彼氏とは付き合って一年半でまぁまぁ順調。大卒ストレートで中小企業の事務員に就職、現在三年目。外から見たら、平凡そのものな人間。


 特筆するなら、父親が宗教狂いの暴力男で両親が離婚。シングルマザーの家庭で育ったぐらい。


 あ、でも勘違いしないで欲しい。生まれてすぐの離婚だったからトラウマはないし、母には経済力があったから、一般家庭としてはなに不自由なく暮らしてきた。


 欲しいゲームや漫画は何でも買ってもらえたし、勉強嫌いの私のために、いわゆるエスカレーター式の私立の高校、大学を奨学金なしで卒業させてもらったぐらいだ。本当に感謝してる。



 でも、なぜか死にたかった。物心ついたときには死にたくて仕方なかった。



 母は仕事の忙しさを感じさせないほど、私に愛情を注いでくれた。少しうざったいと思うほど。


 上田 愛(うえだ あい)なんて、コテコテの名前のせいではないだろうか。


 学生時代には数は少ないけど、深い信頼がある友人もできた。大人になっても頻繁に会って、その度大笑いでやかましく、楽しい。


 恋愛で泣いたことも人並みにあるけど、今の彼氏は最高に優しい。ささくれて、すぐに不安になる私に諦めず、向き合ってくれた。


 名前は優真(ゆうま)くん。…私の周りには名が体をなす人が些か多いのではないか。


 職場は人が少なくて、仕事は忙しいけど、そのぶん助け合っている良い職場だと思う。


 なのに、常に死にたいって声が頭のなかで響く。幸せで、絶対に死にたくなんかないはずなのに。


 死にたいと叫ぶ声と、死にたくない気持ちがごちゃまぜで、不安で何かにすがりたくて、涙が止まらないときもあった。


 常に苦しくて、何かから逃げたくて、何回も家出した、アル中にもなった、貞操なんかどうでも良くて、遊び歩いた。


 要するに社会不適合者だった。


 それでもどうにか就職して、彼氏との結婚を考えられるようになったら、このままではダメだと思うようになって、病院の精神科を思いきって受診した。


 ネットで「死にたい 治しかた」と検索すると、辛く長い鬱の闘病生活がでてきたり、入院で外部と接触禁止、なんて処置をされた経験談もでてきていたた。

 

 そのため、いざ病院の待合に座ったときには、どんな治療になるのか、怖くて動悸が押さえられなかった。


 しかし結論、脳のホルモン分泌が生まれつき足りていないだけだった。治療は薬が処方されただけで、「必ず改善しますよ。」と、笑顔が優しい主治医のお墨付きももらった。


 これで、死にたいなんて思わない。本当に今の幸せを感じられる人生が始まるんだ!


 ほんとに普通の人になれるんだ!そう思って診察室では少し涙が滲んでしまった。


 処方薬の入ったビニール袋を握りしめて、バス停に座って、本当に久しぶりの穏やかな気持ちで、駅に向かうバスを待っていた。


 そのとき、強い突風が吹いた。


 ちょうど、かなりの勢いをつけてカーブを曲がったトラックが目の前に来ていて、風に煽られて傾いた。


 動く間もなく、トラックが倒れこんできた。


 このときばかりは死にたいなんて思わなかった。


 強く、強く生きたいと願って、母や友達、恋人の顔が次々浮かんで、頭のなかを走馬灯が駆け巡った。


 トラックに押し潰され、全身が感じたことのない衝撃と痛みに襲われた。そこで私の意識は途絶えた。


―――――――――――――――――――――――


 意識が浮上したとき、私はスライムだった。


 スライムは周囲全方向が視界で、睡眠不要、食事不要、攻撃量皆無の生物だ。


 と、知ったのは大分あとだったが、とにかく自分がスライム()()()ことはすぐにわかった。


 体に対して異様に牙の大きい兎になった私が、自分で自分()()()スライムを踏み潰してたから。


 私の記憶を整理しよう。


 まず、私は風に揺れる広大な草原が()()()に見える場所にいた。自分を見下ろすことはできず、代わりに人間ではまずあり得ない範囲の視界が広がっていた。


 そして手足の感覚はない。


『夢…?』

 声にだしたつもりだったが、音にはならなかった。声が出ないようだ。


 トラックに押し潰されたのは覚えている。そして、今、ここはどこ…?私はどうなったの…?


 ひとまず、ここは夢とか、脳が作り出した幻想を見てるとか、そういうことだと認識した。


 きっと私は、今は病院のベッドで生死を彷徨っていたりするのだろう。


 もし、命が助かっていたとして、体はどれだけ無事なのだろう。普通に生きていけるのかな。お母さんや、優真(ゆうま)くんを悲しませてしまうのかな。


 もし、このまま意識が戻らなかったら、死んでしまったら、私の人生はなんだったのだろう。お母さんの愛を無駄にしてしまう。優真(ゆうま)くんの優しさを無駄にしてしまう。私の死にたさと戦った時間を無駄にしてしまう。


 これから、普通の人生が待っていたはずなのに。


 悶々と考え、悲しみに暮れた。涙は出せなかった。時間の感覚はあやふやにその場にただ呆然としていた。


 1時間か、もう少しかどれだけたったか分からないが、しばらくした後、視界に大きな変化があった。


 いつの間にか、兎が目の前(どの方向が前かは判らないが)に現れていた。…兎というにはそぐわない、大きな牙を持っていたが。


 とりあえず「牙兎(きばうさぎ)」とでも呼ぼう。


 その牙兎(きばうさぎ)は前足を振り上げ、私の頭上にかざし、()()()()()


 そこで私の意識はまた途切れた。



 そして今、私は前足で水色の粘液を()()()()()いる。

閲覧いただき、ありがとうございます。

ラストだけ決まっており、途中は構想しながらの投稿ですので、修正の可能性はあります。

拙い文ですが、今後もいらしていただけると嬉しいです。

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