第98話 魔法検査
メリウスと妖精フェリカはドメーヌ城独立棟の国王室を訪問する。
筆頭執事スペードが先導して案内した。
室内の内扉をピンク髪の国王秘書サーニャが開けて、笑顔で出迎える。
国王室の壁面にはシャメロン前国王とルーク現国王が並ぶ新しい油絵が掛けてあった。
メリウスは見慣れない絵画に違和感を感じて杞憂と片付ける。
緑髪の国王秘書ターニャがルーク・ドメーヌ国王に囁くように伝えた。
ルークは軽く咳払いをして無言になる。
ターニャが慌てて、国王を促した。
「メリウス、フェリカ、ご苦労だった。言葉が見つからず困った」
ルークは照れ笑いを浮かべ続ける。
「その港の出入記録を調べさせてみよう」
「陛下、おそらく記録には存在していないと思います」
陛下は理解出来ず、スペードに尋ねた。
「メリウスさんが言う通り、密入者は記録を残さないでしょう」
「そうなのか、スペード」
ルークはメリウスを促すようにターニャにアイコンタクトを送った。
「メリウスさん、陛下に説明してくださる」
「はい、ターニャさん。容疑者がその商用港に潜伏していることは確実ですが簡単じゃありません」
「メリウス、よくわからないのだが」
「港という環境です」
ルーク国王は、ターニャに補足を促した。
「陛下、人の出入りが多過ぎて取捨選択が困難になります」
「ターニャの言う通りだな。良い案はあるか」
メリウスはターニャの耳元で検査を囁く。
「メリウスさん、まさか、アレをまたするのですか」
「はい、ターニャさんとメイド長のクローラの協力が条件ですが」
ターニャは俯いたあとで厳しい表情を浮かべた。
「メリウスさん、クローラメイド長に相談するわ」
ルーク国王は意味不明な表情を終始浮かべている。
スペードが国王を忖度するように宥めた。
「陛下、メリウスの朗報をお待ち下さい」
「スペード、信じて良いのか」
「はい、陛下」
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赤いタータンチェックの制服姿のメリウスとフェリカはクローラの部屋をターニャと一緒に訪れた。
「ーー そう言う訳で検査をお願いしたく」
「ターニャさん、城と違い不特定多数は困難じゃないかしら」
「クローラさん、そこでメリウスさんとフェリカさんの出番じゃないかしら」
「なるほど、魔法に魔法ね」
「ただ、どうやって」
「通過フィルターで仕分けしたあと、メリウスさんたちが対象者を選ぶ」
「フィルターは大丈夫なの」
「魔法省の役人には反応するはずよ」
「うん、でも」
「メイドたちをどうやって移動させるの」
「普通は無理ね。メリウスとフェリカは別レベルよ」
クローラはターニャの説明に頷き具体案を要求する。
「ーー クローラさん、明後日の早朝にしませんか」
「いいわ。服装は非常時体制のリボン携行してパンツスーツにするわね」
「クローラさん、かたじけない」
「転移移動はメリウスさんに任せるわね」
メリウスは頷き、妖精フェリカを連れて港に向かった。
⬜︎⬜︎⬜︎
「メリウスさん、此処は」
「フェリカ、下見です」
国王秘書クーニャとザード大隊長がメリウスを見つけ駆け寄ってきた。
「メリウスさん、どうして此処に」
メリウスは集団瞬間移動の下見を説明する。
「そうね。集団移動ならリスクを排除したいわね」
「クーニャ、検査は明日の朝です」
「何処で」
「港の一番広い広場がいいけど、フィルター通過者だけです」
「まさか、魔法検査なの」
第98話 魔法検査
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次話エピソードは、
「第99話 地下迷路」
「魔法使いと王女の時空飛行〜女子高生メリウスと王女ルシア
〜大魔法で異世界を駆け抜ける〜」
次話が準備出来次第、
順次公開しています。
三日月未来
(みかづきみらい)




