おまけ:トゥルーエンド
【ここで復活する】
【神殿で復活する】
その後4年が経ったが、聖の前にケバンケタルンが迎えに現れることはなかった。
オリジンスライムの死後、操っていた死体を食べつくしたスライムは、それによって一度は爆発的に数を増やしたものの、それはもうただの最弱モンスターだった。
兵士や魔族によって簡単に駆逐されていき、その掃討も間もなく終わるだろう。
そうして世界に平和が訪れた。
しかしそれは人間にとっての平和であり、魔族にとっての平和ではなかった。
勇者ナオトとの戦い、そしてその後のスライムとの戦いで、魔族は人間よりもずっと被害を受けていた。
パロキセ国は、魔王も死んで弱体化した魔族達の首を真綿で締め始めた。
鉱山などの危険地帯で働かせ、それによる暴動が起きれば過剰に鎮圧し。
そうやって魔族の力をそぎ落していった。
聖はそれを黙って見過ごすことができなかった。
スライムとの戦いは、誰よりも魔王に功績があるのだ。それなのに、彼が死んだのを良い事に好き勝手する女王が憎らしかった。
その頃、聖は既に将軍や女王と関わる事はなくなっていた。
女性である為に貴族にもしてもらえず、時々スライム退治に出かける以外は飼い殺しにされていた自分と、魔族達を重ねて見ていた。
聖が女王に直訴すると、それでは話し合いましょうと女王に夕食に誘われて。
スープを飲んでしばらくすると眠くなり、眠り込んでしまったと思ったら死んでいた。
* * *
「どうしてキシル女王はヒジリさんを殺したんでしょう?こうなるとわかっていたのに」
「それは、私がむかし2回しか生き返れないって嘘をついたから。もう生き返らないと思ってたんだよ」
そう言って、聖はけらけらと笑った。