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異世界にTS転生した僕がサキュバスクイーンになった理由  作者: 望月優志


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クルカラにはまだまだ早い

文字数多くなってしまいましたが、後半の探険部分は軽く読み飛ばしてもらって大丈夫です。

文字では伝わりずらいかなと思い、今回明らかになった部分も含めて下の方に簡単な見取り図を描いたので載せておきます。

普段お絵描きしないので下手くそ&縮尺等々おかしいのですが…畑はここら辺、木々はここら辺に密集してる…程度の参考にしてもらえれば。

 瞼の外から感じる強い光に意識が覚醒する。

 今日もいつも通り朝がやってきた。


「セラ、おはようございます。よく眠れたようですね」

「うん…おはよ」


 身体が少しだるい。


 これはあれだ、寝すぎた時のダルさだな。


 寝起きでハッキリしない頭でぼんやりとそう思いながら、いつも通りのおはようのキスを受け入れる。


 寝起きで敏感な口の内をくすぐるように這い回る舌の感触は何度されても慣れないものだ。


 シアノとのキスは長い舌が喉の奥まで入り込んでくるため息ができず、とても苦しい。


 途中で助け舟が入るかどうかはその日次第だが、残念ながら今日は誰も止めてはくれなかった。


 まだ朝が早すぎて、寝ている子が多いせいだろう。


 喉の奥を舌で舐め回され、強烈な快感と息のできない苦しさに身体がビクビクと跳ねる。シアノが満足するまで続くこのキス責めは、夜は僕が気を失うまで。朝は助けが入らない限り、僕が意識を失う寸前まで続く苦行だ。


 いつも無表情のシアノがほんの僅かに微笑んでいるように見えるのは、酸欠の僕の脳が作り出す幻想なのかもしれない。


 快感の余韻を感じながら息を整えているうちに意識が再び深い所に引きずり込まれそうになるが、その頃にはみんな起きだして抱きしめられたり、髪を整えてもらったり。


 疲れきった身体を引き起こされて食堂に向かい、いつも通りの朝食を食べ、フルーツの収穫に向かう。


 いつもと違うことは、今日は朝からクルカラとオープルがやたらと手を繋いでくることと、いつもうるさいクルカラが静かなところだろうか。


 いつも遠慮なく人を引っ張り回しているくせに、今日はやけにしおらしい。


 フルーツを収穫し、走り回っているとあっという間にお昼ご飯の時間だ。


 昼食もいつも通り…かと思ったが、なぜかフルーツがでてきた。


 いつと違うが、美味しいのは正義だ。

 遠慮なく美味しく頂き、ほくほく気分で食器を片付けに行くと…


「…セラ、クルカラ。午後からはお客様のお相手がある。シアノ、手伝ってやりなさい」


 …カタンッ。


 手元からお盆が滑り落ちる。



 …お客様の…おあい…て…



 そう聞いた途端、昨日の記憶が蘇ってきた。


「…そうだったー!!!」

「…セラ?」

「ジュリがくる!!」

「…ま、まさか、忘れてた、のか?」


 世話人が驚きに目を見開いている。当然の反応だろう。


 なぜ今の今まで忘れていたのか。


 思い返してみれば、今日はみんないつもより優しかった。朝に全員から揉みくちゃにされることなんかあまりないし、アッポの収穫だってみんなより1籠多く収穫させて貰ってとても楽しかった。


 そういえば朝からずっと、いつも通りなんかじゃなかったではないか!!


 それなのに気が付かなかったのは…僕の脳が考えるのを拒否していたからだろうか。


「どどど、どうしよう!?」

「………」


 世話人が溜息をつきながら頭を痛そうに抱えている。


 いやその、ジュリに会えるのは嬉しい。だが…ジュリのスキンシップの異常さを思い出してしまったのだ。もう冷静ではいられない。


「どうしよう!!」

「だ、だいじょうぶ!!セラは!!クルカラが!!まもってあげる!!」


 横にいたクルカラがお盆を世話人の方に投げ捨て、僕の両手を掴んでくれる。


 その手は震えているが、2人ならなんとかなるかもしれない。



 …ところで、守るって何をするんだ?



 みんなから励ましと応援の言葉をもらい、シアノに手伝ってもらいながらペタンコなクルカラとの洗いあいっこを終える。


 他人の身体を洗うのに慣れていないクルカラにゴシゴシと力任せに擦られ痛い思いをしたが、黙っていると不安な気持ちに押し潰されそうになるので、気を紛らわすのにはちょうど良かったかもしれない。


「わぁ!! セラみて!! きれい!! サラサラしてる!!」


 衣装部屋ではクルカラが大はしゃぎしていた。

 そういえば今回はクルカラにとって初めての仕事だ。当然衣装部屋に来るのも初めてだったのだろう。


「これ、穴あいてるよ???」


 クローゼットから色とりどりの衣装を引っ張り出しては、かわいいだの何だのと騒いでいる。


 スケスケのネグリジェも、局部だけ布が切り抜かれたような衣装も、クルカラにはまだまだ早いよ。


 結局クルカラの衣装は茶色の髪によく似合うクリーム色のワンピースになった。僕が最初に着た薄紫のワンピースの色違いだ。


 そして僕の衣装は…


「わあぁ…セラ、かわいい!!おひめさまみたい!!」


 僕の髪色に合わせて用意してもらった、黒に見えるほど濃い紫のワンピースだ。クルカラのワンピースより少し長く、ウエスト周りをリボンの飾りが付いた紐で絞っている。


 確かに改めてクルカラのワンピースと僕の衣装を見比べてみると、ちょっと豪華な気がするな。


 …男の娘もお姫様に分類されるんだろうか?


 ふと疑問が浮かんできたが、益体(やくたい)もない疑問はそっと胸にしまった。



「セラ、クルカラ。しばらくこの部屋で待っていてください。セラは何度か経験があると思いますが、世話人が迎えに来ますからね」

「シアノは?」

「私は皆のところに戻ります。今日は私にお客様は来ませんから」


 2階の待機室に案内された後、シアノは僕とクルカラを抱きしめ、クルカラに「セラを頼みますね」と言い残し戻って行った。


 あと少しでジュリと会える。楽しみな気持ちもあるけれど、それ以上に怖い気持ちが先に来て、心の中が不安で押し潰されてしまいそうだ。


 クルカラは大丈夫だろうか…


 隣のクルカラを覗き見てみると…キョロキョロと周りの様子を興味深そうに見ている。


 この部屋は椅子とちょっとした木箱が置いてある殺風景な部屋だ。窓もなければ、他に珍しいものも何も無い。


 どうしたんだろう?


「クルカラ、どうしたの?」

「え?なにが?」


 なにが…って、それはこっちが聞きたい。


「キョロキョロみてた。なにかあった?」

「あー、ううん。なにもないなーって思っただけ。しょくどうじゃないばしょって、こじかてい(小鹿亭)にきたときに1回とおっただけだったし。こんなに何もないおへや、あんまり入ったことなかったから。ろうかのまどからクルカラたちのおうち、みえてたね!」


 そういうことか。確かに、いつもこの建物にはお勉強のための地下室と、トイレか食堂以外入れないもんね。


 それ以外の場所なんて珍しいし、キョロキョロしても仕方がない…


 …待てよ?


 今はこの部屋に、僕とクルカラ以外、誰もいない。


 そしてここには、好奇心旺盛なクルカラがいる。


 ………


「…たんけん、してみる?」

「たんけん???あっ」


 クルカラはなんの事か分からなかったのかキョトンとした顔をして、ハッとしたかと思うとイタズラっぽく笑った。




「みてみてセラ、おうちみえるよ」

「しー…しずかにね…」


 僕たちはこそっと部屋を抜け出し、廊下に出た。


 クルカラはただの探検だと思っているが、僕にとっては違う。建物の中を自由に歩き回れるチャンスなんて次いつあるか分からないのだ。できる限りあちこちを見て周り、脱走の手掛かりを掴んでおきたい。



 1階から階段を上がると、目の前に真っ直ぐ窓のある長い廊下と、左に向かう廊下になっている。左の廊下はすぐまた左に曲がる形になっていて、先がどうなっているのかは分からない。


 ちなみに僕達の待機場所は階段を上がって1番近くにある部屋だ。



 まずは2階の廊下の突き当たりまで進んでみる。


 長い廊下の突き当たりが壁なのは遠目から見てわかっていたが、進んでみると突き当たりのすぐ左に扉があるだけだった。


 僕達の待機所を合わせて廊下に扉は4つ。


 どの扉にも耳を当ててみたが、なんの物音もしない。


 流石に扉を開けて誰かにエンカウントでもしたら不味いので、来た道を引き返す。


 クルカラは扉を開けてみようとごねていたが…見つかったら探検がおしまいになってしまうと伝えたところ、あっさり納得してくれた。チョロイものだ。


 今度は2階に上がってきた階段から左に続く道に行ってみることにした。


 左に曲がる角の先には何があるのか。


 二人でこそっと頭だけを出して先を確認してみると…そこはすぐ扉になっていた。


 思わずクルカラと目を合わせてしまう。


 左に曲がってすぐ扉がある。何のための廊下だ?よく分からないな…


 いや、この先は廊下になっているのか?


 確か1階のすぐ下の廊下の作りでは、建物に入ってすぐ左に衣装部屋、その奥の横に階段があって、その奥がT字路になっている。

 客の相手をする時はT字路を左に曲がってまたすぐ右に曲がった所に扉があって、その先に長い廊下といくつもの扉がある。そのうちの一つが客の相手をする部屋だ。それと似た感じかもしれない。


 とはいえ、扉を開けずに中の様子を知ることは出来ない。


 あと扉を開けずに見れるところは…1階か?


「した、みにいく?」

「うん!いってみよ」


 クルカラも探検は楽しいらしく、コソコソ話でもわかるくらいに声が弾んでいる。


 二人で1階にコソコソと降りる。


 すぐ右には外に続く扉と、手前にさっき着替えた衣装部屋の扉があるので、目指すのは左、T字路の…右のほうだ。


「ここ、あとでジュリにあうときひだりいくから、みぎいってみよ」


 このT字の廊下を左に行くと客室のほうになるので、クルカラには後で見れるよと伝えてT字路の右側に進ませてもらう。


 廊下には進行方向の右側に扉が3つ、左側に1つ。突き当たりは左に曲がっているが、その先はすぐ扉だった。


 うーん…あっちもこっちも扉で遮られているな…


 もう扉を開けないと行ける場所が無くなってしまった。


「はんたいがわも、みてみる?」


 T字路の右に来たが、左側の方も見てみるかと聞いてみると、ふるふると首をふるクルカラ。


「そっちはこじかていにきた時とおったからいい」


 小鹿亭に来た時…通った………??


 え??


「クルカラ、きたとき、とおったの?」


 クルカラはキョトンとした顔をしたが、すぐ納得したような顔になる。


「そっか。セラ、しらないんだ…あっちのろうかをまっすぐいってね、まがってドアあけると、おっきなおへやになっててね、そこにげんかん(玄関)があるの。そこから入ってきたんだよ」


 え…あ…え…??


 そう…か…そりゃそう…なのか??


 みんなは孤児院で過ごした記憶があって、そこから来てるんだった。つまり、外から普通に小鹿亭の中に入ってきたわけで…出口までの道のりは、聞けば誰でも教えてくれたというわけだ…


 衝撃の事実を前に口をあんぐりと開けていると、クルカラは僕の様子を気にもせずに次は どうしようと聞いてくる。


 そうだ。時間は有限なんだ。できる限り探索を進めなければ。



 扉を開けずに見れるところは見終わった。


 なら次は、扉を開けて進まなくてはならない。


 どこから手を付けるか…


 ひとまず、目の前の扉は無しだ。


 なぜなら目の前の扉に耳を当ててみたところ、遠くの方から話し声が聞こえてくるからだ。


 扉のすぐ先では無い感じだけど、人がいる気配のする方向には近付かないのが無難だろう。


 ということで、そのほかの扉だ。


 とりあえずすぐ後ろの扉に耳を当てて物音を確認してみる。


 廊下の右側にある扉の1つ目。


 なんの物音もしないのを確認してから、そっとドアノブを回すと…


「!! あいたっ!!」

「しー!!しずかにね!!」


 興奮気味のクルカラにしーっと人差し指を立て制止し、二人でドアの向こう側を覗く。


 中は…真っ暗だが、廊下から差し込む明かりを頼りに中を見回す。


 中はかなり広いが、何も無かった。窓も無く、棚なども無いただの空き部屋らしい。


 次は廊下の左側に1つしかない扉を見てみよう。


 注意深く開けてみると…


「…だれかのおへや??」

「なんかへんなにおいする…」


 クルカラがスンスンと鼻をヒクつかせているが、多分ここは世話人の部屋かもしれない。


 背中におぶってもらっている時にこんな匂いがしてるもん。


 世話人の部屋は質素なものだった。


 床に1人分の布団、机と椅子、申し訳程度の雑品があるだけ。


 前に勉強部屋にあるようなベットで世話人も寝ているんじゃないかと疑いの目を向けたことがあったが、どうやら世話人の寝具は本当にベットじゃ無かったらしい。


 世話人の布団は僕達が雑魚寝している布団より藁の量が多いのか分厚いようだが、それでも寝心地は良くないだろうな。


 部屋の奥にもう1つ扉があるけど…流石に部屋に立ち入るのは不味いだろうという事で、次の扉の探索に移る。


「ここもまっくら」

「…な、なにかうごいた!?」

「え!?どこ!?」

「あっちのうしろ…」

「…なにもなさそうだよ??」


 次々と扉を注意深く開いて行ったが、1階の長めの廊下の扉は空き部屋1つ、物置2つ、世話人の部屋1つ。遠くで声のする扉の先だけは確認しなかったが、それ以外の扉は全て中を確認することができた。


 T字路の左の方にも扉が2つあるが、1つは客の相手をする部屋に続く扉と、小さい物置だ。


「つぎはうえ!」

「はやくいこ…!!」


 クルカラはどうやら暗いところが苦手だったらしい。部屋の中を覗く時は必ず僕の後ろにいるし、肩をぎゅっと掴んでくる。


 クルカラ怖いの〜?なんて茶化したい衝動に駆られるが、そんな事をしたらきっと大声で反論されてしまうだろう。


 そんな事されたらあっという間に僕達が探索してることがバレてしまう。


 勿体ないけど我慢だ。


 1階に用事がなくなった僕達は足音を忍ばせながらそそくさと2階に戻り、とりあえず待機部屋を覗いてみる。


 世話人が来てたらまずいと思ったのだが、幸いにも世話人はまだ来ていなかったらしい。


 随分時間を使ってしまった気もするが、今回は最悪バレてもいいと思っている。クルカラと探険していたと言えば怪しまれることもないだろうという魂胆だ。


 よし、まずは2階の長い廊下の扉を調べることにしようか。


 2階の長い廊下には扉が4つある。


 1つ目が僕達の待機部屋。


 2つ目の扉は…開いてみると真っ暗で先がよく見えない。荷物の多い廊下?が左右に続いている。


「またろうか??」

「うぅ…さき、みえないね…」


 暗くて先が見えないが、壁際に棚や荷物が並んでおり、右は真っ直ぐ、左の見える範囲はギザギザと曲がり角の多い廊下が続いている。


 なんだろうこの廊下…今までこんな変な廊下見た事ない。


 どうなってるんだ?迷路…か?家の中に??


「ねぇセラ…ほかのとこ見にいこうよ…」


 ただでさえ先の見えない暗闇というのは少し怖いのに、廊下からはひんやりとした空気が流れてきており、それがまた不気味な雰囲気を醸し出している。


 ちょっと気味が悪いな…


 3つ目の扉を開けた先も真っ暗な廊下だった。

 ただこちらは前と左に向かって真っ直ぐ廊下が伸びており、どうやら2つ目の扉と同じ廊下に繋がっていそうだ。


「あっちのドアと、おなじろうかかも?クルカラ、あけてきて」

「ええっ!?や、やだよ…」

「あけたらあかるくなって、こわくなくなるかも」

「こ、こわくないもん!!」


 怖くないと言い張るクルカラが渋々ながら2つ目の扉を開けにいってくれる。思った通り2つ目の扉と同じ廊下だったようで光が入ってきたため、2つ目と3つ目の扉の中間地点が見やすくなった。


 壁際に棚や物が積まれているが、物置兼廊下っぽい。


 ただ3つ目の扉から真っ直ぐ続く廊下は途中で右に曲がっており先が見えず、 何があるのかは分からない。


 真っ暗な中に入るのは流石に…やめとこう…他にも扉はあるし…僕は怖くは無いけどね…クルカラが可哀想だし…


 ということで、廊下の突き当たり左側の扉を開けてみると…


「またろうか」

「ここもまっくら…」


 廊下の先は、また廊下。扉を開けた先は真っ暗な廊下が少し伸び、すぐ右に曲がっていて先は見えない。


 仕方がないので引き返し、階段から左側に行った先の扉を見に行く。


 ここが最後の扉だ。


 ガチャリとゆっくり開いてみると…扉を開けてすぐ左側に扉があり、右側には窓の無い真っ暗な廊下が続いていた。


挿絵(By みてみん)

改めて見取り図見ると木々のスペース狭くしすぎでしたね…木々は書いてある本数ではなくて、もっと大量に生えてます。


もっと広場が狭く木々が多いイメージなんですが、慣れてなくて省略したら雑になりすぎました…畑大きすぎですし…ですが編集して直すのも大変なので…このままで…

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