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隣の人が、自殺サービスを、利用するらしい
特に興味はない
私の知り合いも、何人も、しているし
ここに引っ越してきた時も
挨拶はしていない
時折、隣の部屋から、洗濯機の回る音が聞こえる程度で、他に物音さえ聞かない
それくらいの関係だ
生活時間が違うのか
一度もその人と会ったことはない
では、何故、そのことを、自殺することを知っているかと言えば
今朝ポストに
こんな手紙があった
それは、今まで生きてきたこと
そして感謝の言葉であったが
私は、気持ち悪く
それをすぐに、ゴミ箱にしてて
出社した
そう、出社途中で、なぜか引き返したのだ
あの住人は、なぜ死のうと思ったのか
私は、自分の家の前を
通り過ぎ
その人の家の前に立った
私の人生は続いているが
どうやら、隣はそうではないらしい
見切りをつけて
死ぬというのだ
私が、インターホンを、押そうとしたとき
部屋の扉が開いた
中には、小さな女の子が立っていた
「何でしょうか」
眼をぱちぱちと開いて彼女はそういった
「ご家族は」
私は、そのまま立ち去りたい気持ちを抑え
彼女にそう聞く
彼女は首を振って
「居ません」
私はぼんやりと彼女を見て
すぐに部屋に引き返すと
部屋にあった
ゴミ箱から手紙を出そうとして、やめる
ぐちゃぐちゃに丸められていたからだ
私が戻ると
彼女はまだ、あの時のまま
玄関に立っている
「お嬢ちゃん・・その、自殺するの」
私が、彼女に聞くと、首を縦に振る
「なんで」
私はそんな言葉さえ出なかった
「ありがとうごいざいます。大丈夫です」
彼女はなぜか私にお辞儀をした
そしてまるで、何事もないように
扉を閉めた
私は数分そこにいたが
会社のメールが入り
いそいそと電車へと向かう
次の日
隣の表札は消え
別の人が、そこには、住んでいることを示す物へと変わっていた
私は、深夜、外食をして
何とか部屋に帰り
あの手紙を開いた
しかし、そこには良く分からないことが、書かれている
三十五年
どう考えても、あの少女の年齢ではない
さすがにそれくらいはわかる
あの子供は、そんなに老けてはいない
その手紙には
生まれてから離婚しここで暮らしていることまで書かれ
最後に、自殺することが書かれていたが
その日付が一昨日であり
そう考えると
いよいよ、この手紙の差出人は、手紙を、配ることなどできない
そうなると、そのあと誰かが配ったことになる
私はぼんやりと、手紙を見る
彼女があの彼女が配ったのだろうか
誰に、親に・・
では、あの自殺するというのは母親の事だったのか
しかし、あなたが自殺すると聞いた時
彼女は首を、縦に振った
彼女は、死んだのだろうか
隣の部屋では、笑い声がした
お金がなかったなら、施設に行けばいい
母親に強要された
どうだろう
彼女はなぜ死んだのだろう
母親に何を、教わったのだろう
母の真似をしたのだろうか




