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その箱を開けた世界で  作者: ナガズボン
第1章 鳳凰院 蓮火(仮題)
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幼女は蓮火に聞く

よろしくお願いいたします!

 さて。

 幼女が真面目な顔を見せる。


「どうじゃ?学校での生活は?」


 幼女は蓮火に問いかけた。

 その表情には、先ほどまでの少しおちゃらけた雰囲気が一切なく、真実にこの人物が学校長なのだと蓮火に思わせるような何かがある。


 突然、聞かれた蓮火はどう答えればよいか分からなくなったが、何とか咄嗟に一言だけで返事する。


「えっと……楽しくなりそうですっ」


 その言葉にはこれからの、今後への希望が詰まっているように、幼女は感じ取った。

 

 これから……か。

 蓮火に聞こえないよう、それだけを呟く。


「……そうか。それは何よりじゃ。何か困ったことがあれば、わしに相談するとよい」


「あ、ありがとうございます?」


 蓮火は首を傾げながらもお礼を言った。


「うむ。では、お主も帰ってよいぞ!」


「は、はあ……」


 蓮火は不思議に思いながらも、頭を下げ退室しようとした。


「あ、そうそう」


 退出する直前、またも幼女が蓮火に付け加えた。


「これだけ聞かせてくれ。お主の本命はどっちなのじゃ?」


「本命……?」


 何を言われているかが分からずといった表情になる蓮火。


「お主が好きな男よ」


 幼女は説明をつけ足した。


「ん、ん、んなっ?!」


 それからの蓮火の反応は劇的だった。

 目を泳がし顔は赤くなり、仕草があわあわと慌ただしいものとなる。


「な、何のことですかっ?!」


「……お主、誤魔化し方が下手じゃのう」


 あやつにそっくりじゃ。

 幼女はそんな感想を思い浮かべた。


「な、何のことですかっ?!」


 蓮火はそれしか言うことが出来ない。

 こういう時に何を言えば良いか分からなかった。


「……まあ、頑張るんじゃぞ。後悔だけはせんようにな」


 幼女は生温かい目で蓮火を見やるだけである。


 その言葉は果たして、蓮火に向けられたものか、はたまた別の誰かに向けられたものなのか。


 隣で見ていた輝花は想像を巡らせる。

 多分どちらもだろうなと、答えを出した。

 輝花は生温かい目で幼女を見るのだった。

お読みいただきありがとうございました!


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