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その箱を開けた世界で  作者: ナガズボン
第1章 鳳凰院 蓮火(仮題)
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アカズのダンジョン脱出5

よろしくお願いいたします!

「ふぅー」


 十メートルほど縄を登った段階で駈は一つ、息を吐く。


 正直、疲れていた。


 蓮火とリストはよく登ったものだと、駈は感心していた。


 数秒そのままでいて、行動を再開する。


 登りながら駈は、アカズのダンジョンであった様々な出来事を改めて思い出していた。


 思えば、ダンジョンに入ってから六時間くらいしか経っていないのだ。


 そのわりには、蓮火とはもう随分前から友達だったように感じる。

 ついでにリストも。


 それだけ濃い時間を過ごしたということだろう。


 そう考えると、蓮火と自分はわりと相性が良いというか、これから長いこと付き合える友人になれるのだろうと思えて、駈は嬉しくなる。


 いや、なれるではない。

 なるのだ。


 そして、いつかはーー。


 そのためにも、まずは強くなること。

 魔法が使えないかもしれない。

 特性は戦闘の役に立たないかもしれない。


 だが、そんなものは関係ない。

 

 もう決めたのだ。

 超一流の冒険者になると。

 いや、僕が成し遂げようとしていることを考えれば、超がついても足りないのかもしれない。


 人は笑うかもしれない。

 お前に何が出来ると。


 魔法も使えない、特性も弱いお前がそんな目標を掲げて恥ずかしくないのかと。


 恥ずかしくない。

 なぜなら僕は空っぽだから。

 空っぽだから、そんなこと出来ないだろうなんて思わない。

 出来るわけがないなんていう常識は空っぽの僕には通用しない。


 幼い頃に知らされた話と泣いていたあの子を見て、決めたのだ。


 そう考えると、力が湧いてきた。


 やがて見えてきた光に向かって、駈は張り切って近づいていくのだった。

お読みいただきありがとうございました!


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よろしくお願いいたします!

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