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その箱を開けた世界で  作者: ナガズボン
第1章 鳳凰院 蓮火(仮題)
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アカズのダンジョンと旧きもの16

よろしくお願いいたします!

 僕は機械だ。

 物言わぬ機械。

 だからこのドキドキも、まだ鼻に残っているかすかな色香も、横で般若のようなお面をつけている蓮火さんも。

 何も恐くない、蓮火さんに至ってはさっきの無表情の方が恐ろしかったくらいだ。

 それでも綺麗なんだからズルいよねぇ。


 というより、こんなことを思い浮かべている時点で、僕は機械じゃないか。


 駈がそんな、なんの生産性もない思考をしていると。


 下を向きながら地団駄を一度踏んだ蓮火が何かやけくそになりながら、その美しい黒髪を振り上げた。

 その目は座っている。

 お気に入りのを取られたくないという子どものような仕草だ。


 駈はそれどころではなかったが。


「かけるくんっ!!」


 蓮火から駄々っ子のような口調で名前を呼ばれた駈は面を上げ。

 唇に再度、柔らかな感触。

 甘酸っぱいレモンか何かの柑橘系を連想するかのような。

 これまでのダンジョン攻略で汗もかいているだろうに全く、それどころか少女から女性へと変わる、少女でもなくまた大人の女性でもない、今その瞬間にしかないような色香。


「かけるくんっ!ボクもはじめてだよ!!すごいね!!!」


 果たして駈は。


 鼻から熱く鉄臭い何かが込み上げてくるのが分かって。


 目を回しながら、電気回路が逆走してショートした機械のように、突然シャットダウンしてしまうのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 二になりました。


 誰も聞くことのない呟きが誰もいない部屋で鳴り響く。

 それは無機質で機械的でありながらも、万分の一ほどの抑揚も含んでいた。

お読みいただきありがとうございました!


よろしかったら、ページ下部のブックマークをつけていただけると嬉しいです!


よろしくお願いいたします!

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