アカズのダンジョンと旧きもの9
よろしくお願いいたします!
やっぱり開かないね。
箱開けの魔法を使うのを止めたリストは一言、それだけをポツと口に出した。
「一応ボクもやってみるよ!」
その様子を見た蓮火は駈とリストにそう言うと、宝箱へ手を掲げ自らの魔法を使い出す。
髪こそ染まらないが、箱開けの魔法の適性の高さはそれぞれの最も得意とする魔法属性の適性の高さと同等のものだと考えられている。
よって、蓮火の箱開けの魔法もそれ相応に優れたものとなっているはずだと駈は思っていた。
しかし、やはりリストのものでも開かなかったのは伊達ではないようで、蓮火の魔法でも宝箱はその中身を見せることを頑なに拒んでいた。
やがて、蓮火も手を下ろす。
「やっぱり、ダメ……みたいだね」
「そのようだね」
蓮火とリストは諦めの空気を醸し出す。
駈は気まずくなっていた。
もっと早く切り出せれば良かったのだが、リストの全身が光った見た目のインパクトが強烈で、つい状況を静観してしまっていた。
「あのぅ……」
それでも何とか話を切り出す。
駈の声に反応し、二人が振り替える。
「どうしたの駈君?」
蓮火が駈に質問する。
「僕だったら開けられるかもしれません」
「えぇ?!」
蓮火のその驚きの声を聞きながら、そう言えばわりと最近に同じ状況があったなぁ、と実習用のダンジョンでのことを駈は思い出すのだった。
お読みいただきありがとうございました!




