アカズのダンジョンと隠し部屋3
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壁の中のそこは正に一本道であり、途中でモンスターが出現するというようなこともなく、驚くほど平穏に駈と蓮火を導いていく。
駈が前を歩き罠がないかどうかを確認しつつ、後から蓮火が周りに気を配りながらついてくる。
アカズのダンジョンを七階層まで進んだ時と同じスタイルだった。
休憩が終わった後に歩き始めてから、十五分ほどが経った時。
駈と蓮火の目に、一つの扉が飛び込んできた。
「あれがゴールかな?」
「ええ。他に目ぼしいところも見当たりませんでしたし、そうだと思います」
そうであって欲しいですと自らの願望も込めて駈は言った。
「そうだねっ」
蓮火もそれに同意する。
そうして駈と蓮火は扉の前に立つ。
扉を目の前にする二人の表情は、明らかな緊張に包まれていた。
自然発生したダンジョンの隠し部屋だと思われる部屋の入口という完全な未知の領域の前に立っているため、無理らしからぬことではあったが。
「どうする?開ける?」
蓮火が少し怖じ気づいたのか、ここに来て今更感のある問いかけを行う。
しかし、駈はその問いをした蓮火をバカにすることなく、ただ彼女の意に沿う解答もせず、覚悟を決めるよう力強く発言した。
「ええ!ここまで来たんです!引き返すのはもう、考えないようにしましょう!」
「……うんっ、そうだねっ」
意外と物怖じしない駈だった。
駈の言を聞いた蓮火も心を決める。
「じゃあ、ここも二人で開けようかっ?」
二人で一緒に壁の中に入った時を思い出し、蓮火は提案する。
「ええ。そうですね!」
駈も笑顔で賛成した。
駈の返事を聞いた蓮火も自然と笑みがこぼれる。
ここでお願いっ、と蓮火は駈に手を置く場所を指示した。
駈はそれに従って扉に手を置き、そして、念を押すため蓮火に危険があることも想定し促す。
「もしかしたら番人がいる可能性もあるので、油断しないように行きましょう!」
「うんっ、分かったよっ!」
駈の注意を聞き、蓮火は改めて気を引き締めた。
駈と蓮火はどちらからともなくお互いに目を合せ、静かに頷く。
「じゃあまた、せーのでいいっ?」
「はい。お願いします!」
駈の了承を聞き首を縦に振ると、蓮火は一つ深呼吸する。
そして息を吸い、せーのっ、と掛け声を出した。
蓮火が言い終わったタイミングで二人は同時に、扉へ置いていた手に力を込める。
扉はギィっと気持ちばかりの抵抗を行なった後、二人の力に逆らわず、その役割を果たした。
駈と蓮火は扉が開き切るやいなや、素早くその身を部屋に滑らせ、油断なく辺りを見渡した。
果たして、その部屋の中央、駈と蓮火の視線の先には。
一つの宝箱があり、その上に。
一人の若い女性がいた。
裸で。
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