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その箱を開けた世界で  作者: ナガズボン
第1章 鳳凰院 蓮火(仮題)
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ダンジョン実習5

よろしくお願いいたします!

 果たして宝箱は、カチャリと音を立て、蓋を勢いよく広げ、その中身を晒した。


「開いた……」


 誰からともなく、言葉が溢れる。


「駈さん。中身を確認してください」


 アシュリーが駈に声をかけた。


「いいんですか?」


「ええ。そもあなたへの贈り物ということでしたでしょう?箱を開けようとしたことも差し出がましかったです……申し訳ございません」


 アシュリーは済まなそうな表情をして頭を下げる。

 その様子に駈は慌てて手を振る。


「いえ、そんな!頭を上げてくださいっ。謝っていただくほどのことでは全っ然ないです。では恐れながら僕が確認させていただきますが、皆さんもよろしいですか?」


 駈の問いかけに反対の声は上がらなかった。


「では」


 駈が中身を確認すると、入っていたものは一振りの黒い脇差しだった。

 駈はそれを手に取ってみる。


 確認している駈の横から鈴が顔を出し、彼の手元を見て一言。


「地味」


 シンプルにしてひどい感想をのたまった。


「ひどっ?!いや、でも、あの人侍っぽかったし、ある意味らしいものだよね」


 そう言って、自分を納得させるようにウンウンと頷く駈。

 少し残念だと思う程度には、駈も密かに期待していたのだった。


「それよりも」


 ダンジョンに入ってから、一言も発していなかった動物好きが、発言する。


「そろそろ戻った方がいいんじゃないか」


 ハッとなる一行。

 支給された腕時計を駈が見ると、実習終了予定の時間から一時間以上、経過していたことが分かる。


 実習が始まった時と同様、憂鬱になる駈なのだった。

お読みいただきありがとうございました!

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