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ラブワールド  作者: ササデササ
年下の旦那様
33/64

一人で頑張るのよ

 憂鬱な3連休の翌日。

 ラブワールドからリアルのスマートフォンにメールが来た。


『ゴーダ様より、別居の申し込みがありました。

 条件は下記の通りです。

 ・現在のマイホームはスーナ様が継続してお住まいになる。

 ・財産分与はしない。

 ・期間は1ヶ月。

 以上です。

 もし宜しければ、ゲームのメールにて返信をお願いします』


 私は、そのメールに返信するためにだけゲームにログインした。

 まだ、遊ぶ気分じゃなかった。

 

 

 

 それから、1週間程は私はラブワールドから遠ざかっていた。

 でも、このままじゃいけない。

 もちろん、ラブワールドの世界を自分の力で切り開く事で、ゴーダ君への恋心が、依存じゃない事を証明する目的もある。

 でも、時間が傷を癒してくれた今となっては、それは半分ぐらいの割合だ。

 重要だけど、それほど重要ではない。

 では、もう半分は何か?

 決まっている。

 ラブワールドはお高いのだ。

 ゲーマーの人にとって月5000円がどの程度のものかは知りもしないが、私にはお高いのだ。

 ゲームごとき(これ、聞かれたらゲーマーの人に怒られるわね)に5000円は高いのだぁ!


 だってだって、ランチ5回分ほど。

 映画だって3本ぐらい見れるし、飲み会だってやれちゃうのよ。


 5000円は大金なのだ!


 ならば、元を取らなくてはいけない。

 そう思って、私はログインした。

 ログインすると、メールがたくさん届いていた。

 大体がイチローさんからの遊ばない? というメール。

 私はしばらくログインしていなかった事を謝った。 

 約束については触れなかった。

 今は、出来るだけ1人で行動したいのだ。

 依存してないと、いや、依存体質、受身体質なのは否定できないけれど、ゴーダ君への愛とは無関係なのだと、証明したいのだ。


 ゴーダ君からメールがないかと期待したのだけれど、1つもなかった。

 けっ。あやつめ。 

 

 イチローさん以外のメールは1件だけだった。

 運営からのイベントのお知らせだった。


『みなさま、こんにちは。

 暦は10月を迎えましたね。

 寒くなってくる季節ですから、体調管理にはお気をつけ下さい。

 さて、寒いと言えば、怪談。怪談と言えば、ハロウィンですよね。

 ちょっと強引でした。

 それはさておき、ラブワールドでもハロウィンイベントを実施いたします。

 お仕事をすると、お菓子をもらえます。

 それを食べても満腹度は膨れますが……。

 これは出会い系ゲーム!

 お菓子と名刺を交換してもらいましょう。

 プライベートカード オア トリートです。

 名刺を交換するとポイントが溜まります。

 そのポイントでしか買えない期間限定の自動アクションやスキル、あるいはレシピなどがありますので、是非、この機会に知り合いを増やしましょう!』


 なんか、砕けたメールだった。

 もっとビジネス文体なのかと思ってメールを開いた私は拍子抜けだ。


 でも、イベントかぁ。

 一人立ちするには良い機会かもしれない。


 この日、私は1度だけお仕事でお金を稼ぎ、残りの時間は名刺について調べた。


 名刺アプリ発見。

 初期設定では、性別、職業、年齢、ペットが欲しいか、タバコを吸うか。

 5つだった。

 チェックボックス式で、チェックしたものが名刺として出力されるらしい。

 内容は実に様々だった。

 実名だったり、過去に付き合った人数だったり、年収だったり、はたまた相手に求める条件だったり。

 私は、初期設定から職業のチェックだけ外した。


 今日は、名刺の設定をして、ログアウトした。

 ログアウトしてから、ラブワールドの攻略サイトでどこで知り合いを増やすかを調べ、そのまま寝ることにした。

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