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孤児弟と貴人聖域法

あたしは「たすけて!」といわなかったのにこうかいしている。


わたしはしぬだろうけど、どれいしょうにんにつかまったむらのこどもたちやおにーちゃんはまだいきているだろうし、うまくいけばだれかひとりくらいたすけてもらえたかもしれないのに・・・・・・・・・・・・・・


あたまがぐるぐるする。おなかがぺこぺこで、のどもからから・・・・・・・・・・・

いちばのおちちゃんにおかしをもらったがぜんぜんたりない。


あれ?のどにみずがとおる。あまくてすっぱい。


「大丈夫?ここまで来たからには死ぬなんて結末は許さないからね。生きたいならば目を開けて・・・・・・・・・・」


やさしいおとこのこのこえがする。

わたしはよびもどされたのだろうか?からだがあたたかい。

めをあけるとくろいあめがひかりとあそんでいる。


「だんな!この子、気がつきましたよ!!」

おとこのこはこえをあげてだんなというおとなをよんでくれる。


だんなとよばれたひとはきぞくがきるようなきれいなふくをきている。

そこにつきしたがうようにきれいなふくをきたおねーちゃんがたべものをもったかごをよういしている。

おとこのこはかごのなかからぱんをひとつとってわたしにくれた。


「ゆっくり食べるんだよ・・・・・・・あわてて食べると身体に悪いからね。」

おとこのこからもらったぱんはあたたかくやわらかかった。

なかにはいっているくるみとほしたくだもののあじはあまくておいしくてなみだがでてくる。


みんなとたべたかったなぁ・・・・・・

みんなどうしているのだろう?

ひどいことされてないといいんだけどむりだろうな


どうしてひとりだけ・・・・・・・・・・

わたしはないていた・・・・・・・・・・


おとこのこはだまってだきしめてあたまをなでてくれた。

おにーちゃんがわたしがないていたときによくしてくれたことといっしょだ。


わたしはなきながらなみだとかはなみずとかなすりつけるようにないていたのにきがついた。

おとこのこのふくはきぞくさまといっしょのきれいなふくなんだけどわたしのはなみずとかどろとかできたなくなっている。


あっ!きれいなふくをよごしたらおこられる。とおびえていると・・・・・・・・・・・

「大丈夫だよ。もっと食べる?」


とやさしくなででくれた。


だんなとよばれたきぞくさまはさっきぎもんのさけびをあげたけんじゃさまだった。


けんじゃさまはやりをもったへいたいさんたちとかきれいなおんなのひととはなしをしている。


きれいなおねーちゃんはわたしのかおをふいてくれた。

そしてやさしくなでてくれて


「君は一人で来たのかな?どこから来たのかな?」


わたしはむらのこどもたちのことをわすれてぱんをたべていたことにきがついておもわずさけんだ!


「たすけて!おにーちゃんが!むらのこたちがおとなたちにさらわれたの!!」


わたしのさけびにけんじゃさまとやりをもったへいたいたちがわたしのもとにくる!

「話を聞かせてもらおうか!」

衛士の中で手当ての心得がある者がいて、この薄汚い幼女が過労と空腹で倒れただけで目を覚ましたらゆっくり休ませておけばじきに回復すると言っていたので一安心だ!


孤児姉と補佐見習の母君に食べ物とか用意させるよう命ずるのだが、市場の衆が其々に少しずつだが持ち寄ってくれた食べ物がまだあったのに気がついた・・・・・・・・・

それでも肉とか酒とか・・・・・・・・酒宴の用意じゃないか!



そりゃーねー、市場に来ては酒を飲んで楽しんでいるところしかみせてないしねー(by酒精神)

一緒になって楽しんでいた酒精神には言われたくないな。あと極北緒神群とか荒野領緒神群とか諸々にも・・・・・・



「賢者様、身体の弱った者にはきついですわね。食べやすい者を用意しましたからこちらからどうぞ!」

「ご婦人、手間をかけさせてすまない。」

「いいえ、私も救われた身。今生かしてくれている方々の名誉を貶めることは出来ません。」

「はいはい、堅苦しい事言わないで助けたいから助けるんでしょ。ご婦人。」



婦人の顔が赤い・・・・・・・・この親子はお人よしな所を建前の仮面で誤魔化そうとするところがあるからなぁ・・・・・・

其処が好ましいところなんだが。

補佐見習も傷跡娘が惚れているから立ち向かったりしているのに彼女の名誉のために立ち上がったとか嘯いているからなぁ・・・・・


孤児弟は薄汚い幼女を膝枕して水差しの薬湯を口に含ませようと四苦八苦している。

それでも無理だと判断したらしく、薬湯を口に含むと口移しであたえる。



市場の衆はひゅーひゅーと囃し立てるがこれは人助けなんだよ!


幼女の喉が鳴るのをみて、安心する孤児弟。

程無くして幼女が目覚める。

その時に一筋の光が孤児弟に降り注いだことは神々の悪戯に違いない。

私よりよっぽど絵になるではないか・・・・・・・・・


これが後に【連作:黒髪孤児の一幕 叫びの幼女】の題材(モチーフ)となる瞬間であった。(by歴史神)



イラン歴史捏造するな!!


ぼくっ!!(神秘緋金属張扇(オリハリセン)による殴打音)




いらぬ神の介入によりそれてしまったが目覚めた幼女は如何だろうか?

孤児弟が渡した焼きたての麺麭をゆっくりと食べている・・・・・・・・・・・

何故泣く!!


泣くほど大したことはしていない!

これらから貧民は良く判らん。


食べて、安心したのか泣きつかれたのか孤児弟の服をべとべとに汚しまくった薄汚れた糞餓鬼は叫ぶ!


「助けて!おにーちゃんが!村の子達が大人にさらわれたの!」


この糞餓鬼が、叫ぶ順番が違うだろう!

この私に対して服を着ていると叫びやがるし!最初にこの助けの叫びを上げやがれ!

「賢者様、この子は幼い子供ですから穏便に・・・・・・・・・・」

「御主人様、まずはこの子の話を聞きましょう。」


女性陣の窘めに私は大人気なかったなと心落ち着け、幼女の話を聞く・・・・・・・・・・・



村を襲った日照りに大人達が次々に消えていく話・・・・・・・・・・・

領主が街に連れて行ってからの苦難・・・・・・・・・・・・・

大人達が命を削りながら子供たちに王都に向かって私を頼れなんて投げなしの金を渡して進む?

子供達だけの旅路の苦難・・・・・・・・・・・

おにーちゃんが売春して子供達のために金を工面する?

私の顔が怒りに満ちてくるのを感じて幼女が怯えているが気にしない。

とりあえず人攫いの話を聞こう・・・・・・・・・・・・・


なになに?人攫いは鎖を身体に巻いた大男とか馬に乗ったモヒカン頭?残忍そうな獣人?馬に乗った男はひゃっはーとかいって手当たり次第攫ったりしていると?どっかで覚えのある連中だな?


「だんな、普通に孤児院にむかいませんか?」

「孤児弟、やはりお前も同じ考えか?」

「御主人様、彼等にとっては善意の積りなんでしょうが・・・・・・」


まぁ、子供達を攫ったのが彼等ならば問題ないのだろうが・・・・・・少しは頭で考えて当たり障りのない応対をして欲しい者だが・・・・・・・・・・確か彼らも爵位もちがいたはずだが・・・・・・・・

騎馬戦士(モヒカン)様は騎馬公配下の子爵位をだったはずですし、奴隷公の配下達も準爵位とか普通に持っていましたはずですが・・・・・・・・・・・」

「あとで、礼法講座を開くとしますか・・・・・・・・・・・・」

「だんな、だんな。とりあえずはこの子を安心させてやるのが第一なのでは?」


うむ、孤児弟は心得ている。

忠義第一ではなく、主たる私にも必要ならば苦言を発する。得がたい人材だな・・・・・・・・


私は衛士達に子供達の回収を命じて市場の衆にこの幼女の連れを見つけたら褒美を取らすと檄を飛ばす!!


幼女は驚いて私を見るが、私は気にしない・・・・・・・・・・・

薄汚れた餓鬼に懐かれても私の趣味ではない!


奴隷商人だったら飢えた死肉喰らいの蛆虫が救いに思える程度の責めをしてあげよう。


そして私が孤児院への道を向かう前に孤児弟が


「旦那、この子供をおいらの保護下に置いて良いですか?」

と問いかける。

私は弟子にして従者にして養い子の魂の叫びに鷹揚に受け入れる。


孤児弟が自分から私に対して自我を張るところなんてはじめてである。

弟子にして息子の最初の我侭に私は本気で叶える用意をしよう。


孤児弟は叫んだ


「この孤児幼女をおいらの貴人聖域法(アジール)の保護下に置く!神だろうと国だろうと世界だろうとその理不尽に泣くものを放置する者には本気でぶん殴る!!」


神々も


命を削っての叫び!応じない輩は聖戦で潰す(by某王国守護地域神)

不器用な馬鹿の問いかけに応じない神なぞある意味はない。その神は潰すから存分に進め!(by馬族守護神)

孤児弟の檄に応じない神なぞ滅ぼしてしまえ(by性愛神)

飲み友達の子供が酒飲みは幸いにつながる叫びを上げたんだからおうじるよー(by酒精神)


いいともさ!神々の助けなんかなくても私はこの王国に理不尽を起こすなんて私に対する喧嘩とみなして高く買ってやろうじゃないか!


神々?世界?我が弟子の世界に対する名乗りの祝いとして華々しく飾り立てて差し上げますか!!


まずは世界に対して!奴隷解放宣言をするか?それとも困窮する者に対する助けを与えない者に神の子たる資格なしと公開質問状をおくるか?


それ以前にこの餓鬼の兄妹分が無事である事を確認せねば・・・・・・・・・・・・



「幼女、心当たりがあるから一緒について来い。」


多分正解ならばどこぞの馬鹿が保護と称して連れ去っただけだろう・・・・・・・・・・

それならば、悲劇を茶番としてこの餓鬼の心から救うとしよう・・・・・・・・・・・・

俺たちは囚われてしまった・・・・・・・・・・

一人残ったのが俺の妹だけか・・・・・・・・・・無事に賢者様の下で俺達の分まで幸せに過ごして欲しいものだ・・・・・・・・・・・・・・・


男たちは俺達を王都の中の建物に連れて行く・・・・・・・・・・・


その建物は怪しげな男達の中を女たちがまめまめしく働いている。

俺たちはいきなり風呂に放り込まれて洗われる。多分に俺たちが高値でつくように手入れするのだろう・・・・・・・・・


女たちに現れている俺はケツの異変に女たちは戸惑う・・・・・・・・・

しりの処女は高値なんだろうけど価値を損なう俺は如何しようかと・・・・・・・・・


俺は女たちについていきある部屋に行く。

その部屋は調度が整えられているのだが薗にいるのは二人の爺だった。

一人は気弱なモヤシ爺だし一人は筋骨隆々なマッチョ爺だ・・・・・・・・・・・・


二人の糞爺は俺を見て女の話を聞くと苦々しげな顔をする・・・・・・・・・・


そうして俺の身の上話を聞く・・・・・・・・・・・・

もやしは同情の視線をくれるがそれは俺に対する喧嘩ととろう!!

マッチョ爺はにらみつけるが俺に対して怒っている訳ではない様だ。


そうしておれは別のところに連れて行かれる。

そこは男と女の絡みが彫刻されている建物なのだが、其処を平気ではいる女というのはどうかと思う・・・・・・・・・・・・・

俺は其処で美人さんと話をして俺がけつをうったはなしをするといきなり体をひん剥く・・・・・・・・・・・


俺のケツは血が止まらないし、痛いのだがそれを見た女は薬を塗ってくれた。

そして抱きしめて、つらかったねと泣いてくれた・・・・・・・・・・・


そして、なよなよした男たちが俺のことを甲斐甲斐しく世話してくれる・・・・・・・・・

男たちは俺と同じ境遇のようだ・・・・・・・・・・・


俺のことを大変だったねと抱きしめてくれて、朝晩薬を塗ってくれる。

あの何処かの街の男達みたいに自分のことだけを考えてけつを傷つけるわけではなく大丈夫、守ると優しく薬を塗ってくれる。


うっ・・・・・・・・気持ち良い。

どうして?

と聞くと男たちは

しかるべきことをすればお尻だって気持ち良いと教えてくれた・・・・・・・・・


がんばったねとか辛かったねと泣きながら抱きしめてくれる男たちは

おれが歩いてきた旅路を知っているかのようだった・・・・・・・・・・・


「そりゃ、僕達だっていろいろあったんだから・・・・・・・・・」

と昔語りをしてくれる男たちは俺よりも酷い目にあっていた・・・・・・・・・・・・


でも、俺のために本気で心配してくれる男たちは俺に幸いを与えるために神に祈って命を削っている・・・・・・・・・・・・・・・・・




ばかやろう!

オレガソレヲウケイレルトオモッテイルノk!!

かみよ!俺のことは良いからこの馬鹿な男達のために祝福を・・・・・・・・・・・・・


神は朴念仁なのか倒れた男達をを尻目に俺に対して癒しの技を振るう・・・・・・・・・




なんでだよなんでだよなんでだよ・・・・・・・・・・・・

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