終了後と支払い諸々
あらすじ 子供達は爵位をもらう。罠にはめられているぞ法務官。亡命するならば今だ!!でも入国拒否はどうしよう・・・・・・・・・・
仕事は無事終わる。金にはならなかったが現物で手に入れたからトントンか・・・・・・・
否、あんな伝説級冗談魔具に金を出すなんて好事家がいるのだろうか?
金貨10枚あれば孤児娘達や補佐見習の給与を払えるから良いけど・・・・・・・・・
「賢者の旦那、いいんかい?こんな大金。」
「賢者様・・・・・・・・・こんな大金見たことがありません。」
「何に使おうかな?孤児院の皆の為に美味しいものを買うのは当然としてあの端切れ屋でリボン買占めできるわ。」
「それよりも綺麗な服を買って・・・・・・・・・」
「美味しいもの食べ歩きかな・・・・・・・・・・」
「きゃー、食べまくるぞ!!」
「・・・・・・・・・・・・・花嫁の持参金。足りるかな?」
一部、問題のある発言があるが喜んでもらえて何より・・・・・・・・
銀貨十数枚あれば下流の家庭で二月ほど過ごせるはず・・・・・・・・・
なんせ私は貴族だから下々の生活にかかる金子なぞわからないのだよ。
「だんな、世間知らずが自慢にならないって・・・・・・・・」
「そうか?とある聖者は生家が下働きや奴隷にさえ十分に食わせて肥太っていた事を自慢していたぞ。」
「御主人様の下に居る者たちは古の聖者ほどではないにしろ、食は満ち足りていますし教育も叩き込まれていますから勝っていますわ。」
そんな問題ではないが・・・・・・・・・・
「ところで、賢者の旦那。おれの分だけ大分多いのだが・・・・・・・・」
「それはな、補佐見習お前や傷跡娘は私の眷属、それに喧嘩売って負けたのは結構裕福な一門。その口止め料に多少貰ったからそれをお前に口止め料として加味しただけだ。あの喧嘩の事は口に出してはダメだぞ。」
「判った、あのことは未だに思い出しても腸が煮えくり返る!口に出したくもない!!」
「・・・・・・・・・・・私にも入っている・・・・・・・・これも口止め料?」
「そうだな、ちなみにあの後釜貴族は引きこもっているらしいぞ・・・・・・・・・・潰すならば手を貸すが!!」
私自身も弟子や義娘を馬鹿にされて怒りを感じているのだが・・・・・・・・・表に出す積りはない。
私の怒りは古い時代の滓、次の時代に生きる子供達には背負わせるわけにはいかないものだ。
「賢者の旦那、否、師匠と呼ぶべきか?おれはあの糞野郎に費やすならば仕事をしておれのような、いや、傷跡娘のような餓鬼を増やさない方向でいきたい。母さんが命を削っておれを育ててくれたのに馬鹿にする世界を変えたい!!」
「・・・・・・・・・・・・馬鹿野郎が、生意気ほざくな!! 王でも狙うか?」
「王なんてならない、王様の網なんてザルだし(笑)」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私はついていく・・・・・・・・・・・・・・断っても無駄・・・・・・・・・・」
「本気の馬鹿共が、潰れないためにも色々叩き込むぞ!私でも危ないのだから私以上を目指してもらう。」
「うげっ・・・・・・・・・」
あっ、心折れたかな?
それでも手加減はしないけどな・・・・・・・・・ 折れた鋼も鍛えなおして後の聖剣になった例もあるしな。
補佐見習が一家構えるときの力にでもなるかな。
家旗に【零れ落ちたものを拾い上げる手となりたい、王族はザルだから】とか盛大に刺繍したりして・・・・・・・・
「だんな、それは王族に喧嘩売っているから・・・・・・・・」
「おっと、先の話に気合入れすぎた。」
「ところで私達はこれからどうなるのですか?」
孤児娘の一人が質問する・・・・・・・・・・・
「取敢えずは市場でもいって遊ぼうではないか。働きたいのならば口を利くし、学びたいのならば孤児院にいればよい。私の従者は間に合っているが、王国の官僚補佐や他領の会計担当ならば十分に任せられるだけの力量はあるからどこにいっても重宝されるはずだ。」
「うん、賢者様市場で色々買いたいものがあるんです。初めての給金だし思い切り使いまくるわ!!」
「程々にして置けよ・・・・・・・・・・・」
ちょいと反動が怖い気もしないでもないが、皆を引き連れ市場に行くのであった・・・・・・・・・・・
いつも見るけど雑多な市場だな・・・・・・・・・・・
生きた鶏が首を切られている場面を見て若干引きながら市場を歩く。
首を切られた鶏は逆さづりにされて血を抜かれる。血も器に集められて後で腸詰めとかの材料にされるのだろう。
「御主人様、煮込み料理の味付けにとか固めて前菜に使われる事もありますよ・・・・・・・・」
色々な食べ方があるものだ、孤児姉は食べた事があるのか?
「はい、自由戦士さんに教えられて食べてみましたけど中々美味でした。」
「今度自由戦士に作ってもらうかな・・・・・・・・・」
「いえ、私も作れますので機会があればご馳走したいと思います。」
「期待しているぞ。」
孤児姉はいい笑顔で「はいっ!」と返事をする。愛い奴だ・・・・・・・・・
いつかは飛び立たせるために手放せばならないと思うと惜しく思う・・・・・・・・・・・・
「でも賢者様、貴方様が一言言えば孤児姉は一生ついてくると思いますが?」
「馬鹿言ったらいけないよ、孤児娘。孤児姉は自分で飛べる翼を持っているんだ、それを手折って留め置く事は私の美意識が許さない。君達もだぞ、力と翼を経て世界に飛び立つ事に私は祝福こそすれ厭う事はない!!幸いと思う道があればドンドン飛び立ちなさい!!現に補佐見習は私という止まり木を飛び立って自分の旅路を行こうとしているではないか・・・・・・・・・・・・」
「残される賢者様が寂しいですね。」
「いや、私は自力で飛び立つ君達を誇りに思っているよ。」
「嘘つき!」
「・・・・・・・・・・・・・寂しいと思っても私の時間は有限だ。永久には足りない時間なぞ耐えられないわけないだろう。」
「「「意地っ張り」」」
「可愛い子供達のためならば、意地も張ろうし世界全てに嘯こう。」
孤児娘や孤児姉弟が抱きついてくる・・・・・・・・・・愛い奴等だ・・・・・・・・
全てを抱きとめるには二本の手では足りないのが悔しい・・・・・・・・・・・・
代わりに順番に頭をなでてやるくらいしか出来ない・・・・・・・・・・・・
無駄にしんみりしてしまったな・・・・・・・・・・まだまだ先の話なのに気にすることないのに・・・・・・・・
「市場で遊び倒すぞ!!」
「「「「はいっ!」」」」」
そうして、市場で買い物を楽しんでいる我等主従に次々と官僚共が合流してくる・・・・・・・・・・・・・
私が最終日だから仕事の打ち上げを兼ねて呑み歩く事をたくらんでいるのが目に見えて判る。
大方私の下賜された金貨を狙って・・・・・・
「だいじょうぶ、財務長が予算組んでくれたから・・・・・・・・・・・思い切り上機嫌で・・・・・・・・・・」
ああ、王妃ぶちのめして機嫌がいいのだな・・・・・・・・・・あれだけ暴れればすっきりするだろう・・・・・・・
後で売りつけてみるかな神秘緋金属張扇。
「その時は財務長の個人的支出で頼むよ。予算捻出は面倒だから・・・・・・・・・」
判っているよ財務官。
どこを占拠しようかな?
「旦那方、店を占拠して営業妨害する前提の話はやめてあげてよ!!」
補佐見習の話は誰も聞いていなかったのは言うまでもない・・・・・・・・・・・・・
ちょうど良いところに補佐見習の母君である小売夫人がいるではないか・・・・・・・・・・
借り受ける事出来ないか聞いてみよう・・・・・・・・・・(ほぼ決定事項)
次は酒盛りになる予定です・・・・・・・・・・
勿論下品成分増量で・・・・・・・いきたいですねぇ・・・・・
包丁研いでいたらノリノリになりすぎた。