私塾と教本
あらすじ 法務官は(元)法務官にランクダウンした。孤児院で居候だ。
そして農園公の男性陣の明日はどっちだ。どうせ尻にしかれるのが落ちなのだろうが・・・・・・・・・・
多少の下品成分やらヤオイ蔑視発言がありますが気なる方は回れ右してドナスィヤン・アルフォーンス・フランスワ・ド・サドの著作でも読んでいなさい!!
平穏は良いなぁ・・・・・・・・・・・
生活のほうは今まで貯めてきた物に合わせて、方々に出資した物の利子で贅沢しなければ十分やっていけるし・・・・・・・
「ご主人様、いくらお金がありましても孤児院のために使われたらあまり残らないと思うのですが・・・・・・・・・」
「孤児院にいれば食費には困らないし、自分の住環境に気を配るのに金を惜しんじゃいけないだろう。孤児院はついでだよ・・・・・・・・・孤児姉弟にも給金払っていなかったから少しで悪いが渡しておこう。」
「銀貨!!こんなには要りません!!」
「もっときなって、たまには綺麗な服を買ったりおいしいものを食べたり自分のために使うのも社会勉強だ。」
「あ、ありがとうございます。」
可愛いものだな・・・・・・・・
「だんな、おいらにもこんなにいいのかい?」
「構わんよ、君たちが扱った書類仕事は普通貴族官僚が半日がかりでやるものだ。それを手伝ったんだから寧ろ少ないくらいだ。財務官が君たちの事を引き抜きたがっていたぞ。うまくすれば下級とはいえ貴族の仲間入りすることも可能だがどうする?」
「おいらはあいつらに関わりたくない。何か身の立つ方法見つかるまでだんなに従うよ。」
「私の主とするのはご主人様一人だけですので・・・・・・・・・・ それで稼いで養えというのであれば従いますが・・・・・・・・・・」
だめか(苦笑)
まぁ、彼らの人生だ。私という宿木に立ち止まって飛び立つ練習をしているところだしあせることは無いか・・・・・・・・・・
この短い間で彼ら姉弟が生活の一部になっている自分に苦笑する。手放すのが勿体無いとか寂しいとか思うのはあるがどんな未来に進むのか見てみるのも楽しみである。
しばらくは私がこき使うから覚悟するがよい。
孤児達に読み書きを教えているのを知った近隣の住人がうちの子達にも文字を教えてくれとか言ってくるので、ついでに教える事にする。親世代で文字の判らない者も居るから子供には文盲で苦労させたくないなという親心が見える。近隣の商店や工房に奉公している見習い達も親方衆が自分で教えるよりも元とはいえ貴族様に教えてもらえるならと便乗しているのには苦笑を隠すことが出来ない。
一応、教えるのだから少ない金額だけど受講料をとることにする。これは手伝いをしている孤児姉弟やなんかの給金代わりになるのだが殆ど御奉仕状態だ。
大体二三日に一度講義をする。一月位すれば文字を覚えるので本を読ませたりするのだが、自宅から持ってきて書写をさせる。(本が無い家庭には孤児院の書物を貸し与える)本のある半数の家庭は御伽噺とか問題の無い話なのだが、残りが問題であった。子供たちに持たせる本が如何して過激な恋愛小説や春画集、挙句の果てには王妹殿下謹製宰相国王本を持ち込んだ馬鹿が居る。これらの本を持ち込んだ者の保護者は即効で呼び出して説教をする。子供が勝手に持ち出したとかいうのが大半だが後で正当な持ち主が家族会議で最終審判になっても私は知らない。
通う子供達に聞いてみると
「お兄ちゃんの寝台の下に隠してあったからもって来た。」
「親方のコレクションを拝借したんだけど・・・・・・・・・・・」
「お姉ちゃんがお城で侍女をしていて王妹殿下から下賜された物なんだけど、お姉ちゃんがこれで布教しなさいって私にくれたの・・・・・・・」
君達、家族や親方の物とはいえ無断で持っていくのはいけないよ。後、最後の侍女妹。君のお姉さんの本はご禁制の品だから速攻燃やすのが良いよ。見つかったら家族ごと酷い目に合わされるからね・・・・・・・・・・・
「はい、(元)法務官様!」
王族と関わりたくないのに・・・・・・・・・・・・よりによって、この王妹殿下の書籍にぶち当たるとは・・・・・・・・
不幸だ・・・・・・・・・
「だんな、諦めたほうがよいのでは?」
折角、折角・・・・・・・・・・・・不敬罪とか|実在人物書籍化保護法《勝手にモデルにするんじゃない》を制定していたのに宰相閣下、諜報の長あなたたちは何をしていたのです・・・・・・・・・・・ 王宮の警備はザルだった・・・・・・・・・・・
これが民草にまで広がったら、ましてや他国にまで広がったら・・・・・・・・・・・・・・世界は終わりだ!
「(元)法務官様、お姉ちゃんが言うには魔王国の雷竜の姫君とか聖徒王国の第一侯爵令嬢とか南方商連合の香料商会の三女とか色々、本を作ったり手紙やなんかで語り合ったりしている見たいらしいよ。時々会うと”かっぷりんぐ”とかで激しく論争したりしてるみたいだよ。ねぇ、”かっぷりんぐ”って何のことだろう?」
「それは知らないほうがよい知識だ。深入りすると二度と戻って来れなくなるから気をつけような。」
世界は終わった・・・・・・・・・・・ 芸術神よ文芸神よ!貴女方は何をしておられるのですか!
このような、戯言を文学として芸術として広めようとしている冒涜者を何故見過ごすのですか!!
だって、わらわも楽しみにしているし(by芸術神)
異世界人呼び寄せたの私だし・・・・・・・・・あたりだったわ。(by文芸神)
神までも腐っていたのか・・・・・・・・・・・自重しろ文芸神!!
一緒にしないで欲しい(by決闘神他男性神一同)
犠牲にされる身にもなってくれ(by剣神他ネタにされた神々)
そのうち神々の最終戦争が起きるのではないか?
これは幻聴だよね。幻聴だといってくれ!!お願いだから・・・・・・・・・・・
「ご主人様、戻ってきてください!」
はっ、私は何を・・・・・・・・・ 取り合えず、書写する教本をこっちで用意したほうがよいのか
【法律の黒歴史:法の成立裏話】【暗黒屍骸魔道書】【やさしい毒草辞典】【礼法入門書:荒野の民偏】【軍隊式指導教本:罵倒編】等々・・・・・・・・・・・・・これだけあれば足りるか・・・・・・・・
「だんな、エロ本よりやばいのがちらほらあるのだが・・・・・・・・・・」
「気のせいだろう。」
「(元)法務官様!! もっと御伽噺とかにしてください!!禁書扱いのものも幾つかあるじゃないですか!!」
「知識はよいぞ。腹を膨らす手伝いにもなるし頭を満たしてくれる、更に奪われる心配も無いのだからな。」
「だからって黒知識を子供にいきなり教えないでください!!」
院長、頭が固いな・・・・・・・・・・
「ただでさえ、濃い者が集まって子供の教育に悪そうな雰囲気になっているのにどこに突き進むつもりですか!!」
「せいぜい私を超えてもらいたいという師としてのささやかな贈り物だよ!!」
「どこがささやかな贈り物ですか! 劇薬でしょうに!!建国の御伽噺とかなら良いじゃないですか!略本とかが安価で流通してますし。」
「私が誰だか知っていっているのか?先祖の黒歴史を美化された状態で聞かされるのは拷問だぞ!」
「はははっ、そっちの理由でしたか(元)法務官様。恥ずかしがることも無いですのに・・・・・・・・」
「うるさい!!」
結局読み書き用の教本は風神教団の神話集を荒野の民に用意してもらって使用することとなる。
文芸神とか芸術神は専門用語とか多いし決闘神等の戦闘神関連は血なまぐさすぎる。性愛神はエロ本だし冥界神殿は裁きの場面で血みどろだ拷問だと子供に読ませられない・・・・・・・・・・・・結局無難な自然神からの神話集になるのである。
「その割にはご主人様が用意した書物もえげつないもの多かった気がしますが?」
「気のせいだよ。」
平穏は良いねぇ・・・・・・・
子供達に教鞭を振るいながら、握拳なき教えを心がけようとする私は私塾の講師として過ごすのであった。
鍛錬とか専門的な分野は私兵達にお願いするか。
話が進んでいない・・・・・・・・・・・
酒を飲んでいないから体がだるい