私塾と糞餓鬼
あらすじ (元)法務官は私塾の講師だぞ
私塾の講師というのは中々新鮮である。
子供というものの発想とか疑問というものが私という唯一視点しか持たない存在からして異質であり驚きに満ちている。
「如何して異世界人は呼ばれるの?」
「神様の一柱がね世界にこれが足りないと思ったら呼び寄せるという説もあるし、間違って世界から零れ落ちてこっちに漂流するという説もある。さらには異世界の知識を持ったまま転生するものも居る。」
「神様が呼ぶにしたら異世界人の影響って問題児ばかりだよね。神様って馬鹿なの?」
「馬鹿というよりも私たちのことを考えていないだけじゃないのかな?」
「神様って守ってくれないの?」
「気に入ったのは守るみたいだけど一人ひとりは見守らないだろうね。」
「どうして?」
「神様は国とか民族とか種族といったくくりでは滅んだり理不尽をしないように守るけど個人個人はどっちでも良いのでは?人間だけの神様じゃないしね。」
「じゃあ、神様に祈っても意味ないのかな?」
「礼儀として祈っておけば良いよ。何か適うと思うのは間違いかもしれないけど・・・・・・・・・」
うわぁ、神学論争になりそうなやり取りだなぁ・・・・・後で神官連中に聞いてみよう。
やめて、ササゲモノガ減る(byとある神々の一柱)
「如何してやりかけのまま残すのは駄目なの?」
「後からやり直そうとすると余計に手間が掛かるからだよ。」
「貴族って如何して貴族なの?」
「ただ、略奪者の子孫として生まれついただけなんだよ。それに取り入って略奪者の仲間入りをして富み栄える・・・・・・・・・・・・・」
「赤ちゃんってどうやって出来るの?
「それはねそこの女衆に聞きな、ついでに彼女の相手として農園公の若衆を指名すると実演してくれるかもよ。」
「しません!!」
色々問題のあるやり取りは多少あるが、それはそれで楽しいものだ。
文字を覚えて本を読んで自分で知識を増やしながら疑問点をきいてくる。その繰り返しで成長していく。
質問は人文、理学、神学と広範囲にわたるが出来るだけ答えるようにしておく。
「でも、だんな子供の質問なんて色々難しい割には子ども自身が理解しないんじゃないか?」
「馬鹿言っちゃいけないよ。子供というのは物を知らないだけで馬鹿じゃない。道筋をつけて教えていけばたどり着くものだ。お前にも覚えがあるだろう、なんにでも疑問を感じたころを。それに対して答えてあげるのは大人の義務だよ。私もそうやって大人になったのだし、この子達には聞く大人が私しか居ない。それだけだろう・・・・・・・・・・・・・」
「ふーん、だんなって意外と律儀なんだね。」
「ふっ!」
そんなこんなしているうちにも色々な子供達が教わりにくる。
ある餓鬼なんかは貴族の家柄らしいのだが、家柄をひけらかせて孤児なんて云々とかほざいているものだから貴族として力量はあるのだろうなと私は静かに問いかけて糞餓鬼がうんと言うものだから貴族にふさわしい量と質の学習をさせてみた。一時間後、泣いている餓鬼を叱りつけながら更に進める。8時間後、親が迎えに来たが貴族らしい学習速度でなかったから一晩預かりますと更にビシバシ教え込む。明け方、私の幼少時代の三分の一しか出来ていないのだが泣きが入って物にならないと判断した私はこの糞餓鬼を家に帰す。
親が王宮伯だから子供であっても私(元王宮男爵)並みの知識量とか期待したのだが・・・・・・・・・・・・・・・・
駄目だったか・・・・・・・・・・・・
親である王宮伯は怒鳴り込んだが、私と同程度出来ないのだったら貴族として絶望的だからといったらといったら糞餓鬼を置いていって死んでもいいから仕込めという。
まぁ、座学ばかりでつまらんだろうから、私兵達に頼んで稽古をつけてもらう。
死んでもよいというお許しが出たし、死ぬ寸前まで追い込んでみるのも宜しかろう・・・・・・・・
「(元)法務官様無茶が過ぎます・・・・・・・・・(汗」
そうか?
ならば、書物の要約程度で許すか・・・・・・・・
この本を4日で要約してもってこい。宿題だ!!
餓鬼は許されるのがうれしくて約束をして逃げていく・・・・・・・・・・・・
4日後、私が私兵達をつれて宿題を取りに行くと寝台の下で隠れて震えている糞があった。
親も怯えているが気にしちゃいけない、師弟の交わりを捨てるか今から不眠不休でやるか聞くと師弟の交わりを捨てるほうを選ぶ。根性のない餓鬼だ!
「いえいえ、いじめ過ぎでしょう。」
「いじめてないよ、貴族たらんとしない餓鬼に貴族と名乗られるとムカついただけだ!!」
「うわぁ、大人気ない。」




