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5話 ギルド

スライムの布で洋服を作りそのまま寝た翌日。


意外と寝心地は良くスライムの服もちょうど良い冷たさで快適だった。


ただこのパーカーは目立ちやすいし昨日作っておいた布で新しく服を作ろう。


でもあまり紛れすぎるのも良くない気がする、人違いとかされたら嫌だし。


それなら少し通行人の服装を見ながら変形させていこうかな。


そうして小一時間通行人の服を観察して作り上げたのだが…どっからどう見てもコートだよなこれ?


着てみると後ろが腰あたりまで来ており横腹あたりにポケットがついている、俺の世界のコートじゃんこれ。


でも通行人を見るとそこまで違和感はなさそうだ、中の服も作っておくか流石にコート脱いだら全裸ってのはね…


しかし中の服は少しこだわり黒に近いグレーにしてみたところコートのチャックを開け羽織る形にするとなかなかに似合っていた個人的にはまあまあ良いチョイスだと思う。


まぁまた布を使い切っちゃったから新しく作らなきゃいけなくはなったんだけど…下着と上はできたからあとは下を…今履いてるのでいっか、あとは洗濯をするところも決めなきゃ行けない訳か宿屋で色々と出来るみたいだし石鹸とか手に入ったらやってみるか。


昨日は疲れていたからか汗だくの服をそのままアイテムボックスに入れてしまった。


時間は停止されているらしく加えてそれぞれで分かれている為そこまで気にする必要はないのだが個人的に嫌なので早いところ入手したい。


っと取り敢えずそれは置いておいてドロップ品をギルドに売りに行くか。


作った洋服とコートを着て宿屋を出るただ少し宿屋の店主から驚いたような目で見られたが何処か変だったのだろうか?次の日に服が変わってるなんて普通にあり得そうなのに。


ギルドに向かっている最中でも通行人にも驚いた顔をされた、ちょっとこれは失敗か?


そんな事を考え歩いているとギルドに着いた中に入ると受付嬢にも驚いた顔をされた…流石にそろそろ聞くか。


「あの…さっきからずっと驚いた顔をされるんですけど何か変ですか?」


そう聞くと受付嬢に少し慌てて弁解された。


「いえ!別にそういう訳ではありませんそんな色の服はとても珍しいのでつい!」


「な…成程」


確かに通行人に黒色の服を着ている人は殆どいなかったいたとしてもなんかお付きみたいな人が数人いた…って事は貴族の人にのみ許された服装とか!?不敬罪で処罰されないかな。


「念の為言っておきますが、黒色は貴族のみではないのでご安心を」


この人俺の思考を覗き見してるのか…?まぁ一番聞きたかった所だから良かったけど。


「では何故貴族の人達に多いんですか?」


「それはまずそもそも黒色の染料が少ないのとスライムの布から作るとしても魔力濃度が高くならなければいけないので財力に余裕がある貴族だけしか手に入れられない為貴族に多くなるんですね、所で今着ている服はどこで購入したんですか?染料を使っても中々この色は出ません」


…どうしようスライム布から作ったって言って良い情報なのか?でもスライム布に加工した方が価値は高くなるだろうし…内密にする事を約束させた上でなら話しても大丈夫か。


「この件は内密にしてください」


囁き声でこの言葉を言う。


これは冒険者が受付の人間にこの言葉を言った場合言われたギルドはその情報を流出させてはならないもし流出した場合ギルドには罰則ペナルティが与えられる。


「…了解致しましたでは要件はなんでしょうか?」


仕事に切り替わった時の人って結構圧があるもんだな。


「これは私が作ったスライム布から加工した服で魔力を込めるだけで簡単に形を変形させられる為便利だとは思います、今出しますので鑑定をお願いします」


そう言ってアイテムボックスからスライム布を取り出す、僕の鑑定スキルは対象の能力や種族名を見るためのもので流石に価値までは表示されない、だからギルド等で鑑定してもらい必要があったのだ。


そうして受付嬢の前にスライム布を出すとそれを見るや否やすぐに別の人を呼びに行ってしまった。


すると上司のような人が出てきて「なんだ?そんな高品質のスライム布がある訳…って本当にあるのかよぉ!?」


なんか面白い人だな、筋骨隆々としていて第一印象は冒険者の選定とかをしてそうな感じの人だそんな人がオーバーリアクションを取るとちょっとギャップで余計面白い。


笑いを堪えようとして唇を噛んだり手をつねったりしていると「後ろの部屋にきてください」と案内された。


まだ笑いが収まりそうにないから勘弁して欲しいんだけどさっきの声で他の冒険者が興味を持ち始めこっちに来てしまった為自ずと行かなきゃいけない訳か。


そうして奥の部屋に入るとそこには高価そうなソファが二つ置いてあった座るように促されたので座ると思っていたよりも柔らかく少し驚いた。


「さて、本題ですが先程のスライム布かなり高品質でした、一枚銀貨10枚ほどでどうでしょうか!」


マジかあの序盤のモンスター代表格のスライムから作った布が宿屋宿泊分2日になるとは…ってそんな高くもないのか


「後六枚と高純度の方から作れる布が五枚あるんですけどどれぐらいの値段になりますかね…」


話しながらクラフティングテーブルを使って布を作る意外と情報が多くなるけど問題ない。


そうしてまたアイテムボックスから取り出すと上司の人が少しの間口を開けたまま呆然としていた。


「ちょっと待ってください、これも追加でって事ですよね…買取金額は金貨一枚と銀貨50枚程で良いでしょうか?」


金貨が一枚…スライムから作ったものだからかなり得をしている気分だ。


「はい、それでお願いします」


「では持ってきます」


そうして布を持って立ち上がって少し歩いてから「あ、そうそう」と何かを思い出したように戻ってきた。


「私の名前はリグルですので何か相談があるときは受付嬢に名前を言ってから要件を言ってくださいなるべく早く対応しますので」


「分かりました」


これは言葉の意味だけでは気さくな人のように聞こえるが本当の所は良い物を仕入れてくれる物を繋ぎ止めておきたいと思うのは自然だ、ギルドとは言っても競合は多い他のギルドに取られるくらいなら自分のところに縫い付けておくのが賢明だろう。


まぁ俺にとってはそこまで困る事でもないので聞いておく。


そうして金額と銀貨が入った袋をアイテムボックスに入れ教えてもらったダンジョンに向かう為武器の新調をしようと街を歩き始めた。

読んで頂きありがとうございました!少しでも面白い!続きが読みたいと思ったらブックマークと感想、星をたくさんつけてもらえるとモチベーションになりますのでお願いします。

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