37話 料理再現
「ルア様この書類に判子お願いします」
「ああ分かった」
アリスさんが帰ってから次の日、ルーシー達は早速溜まっていた館の書類の山を片付け始めてくれた。
それに俺に回ってくる書類は全部判子を押した方が良い書類だけ…。
流石アリスさんが選んだ侍女というべきなのか、その能力が末恐ろしい。
「ルア様、ヨルさん達が何か報告しておきたいことがあるようで」
え、何かあったのかな?最近は、領民や畑に関して関わってなかったし申し訳ないなぁ。
「分かった、この書類が終わった後時間を取ると伝えて欲しい」
「了解致しました」
うーんでもこのまま書類が来るのを待つだけというのもやっぱり時間を無駄にしている気がする。
一応家の方針で少しはこういう経営の仕方は学んではいるわけだし、少し見てみようかな。
そうして席を立ちエマとジュリアが運び込んだ書類に目を通す。
あ、そんなに難しく無いなこれ、本当に分からないのはルーシー達に任せるとして僕もやってみるか。
そうして書類の山からいくつか書類を手に取りその場で目を通して始める。
「ルア様!?」
「そ…それは私達がやるので座っててください!」
と慌てて伝えてきたが今回は無視してしまおう、そう難しい物ばかりじゃ無いしね。
「ふー、やっと終わった」
あれから小一時間で書類の山は片付けれてしまった。
予想はしてきたが縁談の書類も結構多かったな、ただ疑問なのがジーニーさんがかなりテンションの高い手紙を送ってきていたこと、あの人こんな性格だったか?
「ルア様、ヨルさん達呼んできましょうか?」
椅子の背もたれに寄りかかり天井を見ているとルーシーが俺の顔を覗き込んできた。
「お願いしようかな、ルーシー」
「了解致しました」
しかしこう見るとルーシーはかなり恐怖は消えたみたいだし、エマはまだちょっと壁があるけどこれから無くなっていくと思う。
でもジュリアに関しては、未だ俺の事を怖がっているのか緊張しているのか少し怯えている。
昨日楽器の話の時は目を輝かせいたから、心の底から怖がってる訳じゃ無いと思いたい。
「ルア様、時間を作っていただきありがとうございます」
ルーシーがヨルを連れてこの部屋に入ってきた。
「いや、問題ないそれで報告というのは?」
「まず畑についての報告です、作物は順調に全て育っております、このままいけば大量に収穫できるかと。
そして人々の健康状態もルア様の助言のお陰で順調に回復しまだ少々懸念が残りますが皆回復いたしました。
そしてルア様が欲しいと考えていた狩猟部隊に関しては多くの獣人の人々が立候補したお陰で安定して魔獣を狩れています。」
成程成程、良かった…最近触れてなかったから、これで悪化してたら合わせる顔がない。
「しかし、最近魔力嵐の兆候が出始めています、このままだと魔法の使用が制限されるかと」
魔力嵐?何だそれ。
こういう時の阿頼耶識だよね。
えーっと、あ、有った有った。
成程、一時的に魔法が使用困難になるのと、魔力に強く順応した人々の魔力バランスみたいのが崩れるみたいだ。
この世界において魔力嵐というのはこちらの世界でいう突風程度の物のようでそこまで危惧するものではないらしい。
「魔力嵐に対する対抗策などをヨル達は持っているのか?」
「念の為魔法を使わずとも生活できるように貯蓄をして乗り切っていました」
「ん?それだったら、わざわざ報告しなくても良かったような気がするんだが…」
「すみません、ルア様が魔法を使う時に不具合が起きてしまわないよう、事前にお伝えしようと思ったのですが…」
「成程、分かった対策を取っておくよ」
「了解致しました、では私はこれで」
そうしてヨルはすぐに領民の管理に戻った。
しかし魔法の使用が制限される…暁とか影月はどうなんだろう、あれって魔法ってよりも妖術とかその類な気がする。
とりあえず今すぐに起きるわけじゃないし、直ぐに試す程じゃないだろうな。
さて、書類の山は片付け終わったし最近俺魔物の肉を使って無かったし、ルーシー達も居るわけだし何か自分の得意料理でも振る舞おうかな。
まだあいつの肉は…よし残ってる。
この前買った野菜は残ってるし…小麦粉もある。
少し手間は掛かるが、お好み焼き擬きみたいのを作ってみるか!
あ、でもソースどうしよ。
ウスターソースでの代用品は作れるけど、肝心のウスターソースが無いな。
とりあえず材料はあるし、紙に書いてルーシー達に手伝ってもらおうかな。
とりあえず…今頼めそうなのは、Wow、ジュリアぐらいしかいねぇ。
いや、嫌じゃ無いんだけどあんな感じに怯えられている人に頼むのは。
でもしょうがない。
昼時やっぱり久しぶりにお好み焼き食べたくなったし、ジュリアに嫌われているわけでは無いだろうからとりあえず頼めば大丈夫なはず…。
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「そ…それでルア様、私は何をすれば良いのでしょうか?」
普通に引き受けてくれた。
まぁ引き受けてくれないと、辛かったから良かったけどね。
とりあえず紙に手順を、ってそういや結構手順面倒なんだった。
でもこんな感じで、料理本的な感じで残してもいいかも。
まぁどうせ他の専門職の人が無双するんだろうけどね!
あ、字間違えた。
そんなこんなでなんとか最後の手順まで書き終わった、俺はジュリアにそのレシピと材料を渡し俺はお好み焼きの生地を作り始める。
ジュリアはそのレシピを見て驚いたような表情をしていた。
まだそれ系統の人が来てきないんだろうか。
小麦粉と水、そして卵を入れてかき混ぜる。
本当はここに鰹出汁とか入れれたら下味がついて美味しかったんだけど、それは鰹がないもんで多分かなり後に叶うんだろうな。
粗い千切りにしたキャベツ、食べやすい大きさに切った肉を加えて、フライパンに油を引いて弱火で温めて生地を丸く入れて片面ずつ焼く。
ウスターソースはまだ時間かかりそうだし、俺は他に何かできる事は…。
あ!砂糖作ってなかった!
なんで作った気になってたんだ、めちゃくちゃ砂糖作るの面倒なのに!
もういいやズルしよっと。
創造者を使って事前に入手していたサトウキビ?みたいな植物から成分を抽出して、無理矢理結晶化させて…不純物を取り除いて、そこからまた成分を抽出、結晶化すれば無理矢理作った砂糖の完成だ。
なんか結構作れたな。
ケチャップに関しては何故か売っていた。本当になんで?
「ル、ルア様!出来ました」
「ん?ああ、ありがとう」
そうしてジュリアが作ったウスターソースに目を向ける。
わーお、紙に書いただけなのに凄い上手、ズル。
「これ、才能か?」
「え!?ルア様何言ってるんですか!?」
あ、声に出てた。やっちまった。
「ごめん、つい」
「いや!頭下げないでください!」
「あ、うん」
……気まずい。
「ふっふふ」
あ、ジュリア笑い堪えてる。良かった引かれたとかじゃなくて、
「もーう、ジュリア笑わないでよ…」
「す…すいません、ちょっと面白くて」
でも良かった良かった、緊張しっぱなしだったこの子が笑えたんだもの。
このまま距離を近づけていければ上々だ。
そうしてジュリアが作ったウスターソースにケチャップと砂糖を3:3:1程度の割合で混ぜて味見をしてみる。
うん、なんか限りなくお好み焼きソースに近いパチモン感。
「ジュリア、味見してみる?」
「は、はい!させていただきます!」
するとジュリアはこのソースを口に含んだ瞬間顔が綻んだ。
良かった、口にあったみたいだ。
後はこの前実験で使ってみたマヨネーズと、このソースをつけてお好み焼き完成だ!
そして扉の奥でこっそり見ているルーシーとエマを部屋に入れ、みんなでお昼ご飯にした。
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