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19話 戦闘後

ご感想をいただいてしまいました! どうぞお気軽に!


あと、350ポイント超えましたね。ありがとうございます。

 初の対人戦闘、それも対集団戦闘は無事に終えられました。


 盗賊の構成としては六人の遠距離援護をする魔術師に、敵の攻撃を受け止める盾役八人。様々な得物で近距離戦闘をこなす攻撃手が十人。そして魔術師が詠唱をしている間に切れ目のない援護射撃をする弓手。

 盗賊としてはえらくまとまった構成をしているとルーラさんもお墨付きです。


 しかし、私とルーラさんの相手にはなりませんでした。

 まず、ルーラさんが負けません。盾役を躱して切り込んで陣形を崩し、そして舞うように攻撃も躱して切り刻む。『剣爛姫』の二つ名通り、血飛沫が飛んでいました。


 話が逸れてしまいましたが、私の方も問題はありませんでした。

 乱戦になり、魔術による強力な火力支援が使えなくなった敵魔術師達は、狙いをこちらに定めてきました。しかし飛来する各属性の魔術は撃墜させましたし、時折抜けてしまうものも【ブラーゼ】で防ぎました。

 余裕があり、ルーラさんへの支援攻撃をしたくらいです。


 こうして幕を閉じた対盗賊戦。とりあえず縄で縛り、私が動けないかつ死なない程度まで回復させました。


「お疲れツキヨ。顔色悪いけど大丈夫?」

「初めて人が死にかけるのを見たので。ですがもう大丈夫です」


 幸いなことに血肉の飛ぶ瞬間は距離もあったので幾分か軽くすみました。これからは、こういったことに慣れる必要もあるのでしょう。


「まあ、慣れないに越したことはないけど。無理はしちゃ駄目だからね」

「はい」


 優しく背中をさすってくれるルーラさんにお礼を言いました。さて、落ち着いたところで状況を確認しておきましょう。

 ルーラさんは早速盗賊達の武器を手に取り、そしてため息を吐きました。


「この盗賊団、やっぱり元冒険者だろうね」

「そう、なのですか?」

「そう。剣も槍も、武器は元は上等なもの。ただ手入れが雑だから今じゃ鈍ってところね」

「私は武器の良し悪しはわかりませんので、なんとも」

「それに、普通の魔術師が魔術の安定のために使う杖もあるし」

「……私は必要ありませんから」

「それがおかしいって気が付かないの?」


 私だって、杖の存在くらいは知っていました。書物庫の本にも、魔術式の安定化を図り魔術師の補助をするものだと書いてありましたから。

 ですが、杖を望める状態にありませんでしたし、なによりも杖という余計なものを介する必要が私にはなかったのです。そもそも私は魔術式を転写するだけですから。


 それに、杖を用いない魔術師が少なくないわけではありません。実際、王城でも宮廷魔術師さんは杖を使わない人もいましたし、魔導剣士を始めとする併用型の人は杖なんて持っていないのです。


 純粋な魔術師が杖を使わないことが、少しズレていることは認めるところですが。しかし聞くところによると、森人種エルフの方々は使わないそうなのです。


「まあ、ツキヨがおかしいのは今更として、もう一つ理由があるのよ」


 不本意な納得のされ方ですが、否定しようもないので私も無視することにしました。


「もう一つですか?」

「この盗賊団、妙に連携がとれていたからよ」

「その割には直ぐに崩されてましたけど」

「その程度だから冒険者くずれなんだけどね。普通はもっと数にもの言わせて力押ししてくるし」

「そうなのですか」


 たしかに、ルーラさんに敵わないと判断したのも、それから標的は馬車もとい私に切り替えててきた早さはそうなのかもしれない。ただ、圧倒的に個が足りなかったわけですが。


「にしても、どうしようかこれ。多分、冒険者協会でも討伐依頼が出されていると思うんだけど。連れていくには多すぎるしね」

「あ、それなら私に任せてください」


 水属性第四階梯【ヴァッサー・ツヴァング】。水による拘束を施す魔術です。【フェアズィンケン】のように球型の水が対象を包みますが、この魔術はそこから圧殺したりはしません。適度な水圧で身動きを取れなくするだけの魔術です。

 あ、息は出来るように調整してあります。


「これなら、私の任意で動かすことも出来ます。ただ、この人数だど魔力の消費も激しいので、手持ちの魔力回復薬を使います。護衛の方にも手が回らなくなりますし」

「うん、それで行こう」


 善は急げではありませんが、私の魔力が尽きるまでに迷宮都市に着かなくてはいけないので、商人の方には急いでもらいました。

 それからの護衛はルーラさんに任せきりになってしまいました。しかし幸いにも難はなく、無事迷宮都市に着くことが出来ました。門番さんに捕まえた盗賊達を渡し、一応ルーラさんが代表として冒険者証明書を提示して、私はようやく迷宮都市へと足を踏み入れたのです。



 迷宮都市は王都とは違った栄え方をしているようでした。

 人種は様々、年齢も様々。それに、はっきりと言って王都よりも人は多いように思えます。

 建物の継ぎ接ぎは当たり前ですし、雑多な感じが様にはなっています。道も入り組んでいますから、あっという間に迷子になってしまいそうです。


 そして、何よりも冒険者の方とすれ違うことが非常に多いのです。武具防具と立派なものを身につけて、風格も一味違います。


「うーん、この感じ久しぶりね」

「ルーラさんは来たことがあるんですか?」

「あるわよ。前はパーティーも組んでいて、迷宮にも潜ってた」

「そうだったのですか。これからどうしますか?」

「とりあえず冒険者協会に向かいましょ。盗賊達を捕縛した報酬を貰わなくちゃ」

「ですね」


 あれだけの盗賊を連れ捕縛したのですから、相当な報酬が貰える筈です。そうしたら、懐もかなりあったまるでしょう。

 ですから、隣から聞こえてくる鼻歌も、それに乗っている不穏な算段も、悪い笑みも、仕方がないのでしょう。


お読みいただきありがとうございます!

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