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何か言いかけたところで、勢いよく横の扉が開いた。
そこからでてきたのは、行方不明だった女武士だった。
ホッとしたような少々呆れたような表情。美夜は彼女に近づいていった。
「ちょっと困ります。勝手にいなくなられては。」
「失礼した。」
「早く戻りましょう。魁様がお待ちです。」
美夜は女武士を連れて廊下の奥へ行った。
あの少年は魁というのか。
あっそういや。と思い後ろを振り返る。
「クロ。メイナってクロの部屋いったよな。無事なのか?」
「丁度レイが戦闘中の時、ルルが心配らしくて医務室行ったよ」
「そうか」
凪がシオンを背負って横を通り過ぎた。と思ったら足で扉を開けて部屋の中に入っていった。
「俺もルルのとこに行ってくる。クロも来るか?」
「じゃあ僕も」
医務室についた。
扉に手をかける。
瞬間、クロが俺の手の上に手を添えた。
クロの方に向くと首を横に振った。まだ開けちゃダメというように。
「クロだ。」
!?……喋っていいのかそこ。
ガチャっと向こうの扉が開く。
なかにはリーダーがいた。始めにいた部屋、茶室にいきなり来ていきなり去った人。
「さっき揺れおさまったばかりじゃん。だから警戒してたんだよ」とクロが説明してくれた。
なるほど、確かに警戒もするだろうな。怪我人もいるし。
たったった。と軽快な足音が近づいてきて、リーダーの後ろにひょこっと顔を出した。
メイナだ。
「クロ!と、レイ!!
ビックニュース!!ビックニュースだよ!!」
扉が勢いよく開いて二人ともメイナに手を掴まれる。中に吸い込まれるように、手を引っ張られた。
……そこに立っていたのは、ルルだった。
全身包帯で巻かれて、瞳の部分は開いていて、赤い瞳がアクセントのように目立っていた。
義足だった足の方は赤い。恐らく、足の方は血の能力で固めたのだろう。
近づいて、ルルの手をとる。
ルルの手のひらに指文字で、「もう立って大丈夫?」と描いた。
小さな動きだったが首を縦に振っていた。
「よかった」と指文字で描いた。
「護衛という任務は、朱那と美夜に任せる。それ以外には揺れの元凶を潰す任務についてもらう。そこで、ルルも任務にでたいそうだが、どうする?」と、リーダーが言う。
「……」いきなりすぎて言葉が出なかった。でたいとルルが言ったのか?そうだったとしてもだ、病み上がりの彼女を戦場に出すなんて、危険すぎる。
「危険すぎます。ルルは病み上がりです」
「私も、そう思います!」とメイナ。
「そうか」と言ってリーダーが外に出ていく。
扉付近で「今日の夜には、ここを出る。」といって出ていった。
メイナがルルの方に駆け寄る。クロもこちらに来た。
「ほんとに無茶なんてしないでよーいい!?」
ルルがこくりこくりと頷く。少し重心が後ろ向きで会話の圧に押されてる様子。
「戦場で会話が指文字だけとか情報まわんなくて命取りになりかねないし!それに!!……
二人の会話の勢いに、入れそうになかった。
クロはルルの方をみて、俺に視線を戻す。
やはり、呪いが気がかりな様子。
「入れる隙間なさそうだし、一旦出るか。」とクロに言う。
クロはコクリと頷いた。
一旦部屋に向かうことにした。廊下の途中。ふと、
「クロ。そういや今何時だ?」
「今……19時かな」
「って、もう夜じゃん!?」ドキッとしたような感覚が走って、出口の方へ足を向けていた。
「冗談。ほんとは17時」
「焦ったじゃんか」そりゃそうだ。よく考えれば夜にはここを出るって言ってすぐ、夜なわけない。
部屋につく。
中は先程の揺れでごちゃごちゃと散らかっていた。
あはは、そりゃそうか。
「手伝う。」といってクロが部屋に入ってく。
「ありがとう、後でそっちの部屋も手伝うよ。」
部屋の片付けだけで時間を消費して夜が来た。
コンコン。と部屋の扉をノックされる。
「はーい」部屋の扉を開けた。
朱那が立っていた。狐の形の白面を持って。
「瞳、隠さないとでしょ。それにこの組織の一員って分かるようにするためだから。」
「ありがとう」
「クロくんも、緑目だけどつけといてね。組織の証明書みたいなとこあるから。」
じゃ、準備できたら上行ってね。といって朱那は去っていった。
クロの瞳が半分赤く染まる。
「こっちのほうがよかったかな」
「……両方緑でいいよ」
瞳がもとに戻った。
狐の仮面。試しにつけてみる。
始めてだから変な付け心地。
顔にフィットして取れにくそうではあるが……
「クロ、これ変じゃない?」
「うん。滅茶苦茶似合ってる。」
外には既に、凪、シオン、リーダー、メイナがいた。
「お前ら早く来いよ。寒い中いたらさらにシオンの身長が縮むって」と凪。
「は?お前、俺より高いからって調子のんなよ対して変わらない癖に」すかさずシオンが反論。
「勝ってるは勝ってるんだ。現実見ろよ。可哀想に。」
リーダーが二人の肩に手を乗せた。
その瞬間、ピタリと言い争いが止まった。




