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6

なるほど、......この人が依頼者っていうことか。上等な服を身に纏ってる。怪我もしてるし...

...権力絡みの内輪揉めか。事情は聞かないほうがいいやつだな。


「はいっ。できた。」包帯を巻き終わった美夜がそう言う。

「変な匂いがしたり、ズキズキしだしたらまたここに来るんだよ。いいね?」

「分かりました。ありがとうございます」

そう言って、俺のいる扉の方に小走りで近寄る。

「待たせたね。」


……俺か?

そう思った瞬間、横を風が抜けた。

後ろを振り返ると、いつのまにか誰かが立っていた。

背の高いポニーテールをした女性だ。見た感じ武士のように見える。


警戒の眼差しで俺を見つめた後、少年を肩に担ぎあげる。

「ちょっ、我は歩ける。下ろせ!」

「いえ、反抗いたします。」

「歩けるって言ってるだろ!」

そんな会話をしながら廊下の奥へと行った。

随分と暴れてたのに、彼女の手はビクともしなかったな...


「美夜、あの人達が依頼者ってことだよな。」

包帯や保冷剤とかを片付けながら言う。「そうだね。なんか命狙われてるらしいね」

「レイはなんか怪我?」

「いや、依頼内容を聞こうと朱那を探してただけだ。用は済んだし戻るよ。」

「んー。さよならー」雑に手を振りながら、椅子をぐるりと回した。


帰る途中。始めに居た部屋の前を通りかかった。

中から...朱那とあの少年、の声が聞こえてきた。

依頼内容の確認とかか?

「おどろか___きいて_しい。かの___、あ__なんだ。」

「あと_ぎ__そ_で」......

なんて言葉が微かに聞こえてきた。

やっぱり、面倒なやつだ。逃げてるってことは跡を継ぐつもりはないだろうに。

命を狙うなんて、阿呆らしい。

なんてこと考えながら部屋に戻った。


それからしばらくして、やっぱり暇だった。

ベッドでなんとなく、微睡んでいた。

世界が黙ってて......自分が動く音だけが響いていた。

ドンッと隣の部屋から物音が響いてきた。

部屋を飛び出して、隣の部屋の扉を開ける。


暗い部屋の中で、2人の人影がみえた。

「大丈夫です...か」

俺のいる廊下の光が、部屋で反射して光る。2人は刀を持って、にらみ合っていた。

「あ?...」といいながら手前にいる凪が、こっちを振り向く。

奥の人物は流れるように刀を腰にしまった。さっき出会った女武士だ。


凪は女武士の方に向き返して軽くお辞儀をして、俺の方に飛んで来た。

腹に冷たいものを突きつけられる。

...ナイフだ。

「邪魔するなよ。ころすぞ」

殺意は感じないが...まじでやる時はやりそうだな。

「ごめん。物音が聞こえて、何かあったのかな?って」と小声で言う。

「物音?そっちの音じゃなかったのか?」

「え?いや、俺は何も...」

『...え??』

なんとなく、部屋の方に目をやる。

あの、女武士がいない。

と思った矢先、突き上げるような衝撃が走って空中に飛び跳ねた。

部屋の物は一斉に散乱して、照明も千切れそうなほど揺れる。

建物が割れそうなほどの衝撃が続く。

腰のナイフに手を添えて、身構えた。


二つ、三つほど向こうの部屋の扉が開く。メイナだ。何かをいいながら三つ先の扉を叩いてた。

三つ先の扉が開いて、クロがでてきた。メイナとクロが何かを話している。

と思ったらメイナがクロの部屋に倒れ込むように入っていった。


「なあ、レイ。シオンはどこか知らないか?」

「そんなの知るわけ...」

「そう...だよな」

と言って凪が廊下の奥へ進もうとする。

「ちょっと待て、シオンは部屋にいないのか?」

「シオンは俺と同じ部屋だ。今日、俺が部屋に帰ってから一度も帰ってきてない」

「は?...ちょっ、待て俺も探す」

一瞬俺を振り返って、また向こうを向いた。「勝手にしろ」




やばいやばいやばい。地震始めてだからこういう時どうすんの...え?

扉を叩きながら言う。「クロ!クロ!!」

「何?」といいながらクロがでてきた。安心で足の力が...

倒れ込むようにして、クロの部屋にはいってしまった。クロもその勢いで倒れる。

扉がしまった。


「え、え、えわ、え、えや、えっと......事故!そう事故!!」

「分かってるって」といいながら私を立たせる。

額にデコピンをしてくる。「動揺しすぎ。で、なんのよう?」

「えっと...」やばい、動揺して来ただけだから理由考えてなかった!!

「怖くて、助けを求めてきただけ?」

ギグッ。

それだけなのが、なんだか気まずくって目が合わせらんない。ゆっくりと頷いた。

「はぁ。邪魔しなかったら自由にしてていいから」

と言ってクロが部屋の奥に進んでいった。

私も一歩踏み出そうとした...が「わっ!!」動揺と揺れのせいでバランスがとれなかった。

クロがそれに気づいて受け止めてくれた。

「ちゃんと歩けよ」呆れたような目で見ながらそう言ってきた。

くるっと回ってまた、部屋の奥に歩いていった。

すごい...こんな揺れてるのにバランス一切崩してない。

次は慎重にクロの後ろをついていった。




「ごめん。凪」

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