悩める乙女は何よりも強い!
バレンタインデーの名残を残す中、
隼人から、馨は本当に柴乃が好きなのかと
疑問をぶつけられ・・・?
『浅沼君って、本当に柴乃ちゃんのこと……好きなの?』
ずっと思わないようにしていた。
もしかしたら、そうなんじゃないかって自分でもわかっていた。
分かっていたけど、目をそらし続けていた。
なぜなら、彼が私と付き合った時に言った、あの言葉―
『せいぜい頑張ってくれよ。俺に好きだって言わせるまで』
それはつまり、まだ好きになっていないということの証拠にもなる。
隼人君がそう思うのも、無理はないってこと。
自分が一番わかっていたのに、なんでこんなに今更不安になるんだろう……
「柴乃、大丈夫?」
いつの間に終礼が終わったのだろう。
すぐそばには、あんちゃんがいた。
心配そうに、私を見つめている。
「ごめん、なんか話してた?」
「今日一日、ぼーっとしてたみたいだから。朝言われたこと、気にしてるのかなって」
さすが一緒にいるのが長いだけあって、あんちゃんは何でもお見通しだ。
休憩時間もずっと声をかけてくれてたし。
隠してもしょうがないと思った私は、荷物をまとめながらため息交じりにつぶやいた。
「かっこ悪いわよね~言われるまで、行動しないなんてさ」
「そんなことないよ。仮にも、浅沼君は柴乃の告白に答えてくれたわけだし」
「でも、隼人君がああいうのも分かるの。ほんと私、ださすぎよね」
馨君が私をどう思っているのか、いまだにわからない。
付き合ってしまったから、私と無理に行動しているのかもしれない。
当たり前のようにかわいがられ、すかれてきた私だったのに……こんなに不安な気持ちになるなんて……
「うふふ❤︎ 困ってるねぇ、お姉ちゃん❤︎」
そんな時、だった。
急に声がしたかと思えば、そこにはすぐ隣に姫野がいた。
あからさまに何かたくらんでいるかのように、にこにこ笑っている。
「何よ、姫野。ざまあみろって言いたいわけ?」
「お姉ちゃんってば、性格悪すぎぃ~違うよ~困ってるお姉ちゃんのた・め・に! 姫野が一肌脱いであげようと思って❤︎」
「……また余計なことを……」
「名付けて! 姫野発案❤︎ 浅沼君を落とそう大作戦! だよっ❤︎」
まんますぎるネーミングに、呆れて声も出ない。
これでも姫野は私のためを思ってくれているのか、それともただ面白がっているだけなのかはわからないけど。
まあ話だけなら聞いてやるかと思いながら、耳だけを傾ける。
「落とそうって、具体的にどうするの? 姫野ちゃん」
「お姉ちゃんと浅沼君に足りないのは、彼氏彼女らしさだと思うんだよね~。だ・か・ら❤︎ まずは手料理とかどうかな? 胃袋をつかんじゃえば、浅沼君だってイチコロだよっ」
「それはそうかもだけど……柴乃は……」
「あんたが一番知ってるはずでしょ、私の料理のできなさは」
「え~でもチョコは作れたじゃあん~渉さんもいるんだし、お弁当とか作ってあげたら?」
弁当、ねぇ……。
そういえば馨君って、ほとんど学食かインスタントを食べているような……
料理できないってわけでもなさそうし、作るのが面倒なだけだとは思うけど。
「まあそれくらいなら、やってもいいけど……他にもあるの?」
「そうだな~例えば、いつもと違う一面を見せるとか? お姉ちゃん、いつも怒ってるからあえて笑ってみるとか!」
「怒りたくて怒ってないし、おかしくもないのに笑えないから」
「でも柴乃、姫野ちゃんが言うのも一理あると思うよ。やるだけ、やってみたら?」
あんちゃんに言われると、断る理由がない。
仕方なく私は、姫野の作戦に乗ることになり、やるきはないものの馨君を落とそう作戦が幕を開けたのです!
(つづく!)
早いものでもう十二月ですね。
皆さんは年末年始、
どう過ごされるんでしょう。
私はたいてい何かの作品と
一緒に年を越します。
友達にだけ、
特別に年賀メールとして書いたりするので
今年はどんなものにしようか模索中です
次回! 姫野発案、柴乃実行。
双子姫、共同作戦!!




