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想いよ、今こそぶつかる時

それぞれが一歩ずつ歩みだす中、

柴乃は馨とクリスマスを過ごすことになるが・・・?

向かってる最中は、あまり会話という会話がなかった。

多分、お互い人気だし彼氏彼女だと思われたくなかったからだろう。

それでも周りはカップルばかりで、みんな楽しそうにニコニコしている。


なによ、みんなデレデレしちゃって。気持ち悪い。

手なんかつないで、何が楽しいの?

あっちじゃかわいいよ~なんて言われて喜んでるし、もういらつく!!

私も……馨君と手……つなげたら……

って何を考えてるんだ私はあああ!


「んで? 柴乃って何食うの?」


「へ? べ、別に何でもいいわよ?」


「あんま金使いたくねぇんだよなあ……どっかそこら辺にでも入るか」


そう言って入ったのは、おしゃれな洋食店だった。

さすが馨君のチョイスともあって、店内もおしゃれでつい見ずにはいられなくなる。

メニューに目を通している彼の姿を、遠目で店員たちが見ている姿も確認できた。

やっぱこの人、どこに行っても目立つなあ……

とりあえず私はドリアを、彼はオムライスを選んだかと思うとすぐに携帯を取り出して何やら操作を……


「ってここまで来てゲームしてんじゃないわよ!」


「ゲームじゃねぇよ、直樹のお助けメール返信」


「お助けって……結局そうなるんなら、なんで引き受けたのあいつ……」


「柴乃ってさ、なんでいちいち俺につっかかってくるんだ?」


唐突に聞かれへ? と声が漏れる。

彼は返信し終えたのか、携帯をポケットにしまい私の方を向いた。


「前、男なんてどれも一緒って言ってたろ? なら、俺と関わってても何の得もないんじゃねぇかと思って」


「そ……そんなこと、いったかしら……」


「じゃあ付き合ってみたいって思ったことある男子、いんの?」


どきっとした。

まさか、そんなことを聞かれるなんて。

落ち着け、私。そんな男子いないっていえばいいだけのこと。

なのに、なんでこんなにドキドキしてんのよお!


「そ、そういうあんたはどうなの? 女に興味ないとかいう割に、私とはゲーセン行ったりしたじゃない。矛盾してる」


「お前……さりげなくこっちに話題そらすなよ」


「こっちの方が気になるの!」


「……昔、試しに付き合ってみた女がいたんだよ。どうしてもって聞かなくて」


重々しくも、ようやく口を開いてくれた。

嬉しいと思う半面、聞きたくないような……そんな複雑な思いのまま、私はうんとうなずいた。


「そいつ、ちょっと変わっててさ。他の女が何を言おうが、私の馨君だって聞かなかった。俺は物でも、なんでもないのにな」


「ひどい言われようね……」


「そいつの束縛が嫌でやむなく俺は転校。女子全員を悪く言うつもりはないが……告白する奴がみんな、そいつと同じに見えてしまう……」


そう言って頭を抱えるような彼の横顔は、すごく辛そうで寂しそうで。

分かってた。馨君は女子に興味がないわけではない。

それは多分男子を毛嫌いしていた私と、同じこと。

お互い、怖かったのかな? 異性と付き合うということが。


「でもそんなの、私だって一緒よ。男子なんて醜い存在だって、一方的に決めつけて……!」


「柴乃。俺と話すのは、今日で最後にしてほしい」


はっきりとした声色で告げられた、衝撃の一言。

それは重くのしかかり、私の心にナイフのように突き刺さる。

私の気持ちに気付いているのかいないのか、馨君はなおもバツが悪そうに言った。


「今までも危険な目にあわせただろ? 悪霊に取り憑かれてた渕脇が元凶とはいえ、元を辿れば俺がお前と関わらなければこんなことにはならなかったんだ。これ以上お前を、巻き込みたくない……だから……」


「ふざけないでよ!!! なんで、なんで一人で、勝手に決めつけるのよ!?」


気が付いた時には、叫んでしまっていた。

びっくりしている彼の姿が、目に入ってくる。

でもこのまま彼を行かせてしまったら、二度と彼と会えなくなる気がして。

だからー!


「私は構わない! 迷惑をかけてたのは、私の方でしょ!? それでも一緒にいてくれて、私は嬉しかった! 男なんてどれも一緒だって、そう思ってたのに……変えてくれたのは馨君でしょう!? 私は、私は馨君のことが……!」


「待て」


肝心なことを言えぬまま、私の口に彼の人差し指が触れる。

馨君は周りを見渡しながら、ため息交じりに小声で一言。


「……どうでもいいけど、ここ店内」


あっ……


「……ごめんなさい、取り乱したわ」


「柴乃ってセーブが聞かないタイプ?」


「うるさい」


「ま、気持ちは受け取ったわ。ありがと」


そういう馨君はなんだか照れているようにも見えて、そんな彼を見ながら私は深いため息を一つついたのだった。


(つづく!)

ここまでくると、もうすっかりこの設定が

あったことさえ忘れてきますね。

忘れた頃に真実は明かされる、ということで

なんだかいい感じですね。ふふふ

さてさてどうなることやら・・・


次回、ついにその時が来るのか!


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