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友情と恋愛のラビリンス

昔からの友達である紬の実家でもある東雲旅館へ

みんなでお泊りすることになった柴乃。

そこで、杏珠から

もしも私が馨君好きだったらどうする?

ときかれ・・・

「おはようございます、皆さん。朝食の準備が整いましたので、ご案内を……柴乃、目の下くまができてるけど大丈夫? 寝れなかったの?」


正座を崩さず心配そうに私の顔をのぞきながら、むぎちゃんが言う。

そんな彼女を見ながら私は、はははと苦笑いを浮かべるだけだった。


あれから翌日。本当に馨君の隣で寝てしまった。

馨君が寝てからむぎちゃんの部屋にでも避難しようと思ってたのに、有無を言わさず寝ろとばかりに布団に引きずり降ろされた。

緊張して落ち着かなかったってのもあるのに、あんちゃんがあんなこと言うから余計気になって寝れなかったじゃない!

あんちゃんとは、必要最低限の会話しかかわしていない。

というのも、私が妙に気にしてしまうから。


私よりずっと前から、馨君が好きだったら。

どうしてあんちゃんはそんなことを言うんだろう。

仮にそうだとしたら、私はどうすればいいの?


あんちゃんは私にとって、唯一無二の親友。

一方で馨君も、男子嫌いな私が認めつつある人。

これって俗にいう三角関係って奴なんじゃ……


「ちなみに聞くけど、この後本当に海行くのか?」


急に話を振られて、へ? と素っ頓狂な声を出してしまう。

顔をあげると、眠たそうにあくびをしている馨君がいる。


「私、そんな話聞いてないけど」


「えっ、そうなんですか? 姫野さんから、メールで回ってきましたよ?」


「そんなの知らないし!」


「大丈夫だよぉ、お姉ちゃん。お姉ちゃんの分まで、水着準備してきたから❤︎」


なぬ??


「ってことで、みんなで海へレッツゴ~~~!」


姫野は私の返事を聞く前にして、強引に事を進めていったのだった。


「わぁぁ~~~! 海だぁぁ~❤︎」


かんかんに照り付ける太陽、真っ青に染まる海……

一面に広がる美しい光景に私は、目を奪われるばかりだった。

子供の時以来、海には全くいっていない。

みんなも久しぶりなのか、異様にテンションが高い気がした。


「ねぇねぇ直樹君っ、姫野あっちまで行ってみたい! 一緒に泳がない?」


「ええ!? 僕ですか!? ひ、姫野さんと泳ぐなんて……! 僕、泳ぎ得意でもないのに!」


「いいんじゃねぇの? 俺はちょっくら魚でも見にもぐっとくわ」


「ちょ、ちょっと馨?!」


「私はつまめるものを買っておくね」


「渉さんまで! し、柴乃さん! 助けてください!」


「私水苦手だから、無理」


「そ、そんなぁぁぁぁぁぁ!」


「ほら直樹君、早くいこいこ♪」


こういう時連れていくのは寺濱君なんだなと思うと、姫野の考えてることはやっぱりよくわからない。

あの時告白したとはいえ、進展がないのは見ていてわかる。

寺濱君がどんなに好きでも、姫野にとってはただの世話係なんだろうな。


しっかし、気持ちいいな~

私泳ぐの得意じゃないからこうやって浮かぶことしかできないけど……

浮き輪を使ってるからって、別に泳げないってわけじゃないのよ? ただちょぉっと苦手なだけっていうか……

って、私は誰に言い訳してんのよ!


「なんだ柴乃、浮き輪持ってきてたのか。話聞いてないって割に、ノリノリだった感じか?」


とふいに声をかけられ、ぱっと後ろを振り向く。

すぐ近くに、馨君がいた。

ゴーグルをあげ顔を左右に振って水をきる姿は、誰から見てもカッコよかった。


「うっさいわね! 姫野が勝手に持ってきたのよ!」


「あいつほんと、変わってるよな。どこかの誰かさんに似て」


「余計なお世話よ。っていうか、昨日はなんであんなこと言ったのよ! 隣が誰でも、あんたぐっすり寝れるでしょうが!」


「気が向いただけだっつうの。あんまり言うと、祭りの時の渉にでもチクってやろうか?」


「そ、それはだめっ!」


「お前もそれなりに目立つんだからさ、行動には気をつけろよ。なんかするなら、俺の目の届く範囲でな」


そういうと、彼はすいすいと泳いで岸にあがってしまう。

そんな馨君に近づいていく子が、一人いた。

あんちゃんだった。

手に持っているのが焼きそばなあたり、みんなに買ってきてくれたのだろうか。


こうして二人だけが話しているのを見るのは、初めてだ。

今までは私か、寺濱君がいたのに。

あんちゃん、本当に馨君のこと好きなのかな?

そうだとしたら、私……自信ないよ……


「……っ……!?」


そんな時、だった。急に足がぐっと水に引き寄せられたのは。

根拠はない。でも誰かに、強くつかまれているのは確かだ。

必死に浮き輪にしがみつき、抵抗する。

まずい……! 誰か、助け……


「柴乃!!!!」


誰かが呼ぶ声が聞こえる。

私の視界は深い、深い水の底へ真っ暗へと染まっていった――――


(つづく・・・)

先日、読んでくれた友人から

「あとがき面白かった」といわれました。

こんなすみずみまで読んでくれた…!

と、嬉しくなったので今回も頑張ろう! 

と思っていたのですが、いざここに来てみると

書くネタがないことに気付きました。

ということで、来週から頑張ります。

たぶん、きっと、おそらく


次回、おぼれた柴乃の運命は!


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