何がどうしてこうなった!!?
柴乃が知らぬ中、
姫野と直樹は二人でデートする中、
ある関係性へと発展し・・・
何か、音がする。
重いまぶたを開け、ゆっくり体を起こした。
時計の時刻は、まだ六時になる前。起きるには少し早い時間だった。
かといって一回起きてしまうとなかなか寝付けない私は、仕方なく居間の方へ歩き出す。
まぶしい電気の明かりとともに、私の視界に入って来たのは……
「あっ! おはようございます! 柴乃さん!」
かわいらしいピンク色のエプロンに、白い布の三角巾。
屈託のない笑顔は、異様にまぶしく見えてー
「なっ!!!! 何よその格好!!」
「やっぱり変、ですよね。急だったもので、こういうのしかなくて」
「ふーんそうなん……じゃなくて!! なんで……なんで寺濱君がうちにいるのよ!!」
そこにいたのは誰であろう寺濱君その人だった。
彼がなんで女の子っぽいエプロンをしているのか、そんなことはどうでもいい。
だってここ、私の家なのよ!? なんでこの人が普通にいるのよ!
「あー……えっと、これには色々と事情が……」
「事情って何よ!? 私が納得するものじゃないと、許さないからね!?」
「姫野が教えたの~❤︎ 仕事って早くやればなれるって聞いたし♪」
そういって寺濱君の後ろから顔をのぞかせるように出てきたのは、姫野だ。
すっかり身支度を済ませた彼女の笑みが、いつも以上にムカついてくる。
「何勝手に家の住所教えてんのよ! 私の許可なしに!」
「え~? なんでお姉ちゃんの許可がいるの~? うちの家主、パパなのに」
「そ、そうだけど……お父さん達はなんていってるのよ!」
「本人がいいならいいんじゃないって♪」
「そんなむちゃくちゃな……そもそもなんのためにここへ?」
「えっとねぇ、専属のお世話係❤︎」
……は?
今こいつ、なんて言った? 満面の笑顔で言うことじゃないこと言ったわよね。
本当なのかと、ばっと彼の方を見る。
寺濱君は有無を言わずに、ただ苦笑いを浮かべているだけで……
「あっ、もうこんな時間ですね! 僕、朝食作ったんです。お口に合うかは、分かりませんが……」
「わぁ~! 直樹君、やっさし~!」
「そ、そんなことないですよ! あ、柴乃さんの分の制服、今取ってきますから!」
そういって笑う彼の姿に、私はどうしようもなく見ていることしかできなかった……
「えっ、姫野ちゃんの専属お世話係?」
素っ頓狂なあんちゃんの声に、私はうんとうなずく。
おはようと飛び交うクラスメイトの声に適当に返事しながら、私ははあっとため息をついた。
あれからというもの、寺濱君は私達の護衛のような役割をしてくれていた。
私達の先を行き、危ないものがないか常にきょろきょろ見回って。
一連の出来事を説明し終わった私の話を聞いていたあんちゃんは、一言。
「それ、どういう状況なの?」
とごもっともな意見を言ってくれた。
「姫野曰く、あの後告白したらしいわよ。寺濱君」
「えっ、告白した結果がそれなの?」
「あいつがまぁた変なこと提案したみたいなのよね。それに寺濱君が賛同する形で」
「それで……なんかある意味すごいよね、寺濱君って」
正直、彼には驚かされてばっかりだ。
昨日までの情けなさが想像できないくらい、別人にも見える。
あんなに告白しろと言ったはいいものの、まさか本当にするとは……
「そのお世話係の腕前はどうなの?」
「それがねぇ、驚くくらい出来るの。料理もそこそこ上手だし、制服だってアイロンかかってたし。女子力高い男子って、ほんとにいたのねってくらい」
「よかった、ね……」
「全然よくない! 姫野が呼んだ日は、ほぼ一緒にいないといけないのよ!? なんで好きでもない男子と、一つ屋根の下で暮らさなきゃいけないの!! こんなことになるなら……っ!」
「浅沼君と住みたかった、とか?」
「ち、ちがっ……!」
「なー渕脇ー」
「うぎゃあっ!!!」
あまりのことに、思わず悲鳴を上げてしまう。
振り向くとやっぱりそこにいたのは、浅沼君だった。
私が変な声をあげたことにびっくりしたのか、すまないとばかりにと手を前に出す。
「わり、そこまで驚くとは思わなかった」
「な、何よ! お化けみたいに急に出てこないで!」
「ちゃんと謝ったんだからいいだろ? 直樹のことで、ちょっと聞きたいんだが。いいか?」
また同じ話をしないといけないのだろうか。
多分浅沼君も、私とあんちゃんと同じ状況だ。
仕方なく「何?」と、彼に話を切り出す。
「お前が望んでいたのは、この状況か?」
「んなわけないでしょ! 全部姫野のせいよ! 姫野の!」
「正直どっからつっこんでいいか分かんねぇんだわ……ややこしいな、お前の妹は」
そういうと彼は疲れ切ったように、はあっとため息をつく。
一つ一つの動作がものすごく絵になり、つい見入ってしまう。
「せっかくゲーセン行こうと思ってたのに姫野さんが~っていって断りやがって。こっちの気も知らねぇで……」
あれ……? これって、もしかして……
「あ、浅沼君! 今日バイトお休みなの?」
「ああ、まあ」
「じゃっ、じゃあ! 私も行きたい! ゲーセン! 一緒に行ってもいい!?」
思わず飛び出たセリフに二人が驚く。
この時私は自分で言っておきながら、言わなきゃよかったと心底後悔していたのだったー
(つづく!)
もう四月も終わりですね。
月日がたつものほど、早いと感じるものはありません。
五月と言えばGW。私自身はあれですが、
せっかくなので作品を連続投稿しちゃいます♪
日付や詳細はツイッターにて
お知らせしますっ! お楽しみに!
次回、今度はこの二人のターンです!




