ep.48 シュナ・フリージア③
シュナは2つの秘密を隠している。
ひとつ、シュナはダヴルだ。
もうひとつ......
________まただ。また感じる無音。
サイクロプスが一瞬だけ怯んだ隙を、二人は見逃さなかった。
轟音とともに。
決着。
「ノース、動けるか?」
「いや、ちょっと無理かもな。」
「....俺もだ。」
笑みを浮かべる。
空を見上げていた。
満点の星空。
二人は晴れやかな顔をしていた。
________キンっと甲高い音。
ダウラのガントレット。
シュナが手にしていた剣。
ふたつが交わっていた。
「....へぇ。」
「それごと切り落とそうと思ったのに。」
声が出ない。
反応が出来なかった。
気付いた時にはシュナの刃が、己の腕に届いていた。
「.........シュナ...さん。」
「何故......。」
「何故?笑わせないで。」
「目障りなのよ。......悪魔が。」
もう1つの剣がダウラを襲う。
──しかし、その剣は届かない。
ダウラの横にはヒイラギがいた。
バチバチと音をたて。
剣と剣が混じり合う。
「ダウラ──すまんな。」
一蹴り。
遥か後方へと吹っ飛んで行くダウラ。
「シュナ、お前どうした?」
「.....どうした?ですって?」
「気安く話しかけないで──この悪魔が。」
「さっきから何を言っているのだ。」
「あれをやったのも、お前か?」
ギリギリと音を立てる剣。
「......気安く話しかけないで!」
「言葉.........分からないの?」
力と力が弾ける。
憎い。
鬱陶しい。
何故。
何故。
「何故、あなたはここにいるの?ヒイラギ。」
「.........」
「いいえ──────アニマ。」
「何故!その名を!」
アニマの脳裏にノイズが走る。
誰かが語りかけて来るような。
アニマはそれを知っている。
『──────マ!』
『──────ニマ!』
鬱陶しい。
「黙れ。今はまだ、その時ではない。」
ノイズをかき消すように放つ神威。
自我を保つ。
我の邪魔をするな。
まだ。
まだ。
___「さっきから何をぶつぶつ言っているの?」
「懺悔?」
「私は聞き入れる気など.........ない!」
瞬間。
再び交わる剣。
「懺悔だと?」
「笑わせるな。」
「我はただ、質問をしているだけだ。」
そう言い放ったヒイラギの顔には、余裕などなかった。
ひとつ。
またひとつ。
傷が増えていく。
「戦うしかないのか?.........シュナ。」
あの時の笑顔は何処に?
あの時の涙は何処に?
何故、グロリオサを?
「お前はいったい......」
鳴り止まないノイズ。
消しても消しても頭の中で響いてくる。
____ヒイラギの身体には無数の傷。
気付けばその刃がヒイラギに届いていた。
深く突き抜ける剣。
同時に剣を投げ、ガッチリとシュナの両腕を掴んでいた。
口からは、流れ出る血。
「これで、逃がさない。」
「さぁ!我と話をしようではないか。」
「シュナ。」
「......くっ」
「あなたと話すことなんて無い。」
「.........冥王アニマ。」
怒り。
憎しみ。
悲しみ。
抑えきれない感情が溢れ出る。
────── 全てを奪われた。
何故、自分。
何故、生きている。
何故。
分からない。
____荒れ果てた街。
____飛び散った鏡の破片。
____映るは酷い顔をした自分。
そこに浮かぶ文字。
その文字は何。
【剣聖】の二文字。
________シュナは2つの秘密を隠している。
ひとつ、シュナはダヴルだ。
ひとつ。
シュナ・フリージア。
彼女は。
神から与えられたギフト
【鑑定眼】
【剣聖】
ふたつの特異を持っていた。
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では、また次回。




