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第4話 1人目の使徒

 



「おお、マスター! 遅いよぉ遅いよぉ!!」

 短い手で必死に殴ってくる姿もなんとも可愛らしい。


 このっこくて、頭にケモ耳の生えた少女はコロン。

 アンダーAのメンバーだ。


「さて、首尾はどうだい?」

 俺はコロンの頭を撫でながら任務の進度を問う。

「まあ、コロンにかかれば楽勝だよぉ。すでに裏口には多くの仲間を配置しておいたしぃ」

 今回の任務は、陸軍の持つ軍事情報の奪取。

 戦争を避けるうえでも日本の持つ軍事力を測るのは極めて重要だ。


「さて、行こうか」

「行こおぉ、行こおぉ!」

 俺は分厚い壁を飛び越え陸軍の基地に潜入する。


 夜のため見回りの警備の人数は減っているが、鉢合わせてもおかしくない。


「コロン、どうだ?」

 コロンはケモ耳を左右に動かして周りの音を捉える。

 こう言う任務にはコロンが一番頼りになる。


「こっちの道は見張りが3人、反対は誰もいないぞぉ」

「じゃあ右に行くぞ」

 俺は歩くのが遅いコロンを抱えて一気に走る。


「早い〜〜早いぃ〜〜!!」

「静かにしろ」

 まったく……まるで危機感がない。

 精神年齢も実年齢も本当に6歳だ……


 目的地である陸軍の基地所長の部屋を見つける。


『創生』

 魔法を使えば鍵の作成など容易い。

 電子キーを使い中に入ると誰もいなかった。


「コロン、軍の情報を探すんだ」

「はあぃ」

 コロンは手当たり次第にダンボールに入った紙をぶちまけ始める。


「待て待て!なるべく痕跡を残すな」

「早く言ってよマスター……」


 言わなくてもそれくらい理解して欲しいものだ。


 このAIの時代、紙にまとめるほうが安全であり、機密文章はほとんどが紙に変更された。


「あった」

 俺は引き出しの中にある軍事資料を見つける。

 それを全てカメラに記録し、俺は全く関係ない戸棚を漁ってお菓子を食べているコロンを掴んで部屋を出る。


「あぁ〜〜コロンのおやつがぁ!」

「任務は終わった。帰ったらいっぱい買ってやる」

 これで任務は終わり。そう思い基地を出るとさっきまで後ろいたコロンが見当たらない。


「コロンどこ行った!」

 迷子になることは何となく分かっていた。

 リードを持ってくるんだった……

 俺は慌てて元来た道を引き返す。



「あれれ? もしかしてコロン迷子かなぁ……」

コロンは左右をみながら1人廊下を歩く。

「マスター、マスター迷子だよぉ。コロン迷子になっちゃったぁ!」


そんなコロンに近づく1つの影がある。

「嬢ちゃん、こんなむさ苦しい軍の基地に何のようかな?」

「アンタ誰ぇ?」

「俺はこの基地の所長をしている決時(けつじ)だ」

(けつ)、痔?」

 コロンは絶対にあり得ない勘違いをする。

「お前、バカにしてんのか?」

 案の定、所長は怒りコロンを捕まえようとする。


「コロンはただ、ここの情報を盗みに来た! いけないこれは内緒だったぁ……」

 コロンは慌てて口を押さえるが、既に手遅れ。所長は魔法を発動する。


「あはは、お兄さん強いねぇ。えへへー」

 コロンは爆発を避けて笑いながら、所長の左腕のガードの上から顔面を殴る。

「くそ、ガキだと思っていたのに強いなお前」

「でしょぉ。コロンは強いんだぁ」

 コロンは全くない力瘤を見せる。


「だが、所詮はガキだ。でも、ガキだからと言ってスパイはスパイ。このまま軍法会議に送ってやるよ!」

 所長は魔法を切り替えて、自分の筋肉を強化する増強魔法を展開する。


「コロンと殴り合いするんだぁ。いいねぇ〜〜」

「その小さな体のどこにそんな馬鹿力があんだよ!?」

 所長も気付き始める。

 強化された肉体でも、少女の怪力の前では非力だと。


「嬢ちゃん、何者なんだ……?」

「アンダーA、使徒コロンだよぉ。バイバイお兄さん〜〜」

 コロンのその言葉と同時に所長はコンクリートの壁に埋まっていた。



「コロン見つけた」

 俺は服に血がついたコロンを見つける。


「もーー。迷子になるなんてダメでしょマスター!」

「迷子はお前だ。書類も手に入れたし撤退するぞコロン」

 何があったかは聞かないでおこう。

 きっと少女の向こうには形の変形した誰かがいるから。







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