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楽しいおしゃべりです


「……人、形……?」


 頬をひきつらせ、騎士団長は繰り返す。

 しかしヤシロは満面の笑みで。


「うむ。魔法の粋を凝縮させた」

「なんだその本気度」

「これの前は絵姿集でな」

「前身があるだと」

「その前は小説で未だ大人気連載中」

「確かにあの人二次元似合うけど」

「その前は名言集」

「暴言集なら判る」

「その前はミコトがバッサリ切った髪をお守り袋に入れて」

「やめて気持ち悪いなんの宗教?」

「そもそもの始まりはミコトが使った物品で」

「プレミア!?」

「経済効果は高い」

「まさかの商売」

「スラギもなかなか人気があるがやはりミコトだ」

「ここに来るまでそうでもなかったのに魔都だけ狂信化している恐怖」

「ミコトだからな」

「ミコトさんだからですか」

「うむ」

「なるほど」

「そこで今回の人形だ」

「着々と本人に近づいているようで離れている気が」

「だがそっくりだろう」

「精巧ですね」

「土魔法と火魔法、そして手工」

「手間暇かかってる」

「最高の技術者を集めた」

「ミコトさんがモデルを?」

「盗観察だ」

「じっくり覗くという」

「スラギとの戦いは激しかった」

「それでもやり遂げた執念」

「わかるか」

「いろんなものの無駄遣いだと思います」

「お前結構言うな」

「ミコトさんも気づいてたでしょう」

「無論」

「無視されたんですね」

「無視されたな」

「ミコトさんですね」

「ミコトだな」

「そこまでして何故人形を」

「ミコトだからだ」

「ミコトさんだからですか」

「偶像崇拝だ」

「神!?」

「似たようなものだ」

「ミコトさん実在してます」

「現人神という言葉がある」

「現人神様の許可は」

「ミコト嫌がるだろう」

「分っているくせに実行するという」

「だって経済効果が」

「神と言いつつ金を稼ぐ」

「ミコトだからな」

「ミコトさんだからですか」

「分るだろう?」

「分ってしまう無敵の言葉『ミコト』さん」

「というわけでこれを国民に売って宥めてこい」

「鎮静剤!?」

「似たようなものだ。きっと飛ぶように売れる」

「ぶれない」


 軽快なやりとり、虚ろっていく騎士団長の瞳。


 ちなみに人形は、――売れた。








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