プロローグ
吸い込まれるような、藍色の夜空だった。
その闇の中に、金色の星が瞬いた。
何かを話しかけてくるような、小さな光。
一人の家族だった母さんがいなくなって、ここ、伯母さんの家に引き取られて少し経った、
その日。
ぼくは、夢紡ぎ師に出会った。
☆
「夢は、いりませんか。」
その、ささやくような声を聞いたのは、部屋のベッドの上だった。
夢はいりませんか……そう聞こえたのは、空耳だろうか。
「夢は、いりませんか。」
もう一度、あの声が聞こえた。本物に感じる。
さっきよりは、少し大きい。
幼くて高い声が、よく響いた。
ぼくは、体を起こすと、ぎゅっと目を瞑った。そして、ふーっと息を吐いて、ゆっくり目を開けた。
いた。
六歳くらいの、小さな男の子。
黒いフード付きのマントをかぶって、その身体に不釣り合いな、大きなトランクを持っていた。
そして、人形のような白い肌、澄んだ濃い青の眼。フードから見える髪は、金色だ。
男の子は、ぼくを見ると、ふわっと笑った。周りの人をみんな笑顔にするような、あどけない顔。
そして、言った。
「夢は、いりませんか?」
と。
短いですが、第一話です。
勢いで書いたので、誤字脱字などありましたら、お教えくださると幸いです。
続きは、明日か明後日の予定です。