番外編:面白い娘 【ユリウス視点】
お久しぶりです、月浪 瑠愛です。
更新が大変遅くなってしまったこと、お詫び申し上げます。
「続いて、首席合格者による答辞──リリア・アーデル」
その名が広間に響くと、人々の間にざわめきが広がる。
ある者は動揺し、ある者は驚き、ある者は不正を疑う。
その中を、1人の娘が一歩ずつ進み、壇上へと上がる。
スカートの裾をさばく角度、背筋、視線の高さ。
その全てが洗練されている様はとてもじゃないが平民とは思えない。
彼女の歩みに合わせて揺れる金髪は丁寧に手入れされており光を纏っているような錯覚さえ起こる。
「新入生代表、リリア・アーデル。──本日、わたくしたちは、帝国最高の学び舎に、等しく足を踏み入れました」
まだざわめきの残る広間に彼女の声が響く。
「出自、身分、家柄……それらが、魔法の才と知能を定めるものではないと、わたしは信じております」
(......嘘だろ、? この状態で貴族に喧嘩を売った、だと?)
俄に信じがたい。
確かに彼女が言っていることは正しい。だが、それは何人の貴族にまでなら通用するだろうか?
ただでさえ平民の首席合格者で多くの貴族に目をつけられているというのに自分から喧嘩を売るなんて。馬鹿なのだろうか。
だが。
彼女の紫の瞳には強い意志が宿っている。
「わたしは、知を学び、技を磨き、──誇りを持って、この場に立ち続けます。平民であろうと、誰であろうと、それは同じはずです」
入学初日に貴族を前にしても怯まぬ堂々とした佇まい。
(これは、面白くなりそうだな)
僅かに笑みを浮かべると一瞬にして走った沈黙を破るように拍手をする。
私が彼女をまっすぐに見据えると一瞬視線が合った気がしたのはきっと気の所為だろう。
初めて、リリア視点以外を書きました。
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