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枯渇聖女は婚約破棄され結婚絶対無理ランキング1位の辺境伯に言い寄られる  作者: はるくうきなこ


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32/34

32私が王女?


 すぐに大神官と呼ばれる偉いおじいさんが現れた。真っ白いローブコートに金糸の刺繍が施してある服を着用している。その後ろにも数人の神官らしき人がいる。

 恭しく頭を下げられ私は酷く緊張する。

 だって、私は白い寝間着のようなものを着ていた。いつ着替えたのかさえも覚えていない。

 まあ、そんなことよりも何を言われるんだろう、また何を頼まれるのか。それが恐い。

 ニルス国でもそうだったように貴族は私の力を頼って病気が怪我を治せるだろうと期待に胸膨らませてやって来た。私は必死で治癒に当たるが何しろ魔力が弱くて期待に応えれないことが多かったから。

 散々罵られ罵倒され、ジェリク殿下からも冷たい態度を取られて来た。

 今となってはキアは力が弱っていたのでと分かっているけど。またそんな事にならないとも限らない。

 でも、キアが現れてからはうまく行ってたよね?そう言えばキアは?

 前みたいに返事は帰って来ない。

 うそ‥月光水晶はなくなった。あっ、キアも一緒に?

 胸の奥がズクンと疼いた。

 そんなはずない。

 キアは精霊だし死なないはず‥でも、でも、でも‥‥

 はぁぁぁ、どうしよう。これって私のせいじゃ‥

 


 「聖女様。私はこの聖教会で大神官を務めておりますマクリートと申します。話はフォートから聞きました。まさかあなたがこの国の王女様だあったとは驚きました。ですが、もしかしたらと期待もあったのです。どうかキアラルダ帝国をお救い下さい」

 大神官と名乗ったマクリート様は頭を深く下げる。

 そう言われたことで意識は一気に目の前の人に移る。


 「いえ、どうかそのような事を仰らないで下さい。私も何がどうなってるのかよくわからないんです」

 「これは申し訳ありませんでした。そうですね。いきなりこの国に来られたばかりの聖女様には説明が必要でした」


 そこからマクリート大神官のキアラルダ帝国の話が始まった。

 そもそも20数年前に母シャロン・メイズが側妃となった時には王妃に子はいなかった。そして先にシャロンが王子を産んだ。名前はラビウド王子。

 その3年後に王妃が男の子を産んだ。名前はクリス王子。もちろん国王レアンドロと王妃の子で王位継承権1位の王太子となったが身体が弱かった。

 次の子供をどちらが身ごもるか熾烈な争いと言っても王妃が躍起になっていただけらしいが、そして母に妊娠の兆しがあると噂が出回り母は国王に毒を盛った罪を着せられて逃亡した。本当にお腹には私がいたが事実はうやむやになったらしい。。

 まあ、そこから後はわかっている。

 ただ、15年前に国王が側妃の子供ラビウド王子を王太子にすると言い出した事で王妃は国王の弟セレストと共謀して国王レアンドロを退位に追い込み、そして10歳になったラビウド王子を王都から追い出した。

 ラビウド王子はメイズ辺境伯を頼ったがメイズ辺境伯も不審な死を遂げてラビウド王子のその後の行方はわからないままになっているらしい。

 そして国王は数年前に亡くなっていて。

 そんなこんなで帝国の王城は貴族同士で対立が起こりあちこちで問題が山済み状態になった。

 そしてここ最近は疫病や飢饉の発生で人々は苦しんでいると言う。だが、国王代理のセレストは大した策も講じず国民の間から非難の声が上がっているらしい。

 聖教会も色々やってはいるがすでに限界が来ている状態だとマクリート大神官が呻くように言った。

 そして人々は疫病や飢饉はセレストの悪行に嫌気がさして竜神レオン様が怒ったからだと言うようになって。

 実際そうだったみたいだとマクリート大神官がうなだれた。


 「本当に情けない話です。ですが、何とかキアラルダを救える光明があなたなんです。聖女様どうかお力を貸していただきたい」

 「お話は分かりました。が。無理です。私は精神的にも肉体的にも燃え尽き症候群状態でしてそんな大役とても出来そうにありません。どうかお許しください」


 私は本当に落ち込んでいた。

 エバンのばか。大っ嫌い。もう、何もかもどうでもいい。

 そんな気持ちにしかなれない。

 それにしてもニルス国はどうなったんだろう?キアーナ様の事だからそこまで非道な事はしないと思うけど‥

 それよりキアは?

 脳内がこんがらがってぐちゃぐちゃになって行く。








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