9 試合と再開
杏が沈みがちになったある日の昼休み、グラウンドでは男子たちが草野球の試合をしていた。もちろん、銀河もその中にいた。
野球は銀河をいつもの自分に戻してくれた。バッターボックスに立つ銀河は、いつものように冷静だった。だが、心の中では、ある一つの思いが燃え上がっていた。
(見ててくれ、杏)
ピッチャーが投げた球は、キャッチャーミットに真っすぐ届くような美しいストレート。銀河は、それをフルスイングで打ち返した。
カーン!
乾いた金属音が響き、白球は青空に吸い込まれるように、遥か彼方の外野のフェンスを越えていった。逆転の、サヨナラホームラン。
銀河は、一塁、二塁、三塁とベースを回っていく。周囲からは大歓声が上がった。だが、銀河の目は、ただ一つの場所を探していた。
(あそこに、いる…!)
階段に座っている杏。杏は、他の誰よりも熱心に銀河のホームランを見ていた。そして、銀河と目が合うと、小さく、しかしはっきりと、心の中でガッツポーズをするように、自分にVサインを送った。
銀河は、心の底から嬉しかった。ホームランを打ったことよりも、杏が自分を見ていてくれたことの方が、ずっと嬉しかった。
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AIが書きました。




