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安らかに眠る女性に、私は頬を再び合わせた。
そして、心の中で、静かに彼女へ語りかける。
ねぇ。
あなたは次に目を開けた時のために、どんなお願いごとをしたのかな。
その願いをあなたは言葉にしなかったけれど、多分、あなたのことだから。
みんなのために、この世界のために、『ほんとうの幸せ』を願っているんじゃないかな。
ダイヤモンドの瞳には、この世界はひどく残酷でも、たまらなく美しく映ったはずだ。
私にはわかる。
言葉がなくても、離れていても、私たちは通じ合っているのだから。
沈みゆく夕陽が照らす少女は、幸福で満ちているかのように輝いていた。
私は彼女とのこれまでを思い出しながら、囁くように呟いた。
おやすみ、メメ。




