ジェレマイア邸と装備の受注
どうも、今は6月9日日曜日28時です。
無事毎日更新も出来ました!(突っ込んだら負けですよ?w)
今回はまたしても暇人のマリアが晩餐会で約束したジェレマイア候爵を尋ねる話。
詳しくは本編を(∩´。•ω•)⊃ドゾー
第二十六話「ジェレマイア邸と装備の受注」をご覧アレ。
マリアはとりあえずバハムートを買う許可を得て食堂へ向かう。
今はまだ夕方前なので皆いない。
久しぶりに料理でもするかと、料理をする事にする。
とりあえず、一般的なスープやパン、肉料理を作る。
マリアが料理が済んだ頃にシスタリア達が食堂に入ってくる。
なので、こちらへ呼ぶ。
「おーい、シス姉!晩御飯俺が作ったから食べるだろ?」
「えっ?マリア!最近見かけないけど何してるのよ」
「えっ?暇を持て余してゴロゴロしてたとしか……」
「マリア!ちゃんと毎日顔を見せろよ。イリアが寂しがってたぞ?」
「マリア~マリアが居なくて寂しかったの!」
そういうとイリアがマリアに抱きついてくる。
イリアはこう見えて美少女なので10歳でも抱きつかれるととても嬉しいのである。
何故かマリアを含む周囲の女性は美少女率が異常に高いのである。
マリアを始め、シスタリアにイリア、シグニットにシェリルといった面々は超が付いてもいい美少女である。
面白いのがマリアを含むところである。
マリアはこう見えて物凄い浮世離れした美少女である。
30歳童貞のおっさんが転生したにしては凄いことである。
元のおっさんの時は特徴もなく平凡な男性であったが、異世界では誰もが羨みそうな美貌を10歳にして身につけ始めていた。
そんなマリアに心惹かれるエミリアだが今はどうでもいい事である。
抱きついていたイリアはマリアのすぐそばに浮遊しているドラゴンに気づく。
「マリア?ちっちゃいドラゴンが居るの?何でなの?」
「あぁ、このドラゴンはバハムートって名前で今日から俺のペットになったんだ」
「ドラゴンがペット?というか何処でそんなドラゴンを見つけたの?マリア?」
「召喚魔法を試したら召喚できたんだよ」
「召喚魔法で召喚ね……相変わらずめちゃくちゃだなマリア……でっ、今日超巨大なドラゴンが出たって騒ぎになってたがそれもマリアが関わってるのか?」
エミリアはいつになく鋭い事を行ってくるので正直に言う。
「あぁ、今日は久しぶりに全力の確認やら、新しい魔法や技の開発やらやってたから凄い騒ぎになってたのは知ってる。ちなみに超巨大なドラゴンはこのバハムートの本来の姿だ」
マリアがそう言うとシスタリアとエミリアは頭を抱える。
マリアはなんで頭を抱えてるんだと思うが、普通はそうなる。
イリアだけバハムートが気になる様で今はバハムートの頭を撫でている。
「少女よ我の頭を撫でるでない」
「えっ!このドラゴン喋るのか?」
「ドラゴンって普通喋らないの?なんか普通に喋るイメージがあるんだけど?」
「マリア……授業で習わなかった?人語を解するドラゴンってかなり上位なドラゴンだけよ?普通のドラゴンや低級のドラゴンは喋らないわよ」
「確かにそう聞いたけど低級のドラゴンってのがイメージしづらいんだよな……俺の場合……」
「イリアもよくわからないけどこのドラゴンさんはおしゃべりできて嬉しいの!」
「ドラゴンさんじゃなくてバハムートな。一応俺が召喚する時に名づけちゃったみたいでそうなったんだ」
「我はマリアに召喚されし召喚獣のバハムートだ皆よろしく頼む」
「えっと、よろしくねバハムート」
「俺もよろしく頼むよバハムート」
「イリアもよろしくなのバハムートちゃん」
「うむ、よろしく頼む」
「さて、それじゃあ俺が作った料理でも食べるか」
マリアがそう言って晩御飯がスタートする。
バハムートには骨付き肉を与えておいた。
ドラゴンなので肉に食らいつく姿が様になっていてカッコイイ。
マリア的にバハムートが召喚できたのは良かったと思うのであった。
数日が経ち。マリアはまたしても暇を持て余していた。
「あぁー、暇だー、何しようかな~」
そう言いながらベッドでゴロゴロする。
それを見ていたバハムートが言う。
「マリアよ、その様にだらけていては強くなれんぞ?」
「うっ、確かにバハムートクラスになると今の俺だときついし、今は居ないらしいけど魔王って最強の化物もいるらしいからな……鍛錬はしないとマズイな……」
「そうであろう?」
「でも今できる事はほぼ無いしな。魔法の開発も技の開発もひとまず終わったし、召喚獣もゲットしたしな……」
「なにかやる事は無いのか?」
「う~ん、やる事ね……そういえばジェレマイア侯爵が前に遊びにこいって言ってたな……暇つぶしに遊びに行くか」
マリアはそう言うと素早くジャージから修道服に着替える。
今日はバッチリ腰に十字剣を挿して出発する。
町へはダッシュで5分で到着した。
門でいつもの様にチェックを受け門をくぐる。
ちなみにジェレマイア候爵邸の場所を聞いたが、どうやら北の方の富裕層が住むエリアに住んでいるらしい。
マリアはジェレマイア候爵の家を尋ねるにあたり、異空間収納にはショートケーキがホールで用意してある。
一応お土産として、渡すつもりでいるが、元々は異空間収納が完成してから色々と放り込んでいた中の一つに過ぎない。
ついでにマリアのオリジナルブレンドティーも用意してあるので、これでお茶会をする予定である。
お供としてバハムートも付いてきているが、門では多少驚かれたが小さいドラゴンなので脅威はないと判断されて通らせて貰えた。
バハムートを驚異がないと判断する門番の気がしれないと言いたいところだがこの姿から、衛星砲をぶっぱなすドラゴンをイメージする方が難しい。
ちなみにこのサイズでもメガフレアは放てるが威力は小規模な爆発程度なので、そこまで脅威がないのは本当である。
そんな考えをしてる間に巨大な邸宅が並ぶエリアにつく。
色々な家の前には門番がおり、ちょうどいいので道を聞きながらジェレマイア邸を探す。
数ある家の中でひときわどでかい邸宅の前にやってきたマリアは門番に尋ねる。
「すみません?ここはジェレマイア候爵邸であってますか?」
「ここはジェレマイア候爵様のお屋敷である。お前のような修道女が訪ねてきていい場所ではない!立ち去れ!」
そう言われてマリアはムッとくる。
ジェレマイア侯爵に呼ばれたから来てやったのに、なんでこんな事言われないといけないのかと。
まぁ、マリアとしても一門番にそこまで期待はしてないので身分証を見せて告げる。
「俺は聖女だ!ジェレマイア候爵には侯爵の方から訪ねてくれと言われてきてやったんだ文句あるか?あぁ!?」
マリアはチンピラのように門番に絡むが門番はマリアの身分証を見て顔を真っ青にしている。
「すっすみませんでした。聖女様。至急ジェレマイア侯爵様にお尋ねしてきます」
門番はそう言うと駆け足で家へと駆け込む。
ちなみに門番は2人居たのでもうひとりはマリアから目を背けて怯えていた。
しばらくすると、門番と執事らしき人物が現れる。
「どうも私はこちらのお屋敷で執事をさせてもらってる者です。門番の無礼、お許し願いたく存じます」
「いえ、呼ばれたから来ただけなんで来ないで欲しいなら帰るから気にしなくていいですよ」
マリアはそう言うと帰ろうとする。
すると執事が頭を下げながら言う。
「マリア様。どうかお待ちください。当家の当主であられるジェレマイア様はお会いになるとおっしゃっています。直ぐに連れてくる様にとも言われております。なので先程の無礼はお許し下さい」
執事はそう言うと再度頭を下げるのでマリアはしょうがないなと執事に言う。
「そこまで言われたらしょうがないのでついてきますが、見た目で判断していきなり追い返すのはやめた方がいいですよ?」
「門番の事でしたら許して下さりませんか?流石にこんな小さな修道服を着た少女がジェレマイア候爵様の客人だとは判断できないでしょう……」
「まぁ、俺は確かに小娘だが、最低限の礼儀はあるだろ?」
「それはそうですが……」
「まぁ、俺も大人気なかったよ。門番の人は気にしないでいいよ!でもこれからは気をつけるんだな」
マリアがそう言うと門番は頭を深く下げるので、マリアは門番いびりという暇つぶしをやめるのであった。
ちなみにマリアは本当は門番の態度に別に怒ってはいなかったのだが、折角なら暇つぶしにジェレマイア侯爵を困らせてやろうと仕組んだだけであった。
こうして通された家にはジェレマイア候爵が婦人とと次男のフリーデルが迎えてくれた。
なのでマリアはとりあえず挨拶をする。
「この度は突然の訪問に対応していただきありがとうございます」
「マリア様。門番が失礼をしたみたいで申し訳ありませんな」
「あぁ、ジェレマイア候爵様を困らせてみたくてしただけなので気にしないでください」
「はっはっは、マリア様は掴みどころがないお方だ。でっ、そのドラゴンは一体なんでしょうか?」
「あぁ、俺の召喚した召喚獣のバハムートだあまり気にしないでいいぞ」
「そうですか?小さいとは言えドラゴンをお供につれているのは驚きですな」
「そりゃどうも……それでそちらの女性は?」
「あぁ、これは私の妻でしてパルミラと言います」
「マリア様。この度は当家へお越しいただきありがとうございます」
「ほう、ジェレマイア侯爵はいい奥さんが居るようですね?ちなみに他に奥さんは居ないんですか?」
「はっはっは、私は貴族ですが側室は持っておりません。正真正銘、妻はパルミラただ1人です」
「へぇ、いい旦那さんを持ちましたねパルミラさん」
「えぇ、ニクラスの事は最も信頼している自慢の旦那です」
「ふぅ、いやーラブラブですね。それとフリーデルさんでしたか……晩餐会以来ですね?」
「マリア様。今日は当家にお越しいただきありがとうごさいます」
「とりあえず挨拶も終わりましたしお茶でもしませんか?庭園があるならそこにはもちろんテーブルもあるんでしょ?」
「はぁ、ありますが?」
「なら、ちょっとキッチンをお借りしてもいいですか?」
「いいですが……何をするおつもりですか?」
「あぁ、お土産のケーキとオリジナルブレンドティーを用意してくるだけです。案内の方をつけていただければ先に庭園へ行ってても構いませんよ?」
「ほぉ、興味が湧きますが、お先に庭園へと行っています。えっと、パルミラとフリーデルも一緒でいいですかな?」
「いいですよ。フリーデルさんには剣も教えるつもりで来たので、お茶の後ちょっと鍛錬しましょう」
「剣の鍛錬ですか?その様な事マリア様に頼むわけには……」
「ジェレマイア候爵様……フリーデルさんに言ってないんですか?」
「あっはっは、マリア様がこんなに直ぐに来てくれるとも思ってませんでしたし、正直社交辞令かと思ってたもので……それに流石にマリア様に剣の稽古をつけさせるのも変といいますか……」
「はぁ、ジェレマイア候爵様は私の実力がイマイチ分かってない様ですね……いいだろう持ってきたお土産も一級品だしお茶だって一級品だ。存分に驚がいいさ」
「では楽しみにさせていただきます」
ジェレマイア候爵はそう言うと庭園へと向かう。
マリアは案内焼くの執事服の男性にキッチンへと案内してもらい、異空間からケーキ等を取り出す。
するとその場面を目にした者は軒並み驚いていたが気にせず用意をして庭園へと向かう。
ちなみにマリアの横に常に居るバハムートは驚かれはするが小さい為かスルーされ気味である。
こうして準備は整い庭園でお茶会が始まる。
「えっと、これは何ですかな?」
「いちごのショートケーキだ。俺が作ったお菓子だよ」
「ケーキですか……この様なケーキは見た事がないですな……」
「とりあえず食べましょうよ。パルミラさんも食べたそうにしてますよ?」
「えぇ、とても美味しそうなので早く食べたいです……貴方?食べてもいいですか?」
「あぁ、いただくとするか……」
そう言うとニクラスとパルミラ、そしてフリーデルがいちごのショートケーキを食べる。
すると感嘆の声が飛び出る。
「うおっ、甘くて美味しいな……この濃厚なクリーム……このパンの様な層も美味しいですな」
「えぇ、本当に美味しいです。うっ、このお茶も凄く美味しいですわね……このお茶もマリア様が?」
「あっ、はい。俺が淹れましたよ?」
「ケーキもお茶も美味しい……超一流の職人が作ったと言われても信じそうだ……マリア様が晩餐会で言っていた事は真実だったのか……」
「フリーデルさん……俺の言うこと信じてなかったんですか?」
「いえ、信じてないというより、この様なレベルだと思わなかったので……天職以外の事は普通は並かちょっと上程度にしか上達しない物なので……」
「あぁ、そういえばそんな縛りがあったんだったな」
「驚くといえばマリア様の言葉遣いにもなのですが……」
「あっはっは、そらは驚くだろうフリーデルよ。私も最初はこの変化に驚いて、話してた事は嘘かとマリア様に聞いてしまったからな」
「父上……何をしてるんですか……」
「いや、普通に驚くだろう?マリア様は晩餐会中は見事なまでの振る舞いだったのに猫を被ってただけなのだから……」
「まぁ、父上の言いたい事も分かりますが……それで私と剣を交える様な話も出てましたが本気ですか?」
「そうですね……ケーキも食べましたし、剣の鍛錬をしましょうか?ちょうど庭園は広いですし……」
「えっと、ケーキおかわりしてからでもいいですか?後お茶も……」
「えぇ、いいですけど……フリーデルさんも気に入った様ですね……」
「えぇ、とても美味しいです……お茶も凄いと思います……ただ剣はそう簡単にいきませんよ?自分は天職が剣士ですし、歳の割に凄いと言われますので」
「へぇ、それは楽しみだな」
マリアはそういうとフリーデルの準備が整うのを待つ。
ケーキとお茶を堪能したフリーデルは自分の装備を持ってきて、マリアの前に立つ。
「さて、それでは剣の鍛錬をしますか?」
「いいですけど、怪我しないように手加減するので気をつけてくださいマリア様」
「はぁ……フリーデルさん?俺を舐めてると痛い目見るのはそっちだぞ?」
「マリア様はどの程度剣を扱えるのですか?」
「ふぅ、甘口中辛辛口あるけどどれにする?」
「甘口中辛辛口?」
「手加減するか、まぁまぁの力で相手するか、思いっきり相手するか……全力でやってもいいけど……どうします?全力なら超辛口ですが?」
「では全力でお願いします……私も全力でいかせていただきますので……ただ寸止めでやらせていただきます」
「そうか……まぁ、寸止めというのは同意だ……なら今から全力出すけどついてこいよ?」
マリアはそう言うと一刀修羅を発動させる。
もちろん名前だけで、一分間の制限はなくなっているので既に別の技ではあるがわかりやすくそう呼称する。
マリアは技を発動させて一瞬でフリーデルとの間合いを詰める。
そして、首筋に剣を当てる。
「勝負ありですね……」
「えっ!」
「なんだ今のは……マリア様が一瞬でフリーデルの懐に……」
「どうなってるんですか?」
「いや、全力を希望されたんで全力を出しただけだけど?」
「次元が違いすぎる……一瞬で間合いを詰めるなんて……まさか瞬間移動か?」
「ジェレマイア候爵様?瞬間移動じゃないですよ?ただの高速移動です」
「高速移動にしても移動速度が異常だ……こんなのフリーデルでは……いや普通に常人は対抗できない……」
「エミ兄なら反応くらいはするんだけどな?この状態でも……まぁ、勇者でもこの全力はついてこれないから、いつもエミ兄を相手にしてる感じでやりますよ」
「エミ兄って言うのはエミリアと言う勇者の少年の事ですか?」
「ジェレマイア候爵様の言う通り、この間の晩餐会にいたエミリアと言う勇者の少年の事ですよ」
「そのレベルでもフリーデルではついていけないのでは……」
「くっ!私にも意地があります。マリア様お相手をお願いします」
「フリーデルさんは意外と負けん気が強い方ですね……いいだろう。これは鍛錬だ。しっかりと鍛えてやる!かかってこい!」
マリアがそういうとフリーデルは力の限り剣を振るう。
しかし、悲しいかな、身体強化は魔法力で身体を強化する物なので、男性であるフリーデルでは身体強化すら出来ない。
当然身体強化も出来ない剣士ではマリアの相手はきつすぎるのである。
マリアはこの間の技開発で勇者の特性まで得たので常に全力全開に力を振るう事すら可能である。
しかも支援魔法は通常他人にしか掛けられないが、マリアは自身にかけることが出来る。
身体強化プラス支援魔法を使うマリアは通常でも物凄く強い。
その上全力で魔力を自身の強化に使ったら、ほぼ無敵状態である。
フリーデルでは一介の剣士レベルでしかないので勇者のエミリアにすら足元すら及ばない。
ただ、一剣士としては確かに年齢的に見れば強い方だとマリアは思った。
なので、フリーデルに手加減しながら上手く剣を操るコツを身にしみて分からせていく。
フリーデルはマリアの尋常じゃない強さを知ったので、素直にマリアの言う通りに剣を研ぎ澄ましていく。
三時間位剣の鍛錬をしたところでフリーデルがもう無理と言ったのでとりあえず鍛錬を終了する。
すると黙って見ていたジェレマイア候爵やパルミラがマリアに話しかけて来る。
「いやーマリア様は剣も尋常じゃなくお強いですね……というか勇者の領域に足を踏み入れているのではないでしょうか?」
「マリア様……フリーデルを鍛えていただき有難う御座いました。マリア様は凄くお強いのですね……聖女様と聞いていたのでもっと魔法が凄いのかと思っておりました」
「そうですね。自分は色々と鍛えてるので、基本ほぼなんでも出来ると思いますよ?普通に回復魔法も生活魔法も得意です」
「おぉ、そういえば、マリア様がパンの販売を始めたと報告がありましたな……なんでも最下級の小麦粉を買ってそれを最上級の小麦粉にしてパン屋に売っていると……」
「あぁ、そんな情報まで手に入れてるんですか。まぁ、その小麦粉を変化させる魔法が生活魔法なんですが、最下級の小麦粉を最上級に出来るので売れば結構儲かるんですよ」
「言うのは簡単ですが……そんな魔法を使えるのはマリア様だけではないですかな?」
「マリア様……なんでも簡単そうに言いますが貴女は異常ですよ……」
「フリーデルさん?私が怖くなりましたか?」
「正直怖さも感じました。ですがそれ以上に魅了されました……出来れば本当に私のお嫁さんになって欲しい位です……」
「フリーデルさんのお嫁さんですか……結婚は考えていないのですみません……」
「あはは、いいのですよ。それにマリア様には勇者であるエミリア様も居ますしね」
「あっ!勇者だけどエミ兄は無いな……エミ兄のお嫁になるくらいなら人生やめるわ」
「そうなんですか?仲良さげに見えたのですが……それなら私にもチャンスがあるのでしょうか?」
「そうですね……チャンスはあるんじゃないですか?まぁ、俺は結婚する予定ないですし」
「そうですか……マリア様に振り向いてもらえるように精進したいと思います」
フリーデルはそういうと流石に疲れすぎたのかその場に座ってします。
そこでジェレマイアが話しかけて来る。
「そう言えばマリア様は鍛冶もやられてる様ですね?」
「よくそんな情報を手に入れましたね……」
「いえ、たまたまですが、この町で一番と評判のシグニット様に弟子が出来たとなれば噂にもなります……しかも、弟子は魔王鍛冶師では無く聖女だったと聞けば真っ先に思い浮かぶのはマリア様ですよ」
「あぁ、そうですね……この町に居る聖女ってそもそも俺しかいませんし……それにシグニット師匠ってあれでかなりの有名人でしたね……」
「シグニット様はとても有名ですよ。錬金術師のシェリル様も含めてです」
「シェリル師匠も有名なのか……」
「シェリル師匠?マリア様……もしかしてシェリル様にも弟子入りを?」
「えぇ、錬金術を教えてもらってます」
「ふむ、そうですか……」
「どうかしたんですか?」
「いえ、近々実はフリーデルの誕生日に装備をプレゼントしようと思ってまして、シグニット様に頼もうかと思ってたんですよ」
「へぇ……フリーデルさんの装備ですか……ていうかプレゼントバラしていいんですか?」
「まぁ、渡す時のサプライズは無くなりますが教えても構わないでしょう」
「父上……まさかシグニット様の装備を自分の為に用意してくれようとしていたとは感激です」
「ふ~ん……あっ!いい事思いついた!俺にもフリーデルさんのプレゼントに協力できないですかね?」
「うん?といいますと?」
「俺がフリーデルさんの装備を完全にオーダーメイドで作りますよ!これでも結構褒められたんですよ?」
「マリア様に装備を作って貰うですか……すみませんな……それはお断りさせていただきます」
「えっと、理由を聞いても?」
「ええ、この町一番と評判のシグニット様の装備をやっぱり送りたいので、マリア様には申し訳ありませんが……」
ジェレマイア候爵……ニクラスはそう言うと頭を下げる。
だがそこでフリーデルが話に入ってくる。
「あの父上。シグニット様の装備は大変嬉しいのですが、マリア様に装備を作ってもらってはダメでしょうか?」
「駄目ではないが……町一番……いやこの国一番の魔法鍛冶師の装備が手に入るチャンスを棒にふる事になるんだぞ?いいのか?」
「私はマリア様に作っていただきたいです。シグニット様の装備が手に入るという事はもう知ってしまいましたし……その上で、マリア様と戦った今、自分にはまだまだその様な装備はふさわしくないと思いました……」
「そうか……本当にいいのかフリーデルよ」
「えぇ!それに今の話だとシグニット様の弟子にマリア様はなったのですよね。町一番の鍛冶師の弟子の作品だって十分凄いじゃないですか!私はマリア様の装備が欲しいです!」
「フリーデルさん……」
マリアはこの会話を聞いてフリーデルの好感度が一気に上昇した。
ここまで言ってもらったからには本気でフリーデル専用の装備を作りたくなった。
そこでニクラスにお願いする。
「ジェレマイア候爵様……いえニコラスさん。どうか俺にフリーデルさんの装備を作らせてもらえないでしょうか?お願いします」
マリアはそういうと珍しく本気で頭を下げる。
そうすると熱意が伝わったのかニクラスがマリアに言う。
「フリーデルがここまで言うならいいしょう。マリア様にフリーデルの装備を作ってもらってもいいですかな?」
「えぇ、承りましょう」
「ふむ、フリーデルは強いとは言ってもまだ12歳……そうだな金に物を言わせてアダマンタイトの装備にする事も出来るが分不相応だな……」
「一応俺はまだ鉱石系の装備しか作った事が無いので、魔物の素材から装備は作れませんが……」
「ふむ、そうなると、鉱石系なら、魔力的に優れた銀装備か……でも流石に銀ではプレゼントにならないな……ならミスリルではどうだろうか?」
「それなら多分大丈夫です。そうですね……フリーデルさんならミスリルの長剣とミスリルのプレートアーマーでどうですか?天職が剣士ならフルプレートや盾は邪魔でしょうし」
「ふむ……だが、剣は長剣でいいが盾は装備した方がいいのではないか?」
「いえ、片手で剣を握って攻撃するのはフリーデルさんの場合は難しいでしょう……身体強化なしで片手で剣を握っては決定打に欠けます。それなら両手で長剣を握った方がいいでしょう」
「剣に通じるマリア様がそう言うならその方がいいのかもしれないですな……分かりましたいいでしょう。では素材はミスリルで長剣とプレートアーマーをお願いできますか?」
「ちなみにフリーデルさんは剣やプレートアーマーの色は何色がいいですか?」
「色ですか?そうですね赤い鎧や剣とか格好良いかなと思いますが、ミスリルではミスリルの色にしかならないでしょう?」
「そうですね。まぁ、誕生日を楽しみにしててください。さて、そうと決まればそろそろ帰りますね」
マリアがそう言うとジェレマイア候爵……ニクラスやパルミラ、フリーデルが感謝の言葉をマリアに言う。
ちなみにいちごのショートケーキがもっと食べたいとジェレマイア家の皆に言われたのでたまに差し入れにきますと告げると大喜びであった。
マリアはこうしてフリーデルの為に装備を作る事にしたのであった。
暇を持て余していたマリアはちょうどいい暇つぶしを得たと上機嫌でシグニット工房へと向かった。
はい、ここまで読んでくれた方ありがとうございます。
そして、毎日更新が28時という時間になってしまってすみませんでした。
今回はジェレマイア候爵邸に行く話。
とりあえずバハムートをシスタリア達に紹介してから暇人マリアがジェレマイア侯爵を尋ねる話。
ジェレマイア邸では門番に追い払われるも、身分証を見せて無事解決。
しかし、マリアは暇を持て余していたので門番を込まれせることでジェレマイア侯爵を困らせる事を思い付き悪さをする。
結果皆に謝らさせ暇を解消する嫌なおっさんであったw
ジェレマイア侯爵に会うと奥さんのパルミラを紹介される。
ちなみに貴族は一夫多妻が普通なので他に奥さんが居るか聞くと意外でパルミラのみと言われる。
マリアはラブラブですねとジェレマイア候爵をちょっぴり感心すると、ジェレマイアは当然みたいに言います。
女の子のハーレムを目指すマリアには耳が痛い話ですが、その後は息子のフリーデルに再会の挨拶をされます。
その後、キッチンを借りて庭園でケーキでお茶会をします。
いちごのショートケーキは当然というかこの世界ではまだない食べ物だったので皆食いついましたw
ケーキも食べていざ剣の鍛錬と思ったらおかわりをする始末w
その後鍛錬へ。
鍛錬は甘口中辛辛口あるよと言うが、超辛口もあると言うとそれを選択。
さっそくマリアの最強の技である常に一刀修羅を発動して瞬殺w
まあ殺してはいません、寸止めですが、あまりの速さに皆驚き……。
マリアの尋常でない力を目の当たりにして、結局普通に鍛錬。
マリアの鍛錬によりフリーデルは短時間で急成長……でも所詮ただの剣士……。
それでも剣士では強い方のフリーデルに父親からのプレゼント発表。
プレゼントはなんとシグニットの作ったオダーメイドの装備。
しかし、あまりのマリアとの実力差にシグニットの装備はふさわしくないと辞退。
代わりに弟子になったというマリアの装備を希望するが、それでいいのか聞かれてハイと答える。
その事に感動したマリアは全力で装備を作ると決意……えっと全力で装備を作ると決意(重要な事なので二度言いました!)
マリアは素材を作る段階で素材の限界値を突破する異常な錬金術師です……そして、その素材を元に、マリアの膨大な魔力で作る恐ろしい装備品……。
銀装備でアダマンタイト上級武器を作るマリアが本気で装備を作る……。
しかも銀の上の鉱石であるミスリルを使って……。
ジェレマイア達はシグニットの装備が上だと思ってた様だが……。
さて、マリアさんはどんな装備を作るのでしょうか?
次回をお楽しみに♪
感想お待ちしてます。
あと今回は遅れて本当にすみませんでした。
そういうこともあるのでブックマークを忘れずにするようにしてくださいね?
と勧誘してみる……。
皆さんこれからもこの作品をよろしくおねがいします。