脱獄
牢から脱出です!
※リアル多忙につき、更新時間が遅れました。
カチャリ ゴト…
牢屋の入り口にある大きな木扉の解錠と開く音がした。
侵入した二人は扉を開けた。
サイズが合わない白いコートの裾を引きずり、フードを深くかぶった、背のとても低いメリロイの子供連れの人物を注目した。
「女神様が舞い降りてきてくれたようだ」
その娘を見てブノは笑った。
「早く!二人とも外に出て!」「むっむっ!!」
檻から出てすぐに、第三者の人影を見た。
ミフは警戒するも、ブノの反応を見て改めた。
「あなたは……」
「やあブノ。久しぶりだね」
ボットという青年は笑顔を見せた。
○マツカイサ城 階段
牢屋の隣にある囚人の手荷物保管庫から武器や装飾品を取り戻して、元王国騎士団員ブノを先導に真ん中にフーム・ムフー、後ろに俺という列で王座に向かっていた。
それも突然現れた青年。ボットの話が原因だ。
・お前ら二人は明日の午前中、皇帝特権で火あぶりね。
・で、その皇帝の様子が少しおかしい。黒幕によって。
・というか、全ての黒幕が皇帝と一緒にいる。このままでは危ない。
「黒幕はセンツ」
噛みしめるように、ブノはその名前を聞く。
「ボットという青年は、信用に足るのか?」
ミフは、ボットという青年についてフームから話を聞いた。
「とても凄いワザを使っていたよ! ボルケーノソードとか」
そう言うように城内で檻の前まで案内してもらったらしい。
その割にブノの反応は悪かった。
「敵では無い」
それだけしか聞けなかった。
「脱走者だ!捕まえグハッ!」
「ゲフ!」「グフッ!」「ヒデブッ!」
前で階段を固めている兵士の列をいとも簡単に、朱槍を振ってなぎ倒していく。
その姿、まさに歌舞伎者のごとく駆け抜け、階段を上る。
伊達に一つの大陸最強の精鋭部隊にいただけのことはあった。
あっという間に黒幕のいる(らしい)王座に到着した。
○マツカイサ城 王座
「二人とも来ましたか」
黒幕……黒マント男、俺たちを連行した張本人、センツが出迎えた。
傍らには、焦点の合っていない皇帝がボーと立っていた。
他に、護衛の城兵は見当たらない。
「ブノ=アウフ=フェリヒ。皇帝特権で明日の午前に処刑の命が出ていますが……。
今ここで殺っても問題なさそうですね」
「ほざけ。今の皇帝のように、かつての俺の仲間も操っていたのだろう。センツ。死ぬのは貴様の方だ。」
「ほう。あの村の実験で生き残ったのは運だけじゃないようですね」
ブノは今まで見たことのない怒りで満ちていた。
鬼のような赤く煮えたぎる覇気を目の前の奴向かって突っ込む。
「過去最年少最強と噂された槍使いが先走りましたね!」
センツは呪文を唱え、岩のような大きさの煮えたぎる火の玉を投げつけた。
石造りの床を燃やしながらブノに向かう。
それでも後ろにいるセンツに向かって走る。
自殺行為だ。
ブノの体が炎に包まれていく。
「突っ込むしか能のない単純な奴が!」
センツが吠えた。
「いいえ。まだよ!悪人さん!」「むっ!」
中心から煙を尾に引いて火の玉を食い破って、体を大きくしならせた。
利き足である右足裏で地面を蹴る。
そのまま、十八番の入魂の一突きがセンツの首を両断した。
そのまま慣性に逆らわず、向こうの壁まで槍は深く刺さった。
刺さった槍にもたれかかりながら、ブノは肩で呼吸している。
「やった!」
背中の後ろでは、まだセンツの首が宙に浮かんでいる。
「まさか、自分の術を昇華させるただ(・・)の(・)消耗品にここまでいとも簡単に屈辱を受けるとはね」
体と切り離されても、センツの首は言葉を発した。
「確かに。かなり引っ張った黒幕は、やられるのはあっという間だ」
壁にもたれながらブノはそう言った。
「百年前ぐらいの先祖が、バルジャック王国の民を一人残らずイシャララに献上し、子孫に代々受け付いていくこのホイシャルワールドを覆う守護竜“ベリュアン”の力を憑依させてもらったのに。力がもったいないな……。俺死ぬと」
ベリュアン?確か、マルンの左手の甲に描かれていた刺繍……。
それより、こいつの先祖がマロンがいた国の人たちを殺し、滅亡させた張本人の末裔!!
スルスルとほしい情報が入ってきた。
しかも、それを理解するのにミフの情報処理に時間がかかった。
隣であごを外してまた、フームとムフーは驚愕している。
その間に、切断面から黒い煙がそれぞれ出てきて絡まりあい、センツは元通りの肉体に戻った。
全然身体を動かせなかった。
歯を噛みしめて見るしかなかった。
この場を支配するのは、ただ一人。
この時間はセンツが再攻撃するのに十分すぎた。
「俺の年表に灰になったと刻み込め!!」
今さっきよりかなり大きいエネルギーの火の玉が床を溶かしながら放たれた。
ブノは動けない。
※翌日掲載分より、夜一話ずつの更新とさせて頂きます。
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