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クラス丸ごと異世界召喚~無人島から始まる異世界冒険譚~  作者: 久遠
第三章・獣人国編

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61・取り敢えず、獣人国を目指します

今回から新編である『獣人国編』が始まります。

割りとモフいキャラが多くなると思われますので、その手の話が好きな方はまあまあ楽しめる……かも?


ブックマークにて応援してくださった方々に感謝ですm(__)m


『獣人国へと行く』


そう決断した俺達の行動は、『迅速』と言うのに相応しいだけの素早さで行われた。


その日の内に俺が魔王へと会いに行き、近い内にこの『魔王国』を一時的に出る旨の説明を行うと、これまた済まなそうな顔をされながらも、また必ず戻ってくる事を条件に、『獣人国』との境に有る関所の通行券を発行してもらった。


そして、俺が魔王の所に行っている間に、タツとレオは食料を始めとした必需品の買い出しに、女性陣は荷物を纏めて出立の準備に、アストさんにはギルドへの通達と、道中で受けられそうな依頼の選定、べリスのおっちゃんの様に仲良くなった冒険者の人達へと『近々出立する』事の通達を、サーラさん達には移動時に必要になるであろう馬車の調達をそれぞれお願いしていた為、あっと言う間に後は出発するだけ、と言う段階まで進める事に成功したのである。

……まぁ、その中で、サーラさんが『超巨大リアカー』みたいなモノを持ってきた上に、まるで人の頭に固定して使う様な手綱と、馬車に乗りながら使うのでは少々短い様に見える乗馬鞭を俺に渡し、物凄くワクワクとした表情をしながら俺を見詰めつつ、クルリと後ろを向いて


『どうぞ!お試し下さい!!』


とか言い出した時には、さすがに気が遠くなりかけたけどね?


……実際に試してみたのか?


…………ノリと呆れと冗談と、更にホンの少しの怒りを込めて一回だけ、出来るだけダメージの少なそうな下半身に一回だけ、ボケに対する突っ込みの様な勢いで降り下ろして見たのだが、そうしたら


『ありがとうございます!!』


との叫びと共に、身体を痙攣させた後、幸せそうな顔をしながらグッタリしていました。

……どうやら、彼女は、ホンモノの様でした。



そんな想定外のハプニングを挟みながらも、現在俺達は魔王国首都であるクラニアムを出発し、一路『獣人国』を目指して馬上の人となっている。

……俺『だけ』は。


……何故に『俺だけ』なのか、と言うと、他の面子は基本的に、あの後俺が直接店まで行って買ってきた馬車(例に漏れず、動力は『馬』ではなく四足のモフモフだが)の方に乗り込んでいるのだが、俺だけは、本人からの懇願と、馬車に乗り込もうとした際の棄てられた子犬めいた眼差しに負けて、サーラさんの背中(?)にて跨がり、サーラさんの歩みに合わせてユラユラと揺られているのである。


金だけは対『小鬼(ゴブリン)』戦線の際の褒賞金がまだ山程残っていたので、十人以上が同時に乗り込んでもまだ余裕が有る、って言う位のサイズのモノを買ってあったので、わざわざ俺の分のスペースを空けてやる必要は無いのだし、俺個人としては乗馬の経験も皆無だった事もあり、最初は断ったのだが、本人から『是非に!』とのお願いと、半ば無理やり乗り込もうとした際の泣きそうな眼差しに罪悪感を刺激されまくり、こうして一人で揺られている訳である。

……別段、そこまで狭くないとは言え、実質的に閉鎖空間に近いような馬車の中で、一時期よりは落ち着いているとは言え、乾達四人(乾、先生、久地縄さん、阿谷さん)からの攻勢に耐えたりだとか、それらの隙間隙間でさりげなく行われるアストさんによるボディタッチだとかに恐れをなしたのではないのである。

……無いったら無いのだ……。


まぁ、その代償として、乾、久地縄さん、先生からは時折恨めしそうな視線を、アストさん、阿谷さんからはまるでペットがなついてくれない、みたい視線を向けられる事と、一定間隔でサーラさんから視線にて『鞭入れ』を要求され、それを無視していると徐々に、されども確実に移動速度が落ちる為に、毎度仕方なく『ピシャッ!!』っとやらされる訳である。

……正直、これはこれで中々に精神に負担が掛かるモノが有るが、下半身が暴走する事に直結しかねない拷問染みた接待(in馬車)を回避した代償だと思えば、まだ気の持ち様も有ると言うモノだろう。


「……いや、お前はまだマシだとおもうぞ?」


「そうそう~、僕らと比べると~、まだ扱いがまともだと思うよ~?」


そんな風に考えながら、心の平安を保つべくカーラをモフり、リンドヴルムを頭にへばり付かせていながらも、確実に沈んだ雰囲気を出していたであろう俺へと、タツとレオの両名が声を掛けてくる。


だが、その声には、何時もの通りの覇気は無く、何処か疲れ果てた様な、何かを諦めた様な色が濃厚に混ぜられており、二人の方にも確実に何かしらの精神的ダメージが与えられているのであろう事は、まず間違い無いと容易に予測出来た。

……まぁ、『予測』も何も、目の前で実際にヤられているのだけどもね?


何せ、タツはタツでサーフェスさんの下半身である蛇体によって手足やら胴体やらに巻き付かれながら、馬車の速度に合わせて下半身を這わせて移動している彼女に『運ばれる』形で移動しており、その顔はパッと見た感じでは『悟り』でも得たのかね?とでも突っ込みを受けそうな程に無表情であった。

……何故か、それをやらかしている張本人であるサーフェスさんは、その中々に立派な果実をタツに押し付ける様に抱えつつ、その何処か蛇に似た様な印象を受ける美貌に笑みを浮かべながら、先端が二股になっている長い舌をチロチロと震わせている。


まぁ、最初は文字の通りに『全身グルグル巻き』の状態で運ばれていたので、今の状態はまだマシなのだと思い込んでいるみたいである。


そして、レオの方はレオの方で中々に珍しく『ゲッソリ』した様な表情を浮かべているが、別段こちらは俺達の様に馬車の外側にいる訳ではない。


では何処で何をやっているのか、と言えば、唯一馬車の中にいて、身の回りの一切をシンシアさんにアレコレと世話をされているのである。


それを聞くだけならば、何故にそんなに『ゲッソリ』した表情に鳴っているのか?と言う疑問が出てくるだろうし、馬車に揺られながら他の人に世話してもらっている何て、何処の貴族様かよ?とも思われるだろうが、実際の処はそんなに良いモノでも無い様子である。


何せ、喉が渇いたから、と水筒に手を伸ばせば取る前に取られて飲まされ、小腹が空いたから、と携帯食を詰めておいた小袋に手を伸ばせば横から取られて食べさせられる。その上、休憩の時に用足しに立とうとすれば、『お手伝い』とか言う理由を付けて着いてこようとし、夜寝る時にも、『良い睡眠の為に!』だとか言いながら、レオのテントに潜り込んで添い寝しようと試みたりと、甲斐甲斐しくも悩ましくレオの世話を焼こうとしてくるのである。


……確かに、俺達が元居た世界のライオンも、メスがオスの世話をする、みたいな習性があった事は知っているが、さすがにこれはやり過ぎではあるまいか?と思わなくもない。


世話されているレオにしても、最初は断ったりしていたのだが、その度に悲しそうで寂しそうな顔をされてしまい、一日二日とそれが続く内に良心の呵責に耐えきれなくなり、結局の処として用足しと添い寝は辞めて貰う事を条件に、それ以外はある程度ならば、と半ば諦めた様な表情をしながら受諾しているのである。


もっとも、世話しているシンシアさんにしても、本能的な部分で『やらされている』訳でもなく、自ら望んでやっているみたいであり、その顔にはレオに逃げ回られていた時の様な沈んだ雰囲気は欠片も無く、ただひたすらに可憐な笑顔で甲斐甲斐しく世話焼きをしている様に見てる。

そして、その世話焼きの対象にされているレオなのだが、どうやら本気で嫌がっている訳ではない様にも見える。


それは、タツにも同様に言える事だろう。

何せ、俺達はそれなりに付き合いが長いために、二人が本気で嫌がっているのであれば、それが女性相手であれ実力をもって排除しに掛かる、と言う事を熟知している。

そして、その事実から照らし合わせて見れば、ただ単に『恥ずかしがっている』だけであり、内心としては綺麗な女性に巻き付かれたり(?)可愛らしい女の子に世話されたり(?)している事については、割合と嬉しく思っているんじゃないだろうか?

ああ見えて、二人とも女っ気があまり無かったし、忘れられているかもしれないが、俺達は十代半ばの『男子高校生』である。

女性から優しくされて、嬉しくなったとしても、それは仕方の無い事だと言っても良いのではないだろうか?


……俺の現状?

……俺は……ほら、助けてしまった以上は、放置するのもなんか違う感じがするし、ね?


それに、本人やら仲間の二人やらに聞き込みしてみた結果として、あの時の重傷と、俺からの言葉責め(もう少し言い様が有ったのでは……?)によってそっち方面(ドM)に目覚めたらしく、その責任を取っているとも言える……かも知れない。


まぁ、幸い……なのかはちょっと置いておくとしても、どうやら彼女達が俺達に何かと好意的なのは、あの時の『主様』発言によるモノであり、そっち方面に目覚めてしまったのがサーラさんだけである上に、他の二人は別方面に嗜好が傾いている以上、種族全体の傾向としてそっち寄り、と言う訳ではない事だろう。

……流石に、覚醒したら種族全員ドMとかは勘弁願いたいからね……。



そして、昼間はそんな彼女達に運ばれつつ、途中で通過した関所の兵隊さんや、すれ違った旅人や同業者(冒険者)何かから訝しげな自然や、彼女達を心配する声の中で、一番多かったのは『無理やりやらされているいるのであれば、俺達が助けてやる!』だったと思うが、大半が事情(彼女達が好きでやっている事)を説明されたり、俺達の名前を聞いて納得(『小鬼(ゴブリン)』戦線の顛末が広まって来ている模様)したりで、穏便に済んでくれたのだが、彼女達目当てで声を掛けてきていた連中は、それでもなおしつこく食い下がって来たりした為に、俺達へと修行の成果を見せる為のターゲットとして処理されたりと、中々に『ソフト』な道中となっていた。


……どの辺が『ソフト』なのか?

…………俺達の修行(生き地獄)に比べれば、どんな事が起きたとしても、大概は『ソフト』で済むさ!ハハッ!(血涙を流しながら)


そして、夜は夜で、乾が昼間は嗅げなかった分を吸引しようと飛び掛かって来たり(受け流して転がす)、久地縄さんが刀を砥石で研ぎながらサーラさんを見詰めて、馬刺しって美味しいですよね……、だとか呟いていたり(流石に止めた)、先生が食事を食べさせようとしてきたり(逆に食べさせてみたら真っ赤になって意外と可愛かった)、アストさんの天獄に捕まりそうになったり(他の面子が止めに入った)、阿谷さんがテントの中へと入ろうとしてきたり(世話しに来たのだとか)、既にテントの中にあられもない姿で侵入していたサーラさんを蹴り出したり(全裸に縄だけは辞めておいた方が良いと思います(真顔))しながら、時に見張りの夜番に立っている時に(性的に)襲われそうになったり、似た様な状況になっていたタツとレオと共に夜の森へと逃げ込んだりしながら、旅を続ける事約二周。


数日前に魔王国側の最後の関所を通り抜けた俺達の目の前には、待ちに待った獣人国の関所である人工物の屋根が見え始めていた。


「……やっと、か……」


「……ああ、やっと、だ……」


「……ここまで~、長かったねぇ~……」


万感の想いと共に、そう一言だけ呟きあった俺達の顔は、おそらく『ゲッソリ』と言う形容詞がピッタリと嵌まるであろう状態になっているであろう。


鏡で見た訳ではない為確たる事は言えないが、それでも途中の水場や手持ちの刃物に写り込んだその顔は、頬は痩け目元には隈が色濃く刻まれ、顔色は青白くて血の気が失せ、瞳からは光が消えて死んだ魚の様な目をしているのであろう事は、他の二人の顔を見れば容易に想像がつく。


流石に、こんな状態になってしまっていては、女性陣からも心配の声が挙げられたのだが、じゃあ夜にゆっくり安心して寝かせてくれ、と言ってみると、それとこれとは話が別!と返された為に、こんなに窶れている訳なのである。

……別段、女性陣に襲われて搾り取られた(意味深)って訳ではない。ただの寝不足である。それと、癒し不足ではあるかも知れないけど。


しかし、そんな一切気の抜けなかった旅路もここまで。


眼前の関所にさえ辿り着けば、日との往来を予想して建てられた宿や関連の施設が処狭しと並んでいる為、否応無く宿へと泊まる事となるだろう。

それ即ち、俺達が安心して睡眠を取る事が出来る様になる、と言う事に繋がるのだ!


……それと、こちらの世界に来てからは、少々『溜まり気味』だった欲望を吐き出せるチャンスも有るだろうしね。

現状だと、自分で処理するのも難しいし、下手に刺激されると暴発しかねないしね。


……なら、誰かに手を出してしまえ?


……それをしてしまうと、俺達が『今後の予定』として考えている事に支障が出かねないし、今のところはそこまで強い気持ちを抱いている相手は居ないからね。

……もしかしたら、アストさんは『お願い』すれば大丈夫かも知れないけど、それはそれで『何か違う』様な気もするし、変態(サーラさん)にお願いするつもりは欠片も無いので、今のところの選択肢としては、それしか無いだろう。


そんな事をボンヤリと考えながら、サーラさんの背中で揺られていると、関所まで後一歩と言う辺りで不意に声を掛けられる。



「そこで止まって下さーい!」



その声に反応してサーラさんやサーフェスさん、馬車のモフモフも歩みを止めるが、俺の視線はその声を発した人物(?)へと固定されたままとなっていた。


その、大人にしては幼い印象を受け、男のそれとも女のそれとも取れない様な声の持ち主は、 武器として背丈に合わせた短めの槍を持ち、衛兵の職務として俺達の方へとそのクリクリとした円らな瞳から視線を向けて来ている、二足歩行の状態となった中型の日本犬、通称『柴犬』の姿であった。


思わず見詰めていた俺からの視線に気が付いたのか、俺へと視線を向けながら首を傾げて


「どうかしましたか~?」


と問い掛けて来るその様を目の当たりにしてしまった俺は、その問い掛けに答える事の無いままにサーラさんから飛び降りると、無言のままにその衛兵さん(仮称)へと近寄ると、その手の槍を構えさせる事のほとんど無いままに抱き上げ、そのモフモフの身体を殆ど理性がトンだ状態のままにモフり始める。


「あ~れ~♪」


とか言う悲鳴(?)が聞こえた様な気がしたが、別段嫌がられている様子も見られなかった為に、そのまま無言無心である。モフり続ける。


……確かに、カーラのフカフカした羽毛や、馬車を引いてくれている謎生物(タツの『技能』でも名前が出なかった)も、中々にモフモフしてはいるのだが、もとの世界ではどちらかと言うと猫とか犬とかの毛並みをモフモフする方が好きだった為に、羽毛や何だかよく分からない長毛をモフっていても、解消されない『モフり欲』が溜まっていたらしく、中々止めようとする気力すら沸かずに、ひたすらにモフり続ける。


すると、俺がモフっていた衛兵さん(仮称)のか悲鳴(?)を聞き付けたらしき他の衛兵(こちらも中型犬みたいな外見)さん達も寄ってきたのだが、俺が何をしているのかを確認すると、新しく来た人達(?)で話し合いを始め、俺にモフられる順番を自主的に決め始めている様に見受けられた。


「まだかなまだかな~♪」「楽しみだね~♪」「あっ!そこ!そこはもっちょっと強く!!」「やだ、この人凄いテクニシャン……」「もう一回並ぼ~!」


そんな感じで大変に喜ばれた俺の『モフり』は、パッと見がハスキーみたいな感じの大型犬の様な体格をした、おそらく衛兵さん達の上役と思わしき人が出てきて


「なんと言う羨ま……けしからん状況か!仕事中だと言うのに、お前達は!早く、その方達のチェックを済ませてしまわないか!続きはそれからだ!それと、チェックが終わったらわたしも呼ぶように!!」


なんて言い出すまで続けられる事となるのであった。

面白い、かも?と思っていただけたのでしたら、ブックマークや評価、感想等で応援していただけると大変有難いですm(__)m


あと、あまり関係が無いですが、旧作の方を連載再開致しました。

人外系主人公が好きな方は、そこそこ楽しめる……かも?

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新作始めてみました 『血塗れの殺し合いはもうお腹いっぱいだったので、テンプレ展開を期待して追放される為にわざと非戦闘系スキルばかり選んだら、何故か戦闘系スキルの連中を差し置いて『救世主』扱いされる様になりました』 珍しく戦闘少なめなコメディよりの作品になってます ……なってるハズです 良かったら読んでみて下さいm(_ _)m
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