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異世界の歩き方!  作者: Sakaishi-Nihonshi
第1章, 波乱にまみれた出会い
1/33

平熱の日々

頑張ります

僕はこの物語で何を掴み取るのだろう?

____________________________________________________________________________


『,,,ザザッ,,お っれ,,,にたすけ さっ,,,ザザッ,,,,,,,,,け,,くれっ たす,,,ザザッッけ,,,,ザザッいと,,,,,,,,,,,,,,,,,,』


『ザーーーわた,,,,,名はザザッ,,,ベル,,シェ,,ザザザッ,,,,,ヘリ,,タスター,,,

おま,,,ザザころ,,,あ,,,ザ,,,まのザザ,,,,名,,,,,ザーーーーーーーーーーッ,,,,,』

______________________________________


「……おーーい起きろ!!起きろって!! 

っちガキが…… おい!起きろ馬鹿!!」


甲高い音が教室中に響き渡った

気だるいながらもゆっくりと体を起こす

正面に目を凝らすと教科書を丸めて持っている

大学でも有名な体罰教師がいた 

浮かべる表情は暴力を振るえるという曇りのない恍惚によって笑顔になっている


「っつたー 痛いですよ教授……なんかもっとこう…

愛情を込めて起こすとかできなかったんですか?」


「黙ってろばーーーか 講義中だろ!?

寝ずに板書するのが学生の本分だろがよ!

お前は黙って俺の御高説を聞いてりゃいいんだよ」


体罰教師はもう一度教科書で僕をおもいっっきり殴り、

満足げに教壇へ戻っていく


***


「はいじゃあまずは肩慣らしとして

高校数学の問題やってもらいたんだけど……」


教授はそう言い、教卓の引き出しから

自分専用のマイチョークを引っ張り出す

そして黒板に円とそれの中に四角形を書き連ねた


「これね 円に外接する四角形の3辺と挟む角1つが分かってるよ〜と、

じゃあね、この時の四角形の面積はなんでしょう!という問題

別に答えは出さなくてもいいから、解き方の方針だけ教えてください

それじゃあ…………各務かがみ!!

言ってみろ」


教授は講義室の前の方に座っている僕に狙いを定め、

チョークを持ったまま指で指名する

それに虚をつかれた僕は完全にしどろもどろになってしまう


「へ? ぼ、僕ですか?」


「そうだよ!!

各務楓馬かがみふうま!

てめぇ以外の他に誰がいる ほーら早く答えろ」


「え、え、えーっと……

まず四角形に対角線を引きその長さを余弦定理で出す、

次に外接する四角形の対角は合計180°だからそれを使って

四角形の残り1辺を求める、

んで最後に対角線で分けた2つの三角形の面積を

足し合わせて答えが出る……合ってますか?」


僕は黒板に書かれている図形を見ながら,矢継ぎ早に説明を終わらせる


「結構説明を端折ってはいるけど……まぁ合ってるわ」


教授は僕に対する悔しさを滲ませながらも

変わらず講義を続けた


「はいではその方針に沿って実際に計算してみましょう!

まず……………………」


***


キーンコーンカーンコーン


「はいでは今日の講義を終えます

来週末までに課題レポート出さんかったらビンタな〜」


教授の発言に若干の恐怖を覚えつつも鞄を取り出して

帰りの準備を始める

……やっと、やっとなんもない日が終わった 

変わり映えのない、

取り立てて言うことのない、

「日常」そんな陳腐な言葉がよく似合う……

ただの日が


あっとぉ…… そういえばまだ今日のタスクが一個だけ残ってた 

パシリだ

そう、僕は必死こいて勉強して日本有数の名門大学に入ったはいいものの、

入学早々中学の元同級生のパシリに昇格したのだ 

……いや 降格か


まぁそんな悲しい悲しい過去はどうでもいい 

今いる講義棟の玄関から売店までの500メートルを2分以内に走れるか 

それが今日という日の強いて言う見どころだ


「最終持ち物チェックでもすっか 

靴紐よーし、レジ袋よーし、

そんでいっちゃん大事なお金もよーし っと」


因むとこのお金は僕をパシらせている相手の自費だ 

こういうもののテンプレは食べ物代もこっち負担だけど…

優しいのか性悪なのか正味わからない


***


「いや〜〜〜思ったよりもいっぱい買っちゃったわ〜 

あいつぜたい自分の分より多くお金渡しとったでしょ 

っぱあいつ聖人だわ笑」

「ささっ、ちゃちゃっとあいつに焼きそばパンとかだけ渡して……

河川敷にでも行ってパン片手に黄昏るか〜〜〜」


大学内を悠々と闊歩かっぽしながらそんな阿呆なことを考えていた時、

綺麗なキャンパス内にあるまじき

寂れた見窄みすぼらしい建物が泰然とあるのを見かけた 

まるで……遥か昔からあるように

ここは何度も何度も通っているのに初めて見た……

そしてその建物と講義棟の狭間はざま、

所謂いわゆる路地裏?


そんな感じのところに

……ポータルがあった


決して嘘ではない 

厚みのある縦に長い楕円形で、

目をつぶってしまうほど煌びやかに黄緑の色を発している

奥にはグラデーションのついたドス黒い闇?が広がっていた

そんな奇妙な物体が浮き沈みをしながら浮遊しており

不気味さに拍車をかけている


本来ならすぐさまここを立ち去って大学の総務課か警察に通報して

対応をしてもらう、それが模範的で多くの人から褒められる

「正解」と言うものであろう


でも……不正解を引いてしまった 

僕はそのポータルに向かって一歩、また一歩、歩みを進めたのだ


なぜだろう……

なぜなのかは僕にもわからない

けれども見当はついている 

この日々から抜け出したかったのだ


変わり映えのない、

取り立てて言うことのない、

「日常」そんな陳腐な言葉がよく似合う 

ただの平熱の日々から

パン片手に黄昏ること以上の喜びを、楽しさを、

このポータルに触れたら得られるのではないか……

それには当たり前だがなんの確証もなかった 

逆にもっと不幸になってしまうかもしれない 

逆にもっと不遇になってしまうかもしれない


だけど僕はこの退屈な日常からの脱却を夢見て……

一歩、また一歩、歩みを進めた 

また一歩、一歩、歩みを進めた


***


そして、触れた……


「……はぁ

なんもねーじゃん」


触れるだけではダメなのだったら入ってみよう 

そう思い右足を前に突き出した


その瞬間、僕の体が消えた 

この世界から

この陳腐な日常から

この平熱の日々から

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