表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光輝士セイグリッター  作者: なろうスパーク
46/50

第45話「最後の出撃」

セイグリッター、ガイストパンドラー、デルタクローズは、力を会わせてウィーズの獣将軍ヴォルガンを討ち取った。


しかし、それは地球滅亡のカウントダウンの始まりだった。


ウィーズの宇宙要塞・ディアブロに搭載された惑星破壊兵器・ゲノサイダ砲が、地球に向けられたのだ。


シャルルは、地球を救う為。

愛する人々を救う為。

そして、ウィーズとの因縁に決着をつける為。


最後の戦いに身を投じるのであった………。





………………





そこは、機械的な空間であった。


シャルルは今、刃やブレードと共に、ロボット部隊に与えられた待機室に居る。

隣には、久々に会ったデオンの姿もある。


今現在シャルルに与えられているのは、体力の温存だ。

そう、最後の戦いに備えての。



『艦内にいる全ての乗組員に告ぐ、まずはこの戦いに参加すると表明してくれた事に礼を言おう』



そこに、現在「ブリッジ」に居る、諏佐の言葉が響く。


シャルル達だけではない。

ウィーズとの決戦に挑む全ての人々が、この声を聞いていた。



『これより、我々はウィーズとの最終決戦に挑む、生きて帰れる確率は、はっきり言って低いだろう………だが、絶対に生き残れ!』



諏佐の言い放つ言葉の一つ一つが、連合軍の兵士達の心を揺さぶり、高ぶらせる。

これこそが、諏佐が連合軍日本支部を任された理由であり、兵士達が彼についてくる理由だ。



『我々は生き残る!そして勝つ!勝って、英雄となるのだ!』



オオーーッ!という連合軍の兵士達の雄叫びが、響き渡った。


そして雄叫びが静まると同時に、諏佐は目を見開き、その最初の司令をくだす。

それは。



『………宇宙強襲戦艦「ヤマタノオロチ」、発進ッ!!』



その司令と同時に、「それ」のエンジンが稼働する。

原子炉より発展を遂げた最新エネルギー機関「タキオンドライヴ」のエネルギーが、その全身に行き渡る。


そしてタカマガハラ基地のある東京湾を、まるでモーセの軌跡がごとく切り裂き、その千を遥かに越える巨体を現した。



それは、地球上で知られているいかなる兵器とも、似ても似つかない姿をしていた。

いや、一番近いのは戦艦というべきか。


無数の鉄を組み合わせたかのようなそれは、

1000メートル近い巨体を誇り、スクリューのあるべき場所と翼には、デルタクローズの物より大規模な光波推進システムを積んでいた。


全身に儲けられた砲台は、その全てが最新式のプラズマ粒子砲で、50メートルサイズのロボットを出撃させるカタパルトまでついている。



その姿は、まさに圧巻であった。

海から現れたその姿は、まさに天に昇る龍のよう。

タキオンドライヴの稼働音は、龍の咆哮にも聞こえた。



かつて、来るべき宇宙時代の幕開けに備え、連合軍が極秘裏に推し進めていた宇宙軍編成計画。

デルタクローズも、その計画の一環として設計されていた。


そしてこれは、デルタクローズのような50メートルサイズのスーパーロボットを運用する為に開発された、宇宙強襲戦艦。


各国の連合軍に、切り札として与えられた超超ド級の宇宙戦艦。


アースガルズ級2番艦・ヤマタノオロチ。


今、諏佐達が出せる中で、最強のカードだ。

極秘裏の存在ではあるが、地球の危機にとやかく言っている場合ではない。



空に昇ってゆくその雄姿を、街に残った人々はただ見守っていた。


勝一も、早苗も、響も、匠も、由子も。

そして、春香も。



「………頼んだよ、皆………シャルル君」



空の彼方に消えてゆく姿を見守り、春香はそう呟いた。

人々の期待を背に受けて、ヤマタノオロチは空の彼方へと消えていった………。





………………





「大気圏、突破しました」

「間もなく、 衛星軌道上に到達します」



ヤマタノオロチのブリッジにて、オペレーター達が今現在の状況を復唱している。


既に空は無く、足元には丸い地球が見えている。



しばらくすると、ヤマタノオロチに別の機影が近づいてきた。


協力を申し出た中国とドイツのアースガルズ級。

中国の保有する緑色の3番艦「ホンロン」。

ドイツの保有する漆黒の4番艦「フッケバイン」。



「協力感謝します、シャオロン司令、ネーナ司令」

『こちらこそ』

『地球の危機ですからね』



壮年の中国の連合軍司令「シャオロン」と、女性のドイツの連合軍司令「ネーナ」が、モニター越しに諏佐に挨拶する。


二人とも、今回のディアブロ攻略に賛同してくれた、頼もしい味方だ。



中国とドイツの艦が合流した後に、遅れて別の、四つの機影郡が現れる。


三隻のアースガルズ級と比べると、大きさは半分ほどで、ロボット用のカタパルトもない。

立派な宇宙艦なのだが、アースガルズ級を見た後では、どうしても見劣りしてしまう。


連合軍がアースガルズ級の後に開発した、宇宙航空母艦「トール級」だ。

見た目の通り、アースガルズと比べて性能は低いが、安価で生産できる船だ。



「連合軍艦隊、合流します」



諏佐には、あれが連合軍から増援として向けられた「艦隊の一部」だという事は、オペレーターが告げる前から解っていた。


そして、ディアブロを落とすにはこれだけではまるで足りないという事も。



「………連合軍本部は何を考えているのでしょうか、これでは、敵要塞攻略など………!」

「落ち着け、不利なカードで賭けに出なければならん事もある」



まるで事態を解っていない連合軍に憤る佐藤と、それを諌める諏佐。


そして諏佐の言う通り、この戦力でディアブロを攻めるのは、厳しい。

けれども、それでもやらなければならないのも事実だ。


なにはともあれ、こうしてウィーズとの決戦の準備は整った。

アースガルズ級三隻とトール級四隻による連合艦隊が、ディアブロのある月に向けて舵を取った。



………目標到達までの数時間。

各艦の乗組員達は、それぞれの時間を過ごしていた。

激闘に備え、体力を温存する者。

地球に残してきた家族に、遺書代わりに電子メールを送る者。

最後の晩餐と称して、談笑と食事に花を咲かせる者。


そして………。



「目標までの距離は?」

「目標まで、あと10万キロ」



流石は、地球連合軍の技術の粋を集めて作られた宇宙艦隊。

40万キロ近くある月との距離を、短時間で縮めた。

そして。



「………目標より、怪ロボットが次々に発進!真っ直ぐこちらに向かってきます!」



オペレーターの一人が、顔を青くして叫んだ。

レーダーにも、前方のディアブロから次々と発進してくる無数の機影が映っている。



「おいでなすったか………!」



ブリッジより前を睨む諏佐。


その視線の先には、ディアブロから出撃してきたのであろう、今も東京に居座っているデモニカと同型の巨大円盤群。


そして、それに率いられた、無数のインベイドベムの軍団。

宇宙を黒く染め上げ、自分達に反抗する連合艦隊を沈めんと迫り来る。



「ブリッジ格納!急げ!」



宇宙艦隊のブリッジが、被弾を避ける為に船体の内部へと格納されてゆく。


ブリッジの窓は、外部カメラからの映像によるモニターに切り替わる。

所謂、戦闘モードというやつだ。



「砲台展開!」

「照準、オートモード!」



艦の各部に設置されたプラズマ粒子砲の砲身が回転し、インベイドベムの接近に備える。

計算上なら、直撃を受ければインベイドベムも大破するほどの威力だ。



「戦闘機部隊、及びスーパーロボット部隊、出撃準備!」



そして最後に、機動戦力を出撃させる。

決戦の火蓋は、今切って落とされた。





………………





宇宙服に身を包んだ整備班達が退避する中、ヤマタノオロチに搭載された戦闘機部隊が出撃してゆく。


既存の戦闘機に少しの改修を施し、宇宙用のブースターを取り付けた宇宙戦闘機。

宇宙軍編成計画の一環として作られた物だが、新たにブースター部に追加されたビームキャノンは、プラズマ粒子砲と同じ威力………インベイドベムを一撃で撃破する威力を誇る。


もう、やられ役なんて言わせない。



「まるで昔見たロボットアニメみてーだな!腕が鳴るぜっ!」

「調子に乗るな弥太郎、これは実戦だ」

「わかってますよ隊長!」



ヤタガラス小隊も、この戦場に出撃してゆく。

ズシン、とカタパルトに足をかけるデルタクローズ。

だが、その姿はいつもと違う。



背中には大型レールガンと、追加バーニアが一体化したバックパック。


両肩には戦艦用のミサイルランチャー。


左腕のマシンランチャーが二問のプラズマ粒子砲に換装され、腰のレールガンは大型ビームランチャーに。


そして脚部には宇宙用のバーニアが、挟み込むように取り付けられている。



決戦に備え、宇宙用の改修と強化が施されたデルタクローズ。

名付けて「パワードデルタクローズ」。


一部に、ガイストパンドラーやセイグリッター、そしてデオンより提供された異星の技術を応用した、デルタクローズの最強形態だ。



「よし、パワードデルタクローズ、行くぞ!」

「了解!」

「了解!」



カタパルトにより、宇宙に向けて射出されるパワードデルタクローズ。

光波推進システムとバーニアにより、その巨体をまるで軽業師のように、無重力の世界に舞わせる。



『続いて、「ネオガイストパンドラー」、発進してください』



そして、パワードデルタクローズに続き、ガイストパンドラーもその姿を現した。

そしてその姿は、強化改修により大きく変化している。



胸のフォトンノヴァは一門に減ったが、パワーを補う為に両サイドにエネルギー増幅装置が取り付けられている。


四肢は太く、大きくなり、両脚にはバルチャーミサイルの代わりに四連の誘導ミサイルランチャーが取り付けられている。


背中のウイングバインダーは、より高性能は光波推進システムの翼に変更され、羽ばたくと翠の光の粒子が散る。


そして自らを悪の手先であると言っているようだったモノアイは、高性能センサーを兼ねたオレンジ色のバイザーに覆われている。



新たな姿に生まれ変わったガイストパンドラー。

その名を、ネオガイストパンドラー。


セイグリッターの予備パーツにより改修されたそれは、オリジナルな改修時の姿を上回る性能を獲得していた。

ウィーズの破壊の翼は、地球を守る赤き翼へと生まれ変わったのだ。



ブレードは、何も言わない。

ただ彼の中にあるのは、響より下された「命令」のみ。


必ず、生きて帰れという。



「ブレード、ネオガイストパンドラー、出る!」



カタパルトにより、宇宙空間に弾き飛ばされるネオガイストパンドラー。

今、深紅の不死鳥が戦場に飛び立った。



「Lass uns gehen!」



続いて、フッケバインのカタパルトより、戦闘機部隊に混ざって出撃してゆく一機のスーパーロボット。


先日配備されたばかりのデルタクローズ2号機「シュバルツリッター」は、ビームガンと光波ブレードが一体化した銃剣を二丁装備している。


パイロットを務めるのはドイツ軍のラングレー三姉妹。

美女揃いの、ドイツ軍のトップガン。



「発進!」



ホンロンからも、パーツ状態だった物を急いで組み立てた、深緑色をしたデルタクローズ3号機「リュウビ」が出撃する。


斬馬刀を思わせる、巨大な刃のついた矛を手に、インベイドベムの軍団へと向かってゆく。


パイロットは中国軍の航空エース部隊「ソン小隊」。

中国軍の誇る、エリートだ。



トール級艦隊からも、三隻のアースガルズ級に搭載されている物と同じ、宇宙戦闘機の部隊が発進。

自分達よりずっと大きいインベイドベムに、臆する事なく向かってゆく。



次々と出撃してゆく、地球を守る勇士達。

そして、ヤマタノオロチの奥より、ついにそれはその姿を現す。



「ブレード、セット!」



眼前の機械に、デオンカリバーを差し込む。


すると、たちまちコックピットの機材が起動し、シャルルの身体をスキャンする。




『同調完了です、シャルル様』




デオンがスキャン終了を知らせると同時に、球体状の壁に、セイグリッターの外部の光景が映し出された。



セイグリッターを通した視界が、少年の目に映っている。


そしてその眼前に見えるのは、宇宙空間に広がる戦場。



「………まるで、あの日みたいだ」

『はい、シャルル様』



眼前に広がる戦場を前に、かつての惑星アマデウスの最後を思い出すシャルル。

破壊される建物、崩れ落ちる国、炎の中に消えていった家族。

そして、どうする事もできなかった自分自身。



「でも、あの時とは違う!」



そうだ、あの時とは違い、自分には力がある。

そして、共に戦う仲間もいる。


もう、アマデウスの悲劇を繰り返させる訳にはいかない。


ズシン、と、カタパルトの上に乗るセイグリッターの姿も、この戦いに備えて変化していた。


一見すると、背中にジャンボフェニックスが合体しており、スカイセイグリッターもに見えた。

が、よく見ると細部が違う。


両腕には三連ビーム砲が装備され、足にはミサイルユニットと、宇宙用のスラスターが追加されている。


両肩のアーマーの上にはガトリングランチャーが取り付けられ、頭には立派な鶏冠のような角が付いている。


そしてカラーリングは、耐ビーム用のコーティングを施した結果、元のセイグリッターのように青くなっている。


そして右手には、チェーンソーと大型ライフルが合体したような「エクスカリバー」という巨大な武器を握っている。



グラングジョーの残骸より回収された、ドラグカイザーのパーツ。

そしてデオンが内蔵していた予備パーツを使い改修された、セイグリッターの最強の姿。


今使える中で、最高最善の手を打った、最後の戦いの為のセイグリッター。

その名を。



「………「キングセイグリッター」、行きます!」



カタパルトにより、その巨体が宇宙に射出される。

今、アマデウスの遺産。

キングセイグリッターが、最後の戦場へと飛翔した!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ