表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/15

仲良くしようね坂本君1

 というわけで現在三人は近くのゲームセンターにやってきていた。

 一階はクレーンゲームばかりでお菓子もあれば、有名モンスター作品のぬいぐるみだったり、アニメのキャラのフィギュアなどが景品プライズになっていた。

 そして二階はプリクラやアーケード、リズムゲームなどのアクティブ系が揃っている。


「とりあえず一階から見るか」


 まずは一階のクレーンゲームを回ることにする一行。


「へー、色んな景品があるんだね」

「まぁ、ゲームセンターだしな。でも今は特に欲しいものないな。星川、ここはスルーして二階に━━あれ? 星川はどこだ?」


 二人はキョロキョロして探すが近くにはいない。

 一階をくまなく探すと、クレーンゲームにぴったりと顔をくっつけ過ぎて、鼻息でガラスを白くさせている美夜佳を発見。

 他人のふりをしようかと考えている進だったが、巫女乃は優しく近づいて声をかける。


「どうしたの?」

「ちょっとこいつが気になってな」


 ガラス越しに見えるのはパケットモンスターで大人気のドブネズミパケモンのぬいぐるみ。


「欲しいのか」

「フッ……我がこんな愛くるしくてベッドで抱きしめながら一緒に寝たいぐらいかわいいぬいぐるみを欲しいわけないだろう」

「あ、そう。なら行くぞ」

「いや待て我が友。急がずとも、な? ほら、な? あれがあれだし、な? もう少しここに、な?」

「星川、僕も鬼じゃないんだ。素直にこの場で地面に頭を擦り付けて『このぬいぐるみが気になるので少し待ってください。どうかお願いします』って言えば待ってあげるんだからさ」

「待つ条件がすでに鬼の所業だぞ我が友よ。ではなくて、そもそも我は欲しいと思ってない! 勘違いするな!」

「なら今すぐ見本のぬいぐるみを離せ」


 引き剥がそうとする進だが、美夜佳は頑なに離そうとはせずに掴む力を強める。

 可愛らしかったむいぐるみは二人に引っ張られ、可愛さのかけらもない顔つきになっていく。

 お互いが一歩も引かないため仕方なく進は手を離す。


「ほら、どけって」


 美夜佳をどかし、五百円を投入する。

 アームでぬいぐるみを少しずつ出口に近づけ、最後の一回でなんとかむいぐるみを獲得。

 それをすぐさま美夜佳へと投げた。


「ほらよ」

「おっと!」


 持っていたサンプルのぬいぐるみを離して、飛んでくるぬいぐるみをキャッチ。

 飾りの目と目線を合わせると、満面の笑顔になる。


「我が友ありがとう!」


 ぬいぐるみに頬擦りをしている美夜佳。


「これからよろしくな! ノエル=シロノワール13世!」

「僕が取ってあげた奴に変な名前つけないでくれる?」


 なにわともあれ、ようやく美夜佳の足を動かすのに成功した。

 これで次に進める……と進は思っていたが、


「いいなー星川さん」


 背後からの声に悪寒が走った。


「ねぇ坂本君」

「何かな天神さん」

「私も取ってほしいなー」


 可愛らしくお願いする巫女乃。

 だが進にはそれがおぞましく見えた。

 かといって美夜佳には取っておいて、巫女乃は取らない理由がない。

 あるとすれば、金銭面なのだが、


「ごめん、僕そこまでお金持ってないから」

「いいのいいの! 私が全部払うから」


 その問題が解決すればいよいよ逃げ場がなくなる。


「……ちなみに、どれを取ってほしいの?」

「うーん、坂本君にお任せしようかな。ゲームセンターに来たんだから、何か持ち帰りたいなって思ってるだけだから」 


 任された進は思考を開始する。


(取ってくれと言っておいてお任せってのも変だけど好都合だ。この人には手元に残るものは渡したくない。僕が選ぶべきものは決まってる。消費出来るもの。つまり……)


 視線を横にずらし、目的のものを見つめる。


(うめぇ棒百本入り! あれしかない!)

「どうしたの?」

「いや、決めたからやろうかと」


 景品を取るまで一歩も動かないと言わんばかりにその前に立つ。

 景品がうめぇ棒であると分かっても嫌な顔一つせず、五百円を進むに手渡す。

 そのまま投入口に入れ、ゲームを開始。

 今にも落ちそうな場所に置いてあったこともあり、これも追加投入することなく獲得するのだった。


「はいどうぞ!」

「ありがとう!」


 嬉しそうにする巫女乃。

 美少女に喜ばれることは進も嫌な気持ちになるはずもないのだが、相手が例外なため素直にその感謝を受け取れない。


「坂本君が取ってくれたうめぇ棒、大事に使()()ね!」

「いやただのうめぇ棒なんだし、大事に食べ━━え、使う?」

「我が友! 天神さん! 早く二階に行くぞ!」

「うん! 今行く!」

「ちょっと待ってよ。今使うって言ったよね? 使うって何? 何に使うの? ねぇ天神さん」


 目と目を合わせた巫女乃はニコッと目を細めて笑うと……無言で美夜佳と一緒に二階へ上がった。


(使うっていったよ。何使うつもりなの? 取ったのうめぇ棒デ○ソース味なんだけど)


 今更用途について考えても、すでに巫女乃の手に渡ったものを回収することはできない。

 諦めて進も二人の後を追う。

読んでくださりありがとうございます

感想お待ちしてます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 巫女乃さんやっぱりヤバい人じゃん...
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ